ロシアの話題から 2011

期間: 2011年 注)全てを記載しているわけではありません。。


フォボス・グルントに関して今のところ続報はなし。

ロシア宇宙庁は、立て続けのロケット打ち上げ失敗を受け、多くの企業体トップを若返らせる方向で動いていると。「クライシスにある。我々は状況を脱する方法を見つけねばならぬ。若い世代にもっと任せようかと。いまが、多くのトップを交代させる機会かも知れない」と。露宇宙庁ポポフキン長官によると、多くの傘下企業体の従業員は60を大きく越える年齢であり、30台は殆どいないと。「中間年齢層が殆どいない。この状況は打開せねばならない」と長官。RIAノーボスチ。

ロシアで、宇宙技術の国外向け輸出入窓口を一本化する動き。ロシア宇宙庁長官、対応企業体創設を示唆と、イズベスチアが報じる。長官によると、ロシアの企業体の競争原理が排除されることはないと。しかしそれ(競争)は対外的には必要の無いものであると。外軍事市場で輸出を一括して担う企業体にRosoboronexportがあり、そのような形を構想しているようである。RIAノーボスチ

先日打ち上げ失敗したソユーズw/メリディアン衛星の破片は、「宇宙飛行士通り」と名付けられた通りに面する民家を直撃。住民Andrei Krivoruchenkoさんは音響を聞いて屋根に上ったが、最初は何が起こったのかわからなかったと。
なお、被害状況調査の上、クリボルチェンコさんには補償が行われるとのこと。RIAノーボスチ。

日本時間29日午前2時9分、バイコヌールよりソユーズロケットw/ Globalstar 打ち上げ。成功。

先日打ち上げ失敗したソユーズロケット w/メリディアン衛星の残骸を専門家が回収。しかし現地は大雪のため火曜日まで動けず、水曜日に帰ると。RIAノーボスチ。

ソユーズの破片が散ったノボシビルスク州オルダでは10個の破片が確認された。うちひとつは民家の屋根を直撃。RIAノーボスチ。残骸の中には2個の燃料タンクが含まれると(直径約1.5m)。中は空だったという。

モスクワ郊外のエネルゴマッシュに複数の部外者が侵入し、5日間にわたって写真の取り放題やらだったと。この間、セキュリティには誰も出くわさなかったと。エネルゴマッシュはロケットエンジンの開発・製造を担う老舗。この件を重く見たロシア宇宙庁は、来月までにセキュリティ対策を講じるよう指示を出したと。なお、侵入者たちは彼らのブログでこれを明かしていると。

ロシア宇宙庁ポポフキン長官は不快感をあらわにし、彼らを「厚かましいネズミども」と呼んだと。なお、エネルゴマッシュ社のフェンスには外部とアクセスできる穴があいているといい、しかもそれをリペアする金がないのだと。

その問題のブログはこちら。すげえ。すっごいボロボロだが現役施設。
http://lana-sator.livejournal.com/160176.html

「雪の上に人の足跡はなかった。代わりに犬のものがあった。その痕跡から、たくさんの犬がいるようだ」と、リンク先のページの説明文にはある。

オホーツク海北部で貨物船「ゴールデンコリマ号」、救難信号。氷山に当たり浸水した模様と。RIAノーボスチ至急電。

ふと。収容所から釈放されたコロリョフは、オホーツク市へ向かい、そこから船で沿海州へ渡る予定だった。しかし12月、彼が市へついたときは最後の便が出た後だった。だが後日聞いたところ、その船は遭難したと。(この事故は日本にも記録が残っている。wikiによる解説こちら

ロシアのプーチン首相はロシア宇宙庁に対し、2030年そしてそれ以降のロシア宇宙開発ロードマップを50日以内に策定し提出しろと。RIAノーボスチ。

ロシアのドミトリー・ロゴジン副首相はロシア宇宙庁に対し、1月末までに施設警備の不備を補強せよと指示。これは先日の一般人によるエネルゴマッシュ侵入を受けてのもので、同様のことが再度発生したら厳しい処置で臨むと。なお、ロゴジン副首相はロシア宇宙庁の活動を含む政府の防衛を管轄しており、エネルゴマッシュ侵入を「受け入れがたい出来事」として強い懸念を表明している。RIAノーボスチ。

フォボス・グルント、リエントリ解説。わかりやすいアニメーション。Video: Phobos-Grunt Re-Entry Animation


ロシア当局者は24日、前日に打ち上げたものの地球周回軌道投入に失敗した通信衛星「メリディアン(子午線)」の破片がシベリアの村に落下し、「宇宙飛行士通り」の民家を直撃したことを明らかにした。(写真はロシアのロケット)

破片が落ちたのはノボシビルスク州の州都ノボシビルスクから約100キロ南のオルディンスク地区。地元治安当局者がインタファクス通信に語ったところでは、破片は直径50センチほどの球体で、同地区のワガイツェボ村にある民家の屋根を直撃した。

同当局者は、皮肉なことに民家は、旧ソ連やロシアの宇宙計画で活躍した飛行士たちをたたえて「宇宙飛行士通り」と名付けられた通りにあると述べた。

同地区の地区長によれば、民家には男性とその妻がいたが、けがなどはなかった。男性は、物音を聞いた後に衝撃があり、外に出て屋根が損壊しているのを見つけたと話しているという。専門家が被害程度を調査中で、男性は損害賠償を受け取る予定だ。 【時事 12.24】

(上の記事について)プレセツクからソユーズロケットで打ち上げられた通信衛星、軌道投入失敗。上段「フレガート」が不具合起こしたための模様と。RIAノーボスチ至急電。「初期データ解析によると、フレガートがトラブルを起こしたようだ」と。元記事はこちら

国際宇宙ステーション(ISS)に滞在する3人の宇宙飛行士を乗せたロシアの宇宙船「ソユーズTMA−03M」が21日、カザフスタンのバイコヌール宇宙基地から打ち上げられた。

ソユーズには米国のドン・ペティ、ロシアのオレグ・コノネンコ、欧州宇宙機関(ESA)のアンドレ・カイパースの3宇宙飛行士が搭乗している。米国時間の23日午前に宇宙ステーションにドッキングし、現在滞在している米国とロシアの宇宙飛行士3人と合流する。【CNN 12.22】

            ソユーズクルー、いざ射点へ!
 

           打ち上げ直前の宣誓式に臨むクルー
 

               ロケットに乗り込みます
 

                   リフトオフ!!
 

その他の画像はこちらへ【photo: Energia】


ロシア宇宙庁ポポフキン長官は、ESAが2016年に予定している火星探査ミッションExoMarsに参加する方向であり、来る2月にもその内容で合意することになろうと語った。ロシアはキャリアロケットとしてプロトンを提供するのみならず、科学観測機器など広いレンジで協力できると、長官語る。RIAノーボスチ。


「私はカモメ」のコールサインで有名な旧ソ連の世界初の女性宇宙飛行士ワレンチナ・テレシコワさん(74)が、4日投開票のロシア下院選(定数450)でプーチン首相の与党・統一ロシアから出馬し、当選したことが17日、分かった。かつてソ連共産党中央委員を務めており、久々の「国政復帰」となる。

テレシコワさんは、ガガーリンの初の有人宇宙飛行から2年後の1963年、ボストーク6号で宇宙に。交信時のコールサインは「チャイカ(カモメ)」で、宇宙からの第一声が当時の流行語になった。【時事 12.18】


ESAとロシア、ギアナ基地からの有人ソユーズ宇宙船打ち上げについては何も話が進んでいないと。RIAノーボスチの元記事

フォボス・グルント関連で、13日〜17日のメモです(古い順)。

フォボス・グルント、特に進展無し。(15日)

ロシアのルナ・グロブ計画で使用される探査機(原案図)。同計画は2パートに分かれており、ローバーとサンプルリターン。サンプルリターンは一瞬、フォボス・グルントと見間違える。

フォボス・グルント計画は今後続くルナ・グロブ計画やベネラD計画などの前哨戦としての位置づけもなされていた。失敗の原因がはっきりし対応が取られるまで、後続計画は延びることになるのではと見る向きもある。

ロシアの元弾道ミサイルシステム指令であるニコライ・ロジオノフ氏は、フォボス・グルントはアラスカのHAARPが発した強いビームの影響で壊れたのではないかと。稼働目的にはこれまで何かと言われてきたHAARPだが、しかし、直近では9月に運用されたのが最後だったと。記事はこちら

ちなみにHAARPがフルパワーでビームを発しても、フォボス・グルントの高度では23メートルの距離から60ワットの電球で照らしたのと同じくらいのパワーしかない。HAARPにとっては言いがかりですな。

ロスコスモスよりFGに関する公式最新状況。計算によると、落下予想は1月6〜19日の間。正確な突入地点は数日前にならないと予測できないと。ごく小型の放射線源(コバルト57、10マイクログラム)が搭載されているが、汚染等の危険性はないと。

ロスコスモスが落下日時について具体的なことを言ったのは初めてですね。

NHKニュースで、フォボス・グルントが来月落下と露宇宙庁が発表したことを一報。(17日)


巨星がまたひとり、落ちました…

ボリス・チェルトク氏(人類初の有人宇宙船を開発したソ連技術者)ロシアのロケット宇宙企業エネルギアによると、14日朝、モスクワで死去、99歳。インタファクス通信などが伝えた。

12年、現在のポーランド中部ウッチ(当時、帝政ロシア)生まれ。ドイツの弾道ミサイル「V2ロケット」を第2次大戦後に調査研究。その後「ソ連宇宙開発の父」と言われるコロリョフの右腕として、世界初の人工衛星スプートニク打ち上げ(57年)やガガーリンの有人宇宙飛行(61年)に貢献した。【時事 12.14】

フォボス・グルント、9日〜12日の動向です。遅れ気味になりすみません。。(古い順)

現在値での米戦略軍による最新予測。このまま変化がなかった場合、フォボス・グルントは来月9日に大気圏突入と。RIAノーボスチ。

フォボス・グルント計画プロジェクトマネジャーのレフ・ゼレニー氏は、FG計画と同様の内容で再度フォボス探査に挑戦したいと意欲。「露の次のプログラムが現在検討されている。現時点ではルナ・グロボとルナ・リソースである。また、露とESA、NASAの合同でExoMarsがある。将来的には露科学アカデミーは、フォボスへ新たなミッションを用意することになるだろう。ただし現時点では、何も決まっていない」。RIAノーボスチ。

ロシア宇宙庁がフォボス・グルントに関して公式リリース。軌道離脱に失敗し現在の状況に至った原因を調査する委員会を立ち上げたと。リリースこちら

露宇宙庁による、10日現在のFGの軌道。アポジー287km、ペリジー202km、軌道傾角51.41度、周期89.39分。また、FGの誘導落下にむけて、ロシア国防省と協力体制に入ったと。

ロスコスモスの声明でも出ていたFG調査委員会、RIAノーボスチでも一報。委員長はユーリ・コプテフ氏。「ステップははっきりしている。まず複数のプロファイルグループを作り、探査機開発の全過程を分析する。全ての機器に科せられているクリア条件が満たされていたのか、そして組み立て工場ではきちんとされていたのか。打ち上げまでのあらゆる事がチェックされることになる」と。)(この訳文は意訳が混じっています。解釈にずれがあるかも。ご注意) RIAノーボスチ原文

上のRIAノーボスチの記事だが、FG調査委員会委員長コプテフ氏の、メディアに対するけん制も報じている。相次いで出る大気圏突入の日時予想報道に警告を。「メディアはいつもホットな情報を追い求める。不必要に人々を恐れさせる必要は無い」と。また、「大気圏突入する衛星はその殆どが燃え尽きている。地上に落ちても人的被害は出していない」とも。

12日現在、以上より進展はなし。


ロシア、ESAが2016年に予定しているExoMarsでプロトンロケットを提供する用意があると。「ロシアはプロトンの提供を約束した。しかし彼らはリターンを求めている。それは科学機器の提供や学者の参画を認めるという内容になるだろう」と。
ロシアとESAそしてNASAはパリで協議を行った。会合は2つのワーキンググループに分かれ、ひとつはロシアサイドの科学ミッション内容、もうひとつはミッションに対するプロトンの能力を検討するものだった。なおこの時点では、いかなる文章の調印にも至っていないと。NASAは今回の協議の内容と2013年予算を考慮した上で、参加の仕方を決定すると。詳細はこちら

ロシア宇宙庁も公式リリース。ロシア参画の最終決定は、19日にモスクワで行われる会合で表明とのこと。



フォボス・グルント、4〜6日の動向です(古い順)↓

米国のレーダー観測によると、明らかにフォボス・グルント本体から分離したものとみられる2つの物体が確認されると。両者はゆっくりと本体から離れ、急速に高度を低下させ、少なくともどちらかは1日に突入したようであると。

卓越した衛星観測家であるTed Molzcan氏によると、比較的密度の高い物体で、大きさは10センチで重さは500グラム程度とみられるという。

(…急速に高度を落としたということは、大気ドラッグを強く受けやすいものか?もげたパネルとか?管理人)

フォーブス誌も、メドヴェージェフ大統領が先月末に表明したFG関係者処分の方向について記事を掲載。同大統領は、スターリンのような振る舞いをするわけではないと。エンジニアたちに怒り心頭になっているわけではなく、一連の出来事はきちんと調査されねばならないと。

そうして、場合によっては、関係者に懲戒や過失責任を問うような懲罰を科すと。Forbes "Medvedev: Engineers Behind Russia's Failed Mars Probe Could..

日本時間5日午前0時20分のデータで、フォボス・グルントのアポジーは300キロを割った。perigee = 206.655 km, apogee = 299.912 km。

フォボス・グルント、フライトのギリギリまで欠陥やミスが見つかっていたようだ。燃料を充填し、ファイナルチェックの段階で、電気系コネクタにミスが発覚と。これをつけかえる段階で引き回しに欠陥が認識され、それを複雑なソフトウェアで乗り切らねばならなくなったようだ。

だいたい、燃料充填完了で電気系に不具合が見つかるとは、ネデリン事故と同じだなぁと思ったら、記事にもそうあった。Russianspaceweb。

もう、言葉がないですね。・・フォボス・グルント、コストセーブのため電気系と無線系テスト用のプロトタイプモジュールは作られず。テスト用モックもそれが完成形ではなく、モックによるテスト中に改良版が完成つまりテストは無駄。打ち上げ半年前なのに、オンボードは未だ未完成。

フライトソフトウェアも未完成、必要最小限だけ走らせ、残りのコードはフライト中にアップロードできないかと(しかもこの辺、正確な話はよくわからないようで)。

フォボス・グルント、地上観測で光度が変化していると。恐らく姿勢制御がロストしており、tumbleを始めているのではと。

RIAノーボスチによると、5日ロシア当局者は、フォボス・グルントからのテレメトリー取得を断念したと。ただ今後も、エンジン噴射コマンドの送信は続けると。

当局者は、コマンドを打ち続ければ、ひとつでも通るのではないかと。

フォボス・グルントの飛行。軌跡がドットを描いているのは、衛星がはやい回転をしているから。


フォボス・グルント、12月2日〜3日にかけての動きです(古い順)。

ESAカナリア諸島マスパロマス局では日本時間1日21時47分と2日0時47分にフォボス・グルントとの交信が試行されたがダメだった。ESAチームは今日2日もパース局で4回、マスパロマスで2回のセッションを試みる予定と。

しかし今日2日のパース局でのコンディションはあまりよくないと。太陽・アンテナ・探査機の位置関係。

フォボス・グルント、現在もコンタクト取れずと。

ESAマスパロマス局によるコンタクト、このあと21時40分と23時13分にウィンドウが開くと。

なお、ESAのトラッキングは今日でひとまず終了。ただし状況の変化に備えて、アシストはリメインと。

ロシアのエンジニアはこの週末、フォボス・グルントとの交信をblindlyに行うと。エンジン点火のコマンドを送信するのだが、まずエミュレータで動作確認をし、その後実行すると。

日本時間で2日夜ESAのツイートで流れた情報、RIAノーボスチも報道。ESAの協力はひとまず終了、ただ今後の展開に備えて待機はしていると

フォボス・グルント、30日から12月1日にかけての動きです(古い順)。

フォボス・グルント、地上から撮影の高解像度画像。おぉ。 Just released first high resolution images of Phobos-Grunt taken Nov 29 こちら

カナリア諸島のESAトラッキング局にて、フォボス・グルントとの交信を試みると。モスクワ時間30日午後6時30分より、すなわち日本時間今夜23時30分より。RIAノーボスチ。

「NASAはUSポリシーのためFGを援助できない」というまことしやかな話が流れている。しかしSpaceflight Nowのこの記事だと、NASAもコンタクトを試みようとしたが、フェイルドだったと。しかも、MSLのため火曜日にリスニングを止めたんだと。

30日現在、フォボス・グルントのペリジーは209.29km、アポジーは307.25km。RIAノーボスチ。

カラー画像! A new hi-res image from @ralfvandebergh shows Phobos-Grunt in orbit: こちら

フォボス・グルントの高解像度画像が出ているが、これはアマチュアであるRalf Vandenbergh氏によるもの。このプロ級の画像をロシアの関係者がみたところ、探査機は正しい姿勢をなしていないという。つまりパネルは太陽を向いていないと。RIAノーボスチ。

おぉ!NASAは例のうわさを強く否定。MSLや他のミッションに先立ち優先的だった。NASAより直接の返信と。詳細はこちら

昨夜(30日)日本時間23時30分過ぎからのカナリア諸島局での交信セッションでは、FGとのコンタクトができなかったと。なおこの時点では、パース局に施されたようなモディファイが完了していなかったという。同局は今夜再度挑戦するが、モディファイは完了した状態での試行とのこと。RIAノーボスチ。

フォボス・グルント、28日〜29日にかけての動きです。報道の要約↓

日本時間30日午前3時21分〜午後0時47分にかけて、パース局よりフォボス・グルントに対し、高度を上昇させるようコマンドを打つと。この間、5回の交信セッションが見込まれている。

ロシアのエンジニアチームはESAチームに対し、一連のコマンドセットを託したと。このコマンドはエンジンを点火し、軌道を上昇させるものである。成功すれば、さしあたり落下の危険性は遠ざけられる。また、1回の交信時間も長く確保できる。

なお、今回の交信セッションはどれも短いため、地上からはコマンドを打つことだけにし、ただちのレスポンスを探査機に求めない。軌道上昇がうまくいったかどうかは、後ほど確認すると。

フォボス・グルント、25日夜の報道を…

フォボス・グルントからバイコヌールで取得されたテレメを分析した結果、探査機の通信系は正常に機能していることが判明。また、通信系とメインコンピュータとの連絡も通っているようだが、どの程度正常なのかは明らかになっていない。RIAノーボスチ。

モスクワ時間25日16時(日本時間21時)、バイコヌールでフォボス・グルントとの交信を試みると。現地はすでに日が暮れているが、探査機には太陽光はまた当たっていると考えられるとのこと。

フォボス・グルントとの交信は取れなかったと。今日はパース局もリンクが繋がらなかった。(本日はパース2回、バイコヌール2回の試行)

ESAパース局は、月曜日までフォボス・グルントとの交信を行わないと。ここ数日同探査機が最優先されてきたが、他のミッションなどタスクが重なっていると。RIAノーボスチ至急電。

フォボス・グルント、11月24日から25日朝にかけての報道の要約を…ごちゃついてすみません。。

モスクワ時間で昨夜、ESAのパース局で再びフォボス・グルントとのコンタクトを試みたところ、成功した。リンクは6分間でシグナルは良好であった。テレメトリーも取れたが、僅かな量のようである。これは直ちに(FGを開発した)ラボーチキン社へ送られ、分析が進められている。RIAノーボスチ通信。

フォボス・グルントとの交信に成功したが、ロシア宇宙庁(ロスコスモス)もこれを正式に認めた。オーストラリア・ESAパース局で2回のコンタクトで共にテレメトリーが取得された。なお、同局は先日のコンタクトが、9日以来の試行で初めて使用されたものだったという。本日のコンタクト試行には全部で5回のチャンスがあるが、その全ては試みないとのこと。通信可能時間が短すぎるなどの理由によるという。RIAノーボスチ。ロスコスモスプレスリリース。オーストラリア・パース局による試行で、2度の交信セッションで共にテレメトリーが取れたと。バイコヌール宇宙基地のトラッキング施設でも、フォボス・グルントと交信成功。テレメトリーを受信。RIAノーボスチ至急電。日本時間昨夜から今朝にかけてのESAによる試行の詳細が入った。ESAはフォボス・グルントと可能な5回のチャンスのうち3回を試みたが、テレメトリーが取れたのは1回だけだった。

一方、原因がよくわからない軌道の不自然な変化は、21日以降認められないという。フォボス・グルント、24日現在の軌道は近地点205km、遠地点319km、傾斜角51.41度、公転周期89.75分。なにも手を加えないと、年明け1月から2月のうちに大気圏突入する見込みと。RIAノーボスチが配信した記事によると、今朝(オーストラリアで)取得されたテレメトリーは、解読できなかったと。なにも得られなかった。エンコード/デコードに問題がありそうであると。今夜、エンコードされてないデータを送るよう、コマンドを送信してみると。バイコヌールで捉えたテレメトリーは、デコードのトラブルを回避していると。

ESAは25日金曜の夜も、パース局における5回の交信可能セッションでコンタクトを試みると。関係者は、4回は取れるのではないかと期待していると。RIAノーボスチ。

ロシアのエンジニアは、フォボス・グルントのテレメトリーを解読したと。これはバイコヌールで受信された分。RIAノーボスチ至急電。ESAは日本時間25日朝のチャンスではFGのシグナルを捉えなかった。今夜3回のチャンスで再挑戦。「今回はなにもなかった。信号は何も取れなかった。」と。RIAノーボスチ

また、先にバイコヌールで取得されたテレメについては2種類含まれていたと。ひとつはエマージェンシーモードに入っていることを示すもので、これはワーストケースに送信される。もうひとつは制御部から直接出されたものであるというが、どのような内容かは明らかにされていないという。RIAノーボスチ。

フォボス・グルント続報を↓

ESAパース局によるコンタクトはモスクワ時間今夜そして明日早朝に実施されると。セッション時刻は(全て日本時)24日午前5時25分、6時57分、8時32分、午後1時16分、午後2時49分。それぞれの交信時間は6ないし7分間。

「トランスミッターを起動し、テレメトリーを落とすのが目的だ。現時点でわかっているのは、通信系は生きていて、電源計は通電していて、ワイヤーは切れておらず、焼けてもおらず、つまりノーマルな状態だ」と。RIAノーボスチ。記事はこちら

フォボス・グルントとの交信ができたそうです!報道などを要約します↓

ロスコスモスが声明。フォボス・グルントのシグナルをパースで捕捉。今後の進展に向けて分析中と。欧州宇宙機構(ESA)のパース局が、4回のコムセッションのうち1回でシグナルを受信と。プレスリリースはこちら

ESAの発表によると、22日20時25分(世界時)、オーストラリア・パース局がフォボス・グルントとの交信を確立(established)。ESAチームはロシアエンジニアたちと密に作業を進めており、探査機との通信がどうすればできるかを決定してきた。詳細は後ほど、とのこと。ESAのサイトより

RIAノーボスチがやや詳しい話。ESAのRene Pishel氏によると、我々の1局がリンクを取ったと。しかしこれは始まりの一歩であり、テレメトリーはまだ取れていない。我々はロシア側のエンジニアチームと密に作業を進めていると。

ESAによると、23日の夜、ESAの南アメリカ、オーストラリア、カナリア諸島の各局で交信を試みるとのこと。

パースで受信できたというシグナルはキャリア波のみであり、テレメトリーは含まれていなかったという。地上からコマンドを送信すると、探査機はそれに反応したと。

記事によると、地上からキャリアを送信するようコマンドが送られたようだ。そして探査機はそれにすぐレスポンスしたとのこと。RIAノーボスチの記事はこちら

どうやらESAは23日夜の試行で追跡をやめるつもりだったらしい。コンタクトが取れたのは、捜索打ち切りの直前だったということのようだ。感涙。RIAノーボスチの記事はこちら

モスクワ時間で23日夜、パースで交信確立を試みると。「現時点では、かろうじてキャリア波が通っただけである。今夜、オーストラリア局からコンタクトを試みる。使用するのは同局だけだが、様々な要素を統合することで、安定した交信の確立へ向けた試行の継続が可能である」と。RIAノーボスチの記事はこちら

国際宇宙ステーション(ISS)に長期滞在していた宇宙飛行士、古川聡さん(47)らを乗せたロシアの宇宙船「ソユーズ」がモスクワ時間22日午前3時(日本時間同8時)にISSから離脱し、地球帰還に向けた飛行を開始。午前6時26分、カザフスタンの草原地帯に着地して、約5カ月半ぶりに無事帰還した。

支援チームに抱えられ、帰還カプセルから降りた古川さんは元気な様子で、重力に慣れるためのいすに座ったまま「地球の重力を感じる。お風呂に入りたい」と笑顔。屋外は氷点下20度近かったが「ずっとエアコンで22〜23度だったので、こういう冷たい空気はいいですね」と話した。医療チェックを受けるために近くのテントに運ばれるまでの間も終始笑顔だった。

古川さんは東大病院の外科医出身。1999(平成11)年に宇宙飛行士に選抜され、12年間の訓練生活を経て今年6月、ソユーズで初の宇宙飛行に出発した。

ISSに長期滞在した日本人は若田光一さん(48)、野口聡一さん(46)に次いで3人目。日本人として最年長で初の宇宙飛行に臨み、1回の飛行での宇宙滞在としては日本人最長の167日と6時間を記録。来年に星出彰彦さん(42)、2013(同25)年には、若田さんがそれぞれ長期滞在する予定。

滞在中は、各種の実験を精力的にこなした。科学実験に加え、将来的な火星の有人探査もにらみ、宇宙環境が人体に与える影響を調べる医学実験に、医師の経験も生かして重点的に取り組んだ。

また、8月には、ロシアがISSへ物資を運搬する無人宇宙貨物船「プログレス」の打ち上げに失敗し、帰還に支障が出る可能性も取り沙汰された。

古川聡さんは国際宇宙ステーション(ISS)から、多忙なスケジュールの合間を縫って東日本大震災の被災地に励ましの言葉を贈り続けた。学生時代に三陸地方を旅行した経験がある古川さんは、妻の恵子さんが福島県いわき市出身ということもあり、被災地への強い思いがあった。

7月、福島青年会議所が要望したビデオメッセージの収録を快諾。日本実験棟の名称「きぼう」の3文字が染め抜かれた青いのれんを手に「福島の工場で作られた、とても品質の良いのれん。このような製品を作られているので、今まで以上に力強く復興されると信じています」と激励した。

収録を企画した同会議所の阿部友弘さんは「『自分にできることをやる』という(古川さんの)言葉に励まされた」と振り返る。

10月には津波で壊滅的な被害を受けた岩手県大槌町と無線で交信し、小学生に語りかけた。

町立吉里吉里(きりきり)小教務主任の千葉英悦さんは「すごく優しい話し方だった。子供たちが星を見上げるきっかけになり、元気が出たと思う」と話す。

一方、古川さんはツイッター(短文投稿サイト)での情報発信にも積極的で、大震災だけでなく、大洪水に見舞われたタイの様子も宇宙から撮影し「早く回復できるよう、お祈りしております」と書き込んだ。

また、帰還前の11月21日には、ステーションから撮影した富士山の写真とともに「富士山は日本人の心。日本人としての誇りを胸に、いよいよ地球に帰還します」と投稿した。【産経 11.22】


フォボス・グルントを打ち上げ、現在も地球を周回しているゼニットロケット2段目が、22日あたりにも落下しそうだと。記事によるとモスクワ時間22日19時39分、太平洋上に落下。NORADの計算による。ただし誤差は±72時間とまだ幅がある。詳しくはこちらへ【RIAノーボスチ 11.19】

フォボス・グルントに関して、17〜8日は特に進展はなかったようです。他、見かけた記事の要約を↓

Russianspaceweb.comに掲載された記事によると、フォボス・グルント、蛍火1号搭載決定を受けた設計変更の変遷。最初はトップに載せる構想だったが却下、現在の姿になったと。

当初ロシア単独の構想だったが、政治側からのねじ込みで急遽、決定された。2007年5月上旬の段階ではサポート施設まで含めてしっかりした設計ができあがっており、(まだ実現していないが)欧州のローバー「ExoMars」のデータ中継も担う構想もあった。

一方、平行して中国の参加も話が進んでおり、2005年の段階で中国の参画があるかもしれないと当時の露宇宙庁長官が口にしている。

記事を追う限りは、中国とのジョイントプロジェクトが正式決定したのは2007年6月のよう。それまでも協議が行われてきたが、大規模な設計変更はここからだったよう。詳しくはこちら


フォボス・グルントに関して、16日は特に進展はなかったようです。

ソユーズTMA-22号が無事国際宇宙ステーション(ISS)へ到着しましたが、早くも次のソユーズ宇宙船の準備が進んでいます。来月21日、ソユーズTMA-03M号が打ち上げられる予定で、クルーの訓練も順調に進んでいるようです。

画像は訓練中の一コマ。個人的には、背後のソユーズシミュレーターが気になります。電源も入って起動中。TMA-M型のコントロールパネルはTMA型と殆ど大差ないらしいですが…もう少し近くで見てみたいです。

 

ちなみに、ソユーズTMA型の運用はTMA-22号で終了です。今後はTMA-M型の本格運用となります。

  下は、打ち上げ準備中のソユーズTMA-22号。すごい降雪ですね。
 

大きいサイズはこちらへ。

ロケットに乗り込む直前のクルー。なんとなくポリンキーのキャラを連想してしまったコートをまとって、ロケットに向かいます。
 

詳しくはこちらこちらへ【photo: Roscosmos/RIA Novosti/NASA】

フォボス・グルントに関して、15日のロシア報道よりまとめを↓

現在も交信確立せず…様々な方法を試みているものの。天空を横切るスピードも速いため、追尾が難しそうだ。

宇宙庁関係者の中には、高度の変化は計測の誤差ではないかという意見も。エンジンが吹いているのかはわからないとも。詳しくはこちら

近地点高度が更に上昇、209.2キロへ。一方、遠地点高度は当初より10キロ高度を落として331.8キロへ。この挙動からしてエンジン噴射など非重力が関わっていると考えられると。

また、ゼニットロケットは高度を4キロ/日の割合で落としており、今月24〜27日のうちに落下する見込みと。くわしくはこちらへ。

ISSでフォボス・グルントの撮影を試みようとしたセルゲイ・ボルコフ飛行士によると、「あまりにも距離が遠すぎてできなかった」と。「探査機は我々よりずっと高度が低い。120〜150キロ離れている」 

また、ISSや打ち上げられたソユーズTMA22との衝突について、ツープ当局者は「ありえない」とのコメント。

NASAスペースデブリ課のニコラス・ジョンソン課長がRIAノーボスチ通信に語ったところによると、フォボス・グルントの突入点を予測する方法はないと。「現時点でどこに落ちるかを言うのは時期尚早だ。NASAでは、12月末までには落下するのではないかと踏んでいる。」

また、ジョンソン氏は、探査機のどの部分が地上に到達しうるかを判断する工学的情報をNASAは持ち合わせていないとのこと。詳しくはこちら

ポポフキン長官、「フォボス・グルントの失敗が宇宙庁の宇宙探査プログラム削減をもたらさない」と明言。「火星探査は、いくつもの国が失敗している。ソビエトロシアは成功率わずか30%、米国は5分、日本と欧州は達成していない」と。

また、現行の計画は、宇宙探査のシェアを拡張する方向で見直される予定だと。長官の言では、大幅な資金再分配を意味するもののようである。くわしくはこちら

ソユーズTMA-22宇宙船は無事に打ち上げられました!今回はブリザードすれすれの天候の中の発射でした。

              吹雪の中、発射準備が続きます
   

一瞬ぎょっとしますが…吹雪よけマントをまとったクルー。まるでハロウィンの仮装みたい…これで玄関に立ってられたら驚くよなぁ(笑
 
              リフトオフ!雪煙で視界が…
 

船内の様子。無重力を“見る”ために、小さなマスコットが目の前に下げられるのがガガーリン以来の伝統ですが、今回は“Angly birds”のキャラが。あちこちで話題になっているようです(大きいサイズ)。
 

行ってらっしゃい!無事の道中を :-) 宇宙船は16日午後9時半頃、国際宇宙ステーションへ到着予定です(日本時間)。詳しくはこちらへ 【Universetoday 】


14日午後1時14分(日本時)、カザフスタン・バイコヌール宇宙基地よりソユーズTMA-22宇宙船が打ち上げられます。

        ロケットはすでに射点へ据え付けられています
 

 

搭乗しているのは、アントン・シュカプレロフ(船長)、アナトリー・イヴァニシン、ダニエル・C・バーバンク(ともにフライトエンジニア)の3飛行士。シュカプレロフ及びイヴァニシン飛行士はロシア人ルーキー。バーバンク飛行士は3度目の宇宙飛行です。【photo: Roscosmos/Energia】


フォボス・グルントについて、昨日に引き続き、RIAノーボスチ通信が配信した記事を要約します。

過去3日間で5キロ程度降下するはずのものが、逆に1キロ上昇している(近地点高度)。この理由は現在もわからない。探査機の姿勢もほぼ一定と見られる。以上のことから、探査機自身は生きており、自律的なエンジン噴射でその姿勢を維持していると見るのが妥当と。ただ、交信が確立しない。つまり、「探査機は生きているが、会話ができない状態にある」と言える。以上、関係筋の話。記事はこちら

フォボス・グルントの高度(近地点高度)は、確かに上昇していることが確認された。米戦略軍による新たな計測によると、軌道は少しずつだが確かに上昇していると。現在は208キロ。記事はこちら

フォボス・グルントとの交信回復へ向けた努力は、その大気圏突入まで行うつもりだと、関係者は語る。現時点でそれが“死んだ”というには早すぎると。「何度も何度もコンタクトを繰り返す。探査機が大気圏突入する直前まで」と。RIAノーボスチ通信の記事はこちら

低軌道で探査機を操る仕様にはなっていなかったと、関係筋が語る。交信もツーウェイを想定していなかったと。先日報じられたことが認められた。記事はこちら

フォボス・グルントとの交信再開に向けた試みは継続されている。11日夜から12日にかけての試行ではしかし、交信は確立しなかった。試みは13日も続行される予定である。

「昨夜から今朝にかけて、欧州宇宙機構(ESA)の協力の下、探査機とのコンタクトがはかられた。コマンドは我々がバイコヌールから打ち、他局は探査機の反応をモニターしていた。しかし反応は全くなかった。」

こう語る関係筋によると、探査機のコントロールシステムを“こじ開けよう”としているとのこと。とにかくテレメトリーを取らないと、機体がどうなっているのかわからないし、対策の施しようがない。

一方、まだ希望の持てる話が関係筋から聞こえている。ロシア側は米国の協力者たちに対し(既報の)光学観測で機体の姿勢を確認してもらえるよう呼びかけところ、

「彼らは承諾し実行してくれた。その結果、探査機は太陽の方向を向いていることが確認された。すなわち、まだ時間がある、理論的には、フォボス・グルントを火星へ飛ばす猶予があるということだ。ただしウィンドウは今月21日であるからそれまでに飛ばさねばならぬが。」

とのこと。以上、RIAノーボスチ通信の記事より(こちら)。

ところで、Russianspaceweb.comが伝える報によると、各地で光学観測が行われ、航跡は瞬きせずに天空を抜けていったという。このことはつまり、探査機の姿勢が一定に維持されているということ示唆している。また、フォボス・グルント探査機の高度が上昇していることが明らかになったという。推測では高度を215メートルほど下げているものと考えられていたが、NORADによるデータでは、逆に138メートル上昇しているのだという。計測の誤差も考えられるが、しかし、何らかの噴出が生じている可能性も排除できないという。その場合、それがスラスターの噴射なのか、流体の漏れなのかは、わからない。(原文はこちら

とのこと【管理人 11.12】

ロシアの火星探査機「フォボス・グルント」は、最初の交信セッションでテレメトリーが取れて以降、コンタクトがロストしたままの状態が続いています。ロシアでの報道をいくつか拾って箇条書きにします。

探査機とアクセスできる時間は1日わずか数時間。また、一部の関係者は、ハードウェアに損傷があるのではないかと考えていると。(日本時間11日朝)

ESAのトラッキング、受信できず(日本時間11日朝)

RIAノーボスチ通信によると、Fグルントを光学観測し、その姿勢を直接確認する試みが行われるとのこと。現在セーフモードに入っていると見られているが、その場合、パネルを太陽へ向けているはず。これを直接見ることで、本当の状態を確認できるかと。

露関係筋が語るところによると、今後数時間が山場になるとの見方。その関係者は、次の交信セッションでも失敗したら、復旧の可能性は極めて小さいとの認識。ただ失敗しても、復旧に尽力すると。「露宇宙庁は、特に今年は失敗続きだったこともあり、メンツを保つためにも力を尽くす方向だ」と。またその関係筋は、打ち上げの失敗は、宇宙技術における競争意識の完全な欠如を示しているとの認識を示す。
この記事は、時刻00:51の配信。この時刻は恐らくモスクワ時間なので、日本時で今朝5時51分。ESAのトラッキングが失敗したことも含まれており、「今後数時間が山場」というのは、日本時間の今日昼にかけてということになる。

米戦略軍は、フォボス・グルントは今月26日頃大気圏突入するとの見通しを発表。ノーボスチ・コスモノーチキ誌のサイトフォーラムにポストされた情報ではあるが、メイン推進ユニットの外部燃料タンクがローゲインアンテナを妨害(干渉か)し、地上からのコマンド受信を困難にしているのではないかという説。また、ハイゲインアンテナは展開されていないと。

モスクワ時間10日23時頃(日本時11日午前4時頃)、フォボス・グルントはバイコヌール上空を通過。非公式の情報によると、このとき軌道把握用の無線送信機に向けて直接起動コマンドを送信したが、うんともすんとも言わずと。今夜さらなる試行を実施と。

責任問題の話が聞こえつつある。RIAノーボスチ通信によると、関係筋の話として、フォボスの失敗はひとまとまりの上級幹部の辞任に発展する可能性があると。「グロナス衛星の軌道投入に失敗したときは、宇宙庁副長官が更迭された。今回はそれに匹敵する事態だと。」 昨年12月のグロナス失敗では、副長官更迭の後、ペルミノフ元長官が懲戒、その補佐は解任、エネルギア社の副社長も解任、に見舞われた。(11日夜)

今朝、米戦略軍がフォボス・グルントの落下日時を11月26日と出した事に対し、露関係者から反発が出ている。「12月3日までは軌道上にいる」という話や、「正確にはわからない」といったもの。(管理人には、一部報道が日時を取り上げ始めた事に対し、その一人歩きを打ち消そうとしているように見えます)

ちなみにフォボス・グルント喪失が確定した場合は、保険金が支払われる。ロシア保健センターに12億ルーブルの保険がかけられており、あらゆるリスク(全損も含む)に対応していると。そういえば、フォボス・グルントがエンジンをバリバリ吹かしながら加速していく様子をISSから目視する試みが行われたんでした。もちろん見えませんでしたが、エンジン噴射してたら見えてたのかな・・

以上、RIAノーボスチ通信などの報道を要約、箇条書きにしたものです。【管理人】

ロシアの情報サイト“RussinaSpaceweb.com”が伝えるところによると、モスクワ時間10日早く、ロシア宇宙科学研究所(IKI)レフ・ゼレニィ所長からもたらされた情報として、米軍のトラッキング施設の協力により、現在のフォボス・グルント探査機の正確な軌道要素を求めることができたといい、これは昨夜(現地時)の交信可能時間帯におけるコマンド送信に使用されたことを明らかにした。また、同所長は猶予の日数は殆ど無いことを再確認したという。

なお、モスクワ時間午前6時20分(日本時間午前11時20分)の地元テレビ局のリポートで、昨夜の交信でテレメトリーを落とすことに成功し、今後の対策に向け分析を始めたと報じたとのこと。
詳しくはこちらへ【Russianspaceweb.com 11.10】


ロシアの火星探査機「フォボス・グルント」は日本時間9日午前5時16分、カザフスタン・バイコヌール宇宙基地より無事に打ち上げられた。しかし地球周回軌道へ投入され点火する予定の上段エンジンが点火せず、周回軌道の離脱に失敗した。

現在、探査機は軌道上を周回中であるという。

探査機は地球周回軌道(パーキング軌道)で2度のエンジン点火を行い加速し、火星遷移軌道へ投入される予定だった。1回目の点火は打ち上げ3時間後、南米上空を飛行中に実施される予定であった。この空域はロシアからモニターできない場所であり、内蔵プログラムに従って実施されることになっていた。

管制部では当初の予定に従い、追跡可能時刻で追尾を開始したが、捕捉できなかった。「長い間、探査機を見失っていた」と、ロシア宇宙庁長官ポポフキン氏は語っている。同長官によると、現在は位置を把握しているという。また、推進系に不具合が生じていることを認め、2回の噴射が全く実施されなかったことも明らかにした。加えて、衛星の姿勢と、トラッカーの切り替えにトラブルが生じている可能性を示唆している。

ポポフキン長官によると、点火コマンドが実行されなかったようで、また、開発段階で問題が生じる可能性も予見されていたと付け加えている。なお、ノーボスチ通信が伝えるところによると、ソフトウェアかハードウェアに問題が生じた可能性があるといい、ソフトの場合はまだリカバリーできる可能性があるが、ハードの場合は最悪の結果もあり得るという。

なお、探査機は現在、バッテリー駆動の状態にある。容量は3日分で、この間に対策を講じたプログラムをアップロードし、火星へ向けたエンジン点火ができるよう、状況を確認しているとのこと。

ちなみにNASAとロシアとの間には追跡で協定はなく、ロシア側からの要請が無い限り、NASAの深宇宙ネットワーク(DSN)では追跡しないとのこと。詳しくはこちらへ【Spaceflight Now 11.08】

…中途半端にエンジンを吹かず、燃料満載のままなのが幸いでしたね。単なるプログラムエラーなら再点火で乗り切れる可能性も高いと…。

9日午前5時16分(日本時間)に打ち上げ予定の火星探査機「フォボス・グルント」、パーキング軌道では2回のエンジン噴射で火星遷移軌道へ投入されますが、いずれもロシア本土からは見えない地点でのオペレーション。経緯はオンボードメモリに蓄えられ後でダウンロードされて正否が確認されますが、これでは時間がかかります。

そこで、地上から光学観測でエンジン点火を確認できないかという試みが提唱され、その協力が呼びかけられています。下図が、リリースされている軌道プロフィール。黒い部分がエンジン噴射の部分です。

 

2回の噴射は南米上空、現地時間で夜ですね。ロシア上空を通るときに交信が可能です。軌道投入成功がはっきりするのは、日本時間で午後でしょうか。詳しくはこちらへ【pic: phobos-grunt】

欧州宇宙機構(ESA)は、ロシア宇宙庁と合同で木星の衛星「エウロパ」を探査する構想を明らかにした。今月30日までに両機関からなる合同研究チームが具体的なプランを明らかにする方向だという。露イズベスチア紙が報じた。

ロシア宇宙庁の高官は匿名で、近未来にESAと合同で木星系の探査プロジェクトが始動すると語っている。2023年以降は打ち上げのタイミングが悪くなるので、それまでに実施されるものだという。

探査機の打ち上げにはは「プロトンM」ロケットが用いられるという。現時点でのロシア側負担見積もりは23億8000万ルーブル(約61億円)とされている。

詳しくはこちら


2日、プログレスM-13M無人貨物船が、無事国際宇宙ステーション(ISS)に到着しました。

プログレスがアプローチを開始します。同船には補給燃料が750kg、酸素50kg、水420kg、それに各種ハードウェアが計1410kg搭載されています。
 

    プログレス、ISSの「ピールス」モジュールの正面まできました。
 

プログレスの先端に取り付けられている、さかづき型をした2枚の小型パラボラが、ピールスに取り付けられているやや小さめのパラボラと正対しています。これはプログレス/ソユーズ宇宙船の誘導システム「クルス」のアンテナです。
 

                 ドッキング直前!
  

その他の画像はこちらへ【photo: NASA】


今月9日午前5時16分、ロシアの火星探査機「フォボス・グルント」が打ち上げられる予定です。これはその名の通り、火星の衛星「フォボス」に到達、着陸し、その表面を採取し持ち帰るという、とても野心的なミッションです。

4日、探査機にフェアリングが被せられました。この後、ロケット組み立て棟へ運ばれ、打ち上げロケット「ゼニット-2SB」に結合されます。
 

フェアリングにはミッションイラストが貼られています。参画機関のロゴマークもありますね。(そのほかの画像はこちらへ)
 

本来は2009年秋に打ち上げられる予定でしたが、ハードウェア等の準備が間に合わず、今回に延期されていました。ロシア宇宙庁のサイトには時折、進捗状況が出ていましたが、9月頃からインタビューなど関連話題がよく出るようになりました。

この探査機には、中国の火星周回探査機「蛍火1号」も相乗りしており、火星の側で分離されます。下の画像で、上段にフォボス・グルント、中段に蛍火です。下段は推進部。
    

ちなみに、「NetMet」と呼ばれる、フィンランドの研究機関が製作した火星着陸機が搭載される予定でしたが、重量問題から今回は見送られました(2009年の打ち上げタイミングに比べ今回は投入可能重量が小さいため、重量削減の必要がありました)。

下・探査機の軌道プロフィール。火星周回軌道へ入ると、推進部などを切り離し、その際、蛍火が分離されます。フォボス・グルントの方は軌道変更してフォボスへ。フォボス近傍へ到達すると活動開始です。
 

打ち上げられた探査機は、来年10月に火星周回軌道に入り、フォボス・グルントがフォボスへ着陸するのは2013年2月の予定です。

フォボス上で各種観測を行いつつサンプル採集を行い、帰還ステージが2013年8月、地球へ向けて離陸します。このとき本体はまだ観測を継続しており、エンジン噴射で機器を壊してはならないので、離脱はスプリングを利用して行われます(重力が微小なので可能)。充分な高度になったところでエンジンを噴射し、地球帰還軌道へ入ります。

2014年7月、地球の側まで来ると、カプセルが大気圏突入します。このカプセルにはパラシュートはなく、弾道突入で地表に着陸するとのこと(汗)。しかもビーコンなど発信器も搭載していないとのことで、地上からのレーダーおよび光学観測で捕捉、回収できるとのことです(…この辺、恐らく重量削減の一環かと…管理人)。

公式サイト http://phobos.cosmos.ru/index.php?id=559&L=2
ロシア宇宙庁の解説ページ http://www.federalspace.ru/main.php?id=375


日本時間30日19時11分、カザフスタン・バイコヌール宇宙基地より、無人貨物宇宙船「プログレスM-13M」が打ち上げられました。飛行は順調で、予定の軌道に投入されたとのことです。

             リフトオフ!力強い離陸です
 

画面右下に見える青い看板には、ガガーリンの顔に添えて「ガガーリン発射台」と書かれています。

これで、11月14日に予定されているソユーズ宇宙船の打ち上げへ弾みがつきましたね!詳しくはこちらへ【Energia 10.30】

日本時間30日19時11分、バイコヌール宇宙基地より国際宇宙ステーションへ向けて、無人貨物宇宙船「プログレスM-13M」が打ち上げられます。今年8月に打ち上げ失敗した同M-12Mに続く貨物船です。

    雪の舞う中、プログレスは射点へと運ばれ、据え付けられました
 

 

今回の打ち上げは、11月中旬に予定されているソユーズ宇宙船飛行再開へ向けた、ソユーズ打ち上げロケット認証テストの意味合いもあります。無事のフライトを祈りましょう。詳しくはこちらへ 【photo: Roscosmos】

ロシアの政府系紙イズベスチヤは19日、ロシア宇宙庁が極東アムール州に建設を計画するボストーチヌイ宇宙基地について、今夏に予定された着工が予算不足で遅れ、2015年に見込む最初のロケット打ち上げが大幅にずれ込む見通しだと報じた。

ロシアは、ロケット発射の主力施設をカザフスタンのバイコヌール基地からボストーチヌイ基地に移し、18年にも有人宇宙船を打ち上げる計画を示してきた。工事の遅延は、ロシアの宇宙戦略にも影響しそうだ。新基地は周辺施設を含め総工費4000億ルーブル(約1兆円)。予算を巡る財務省との溝が埋まっていないという。【読売 10.19】


ロシア連邦宇宙局の有人宇宙飛行プログラムを担当するアレクセイ・クラスノフ氏は18日、宇宙局が国際宇宙ステーション(ISS)の運用を2028年まで継続させる方針を決めたと述べた。

ガガーリン氏の有人宇宙飛行50周年を記念するフォーラムが、モスクワ近郊の宇宙飛行士訓練センターで行われている。クラスノフ氏は開幕式で、ISSの運用を計画について、協力相手との協議を経て28年まで継続することにしたと説明した。

クラスノフ氏は「今後、ISSは科学実験室だけでなく、組立工場として活用してもよい。大型宇宙飛行装置を組み立ててから、需要に応じて地上に送る、または軌道に乗せるといったことができる」と説明した。

ISSプロジェクトは1998年に始まり、ロシア、米国、カナダ、日本、ブラジル、欧州の宇宙局を含む16組織が参与している。当初の計画では13年に運用が終了するはずだったが、03年の米コロンビア号の空中分解事故によってISS計画に遅れが生じたため、20年まで延長されることとなった。【毎日 10.18】


宇宙に長期滞在中の飛行士は、睡眠・覚醒などの生体リズムを刻む「体内時計」が地上よりも正常化する傾向があることが、宇宙航空研究開発機構(JAXA)の研究で分かった。宇宙では体内時計が狂ってしまうとの予想を覆す結果だ。長期滞在飛行士の生体リズムの分析は世界初で、将来の火星旅行に向けた基礎データになるという。

若田光一さん、野口聡一さんら日米欧の飛行士数人が、国際宇宙ステーション(ISS)での約半年間の滞在中に24時間の心電図を3回計測。地上での計測値と比較し、約1日周期の生体リズム(概日リズム)がどう変わるかを調べた。人間の体内時計は1日を24時間より少し長めに刻んでおり、太陽光を見ることなどで24時間に修正しているとされる。

計測の結果、飛行前の概日リズムは正常値より長めだったが、ISS滞在中は24時間に近づいて正常化する傾向がみられ、帰還後は再び飛行前の状態に戻ることが分かった。

概日リズムは自律神経の働きと密接な関係があり、周期が乱れると昼間に眠くなるなど「時差ぼけ」のような状態になる。地球を周回するISSでは昼夜が45分で入れ替わるため、飛行士の概日リズムは乱れると懸念されていた。

宇宙生活で正常化した理由は不明だが、飛行士は訓練のため世界各国を頻繁に移動しており、いわば年中、時差ぼけの状態。一方、ISS船内では昼間は照明をつけ、夜は消灯して1日24時間の日照を再現しており、地上勤務よりむしろ規則的な環境だったことが影響した可能性がある。

データは分析の初期段階で、今後詳しく解析する。JAXA宇宙医学生物学研究室の山田深主任研究員は「生体リズムが崩れると体力が低下して免疫力が落ちる恐れがあり、任務に影響する。研究成果は1、2年の長期に及ぶ火星飛行での健康管理にも役立つだろう」と話している。【産経 10.10】

ロシア連邦宇宙庁は16日、6月から国際宇宙ステーション(ISS)に滞在する日本人宇宙飛行士、古川聡さんらの地球への帰還を当初予定の11月16日から同月22日に延期すると正式発表した。

代替の飛行士を送る宇宙船「ソユーズ」は当初予定より2日遅れるが、同月14日に打ち上げる計画で、順調にドッキングすればISSが無人になる事態は避けられる。【読売 09.16】

ロシア宇宙庁は24日、国際宇宙ステーション(ISS)に食料や燃料を輸送する無人の宇宙貨物船プログレスの打ち上げが失敗し、大気圏内で炎上したと発表した。

現地時間の同日午前9時(日本時間午後10時)にカザフスタンのバイコヌール宇宙基地から打ち上げられたプログレスは、打ち上げ約5分後に上段ロケットモーターの不具合が発生したとみられている。

ISSには現在、日本人宇宙飛行士の古川聡さんら6人が滞在しているが、ロシアや米国の宇宙当局は食料や水の備蓄はまだ十分にあるとしている。

米スペースシャトルが先月に退役した後、ISSへの輸送はロシアに依存している状態だが、同国の宇宙船ソユーズもプログレスと同様のシステムを採用しており、今後の計画に影響が出る可能性もある。【ロイター 08.25】

…ソユーズロケットの不具合は久しぶりですね。プログレスの失敗は初ですね。。

ロシア・ラボーチキン社副局長の話によると、同国が今秋に打ち上げる火星探査機「フォボス・グルント」の打ち上げ予定が、11月5日とのこと。これまでもいくつか日付が出ていましたが、これが直近の予定ということでしょうか…
詳しくはこちらへ【Roscosmos 08.14】

ロシア宇宙局のポポフキン長官が有人宇宙飛行について、巨額の費用がかかることを理由に見直しを示唆した。スペースシャトル引退後、ロシアは国際宇宙ステーション(ISS)に人員を運べる唯一の国となっており、ISS計画の費用負担などをめぐる牽制(けんせい)と見られる。

11日付のロシア紙「コメルサント」がインタビュー記事を掲載した。長官は「現在、宇宙局の予算の半分が有人飛行計画に充てられている」と発言。「単にだれかが『軌道』に出たいというだけなら、効果的な活動とはいえない」などと語った。

長官は「ISSについては義務であり、実現しなければならない」としながらも、ロシアにとって優先順位の高い課題として衛星測位システムや遠隔地質探査、気象装置などを列挙。「有人飛行には成果が必要だ」とも述べた。

ISS計画は米国が主導してきたが、米国は7月、費用などの問題から有人宇宙船スペースシャトルの打ち上げを終えた。人員輸送は当面ロシアのソユーズ宇宙船に頼ることになる。今後はISSの利用などをめぐってロシアの発言力が増すとみられており、長官の発言は注目を集めそうだ。

…本音とそうでない部分となんとなくわかりますが、もう少し様子をみないといけませんね。。

有人ソユーズミッション・リスト3および4をアップしました。
ソユーズ運用リスト3 Soyuz missions 1980-1981
ソユーズ運用リスト4 Soyuz missions 1981-1985

有人ソユーズミッションの概要まとめを作っています。いつコンプリートするかは未定ですが、ぼちぼち続けていければと…とりあえずソユーズT-1号までをこちらに
ソユーズ運用リスト1 Soyuz missions 1967-1975
ソユーズ運用リスト2 Soyuz missions 1975-1979

ロシアのベールイ駐日大使は2日、ロシアのソユーズ宇宙船に搭乗した経験を持つ宇宙飛行士の若田光一さん、元TBS記者の秋山豊寛さんに対し、東京のロシア大使館で「宇宙開発の功績をたたえる」メダルを授与した。

メダルは、旧ソ連の宇宙飛行士ガガーリンが人類初の宇宙飛行をしてから今年で50年になるのに合わせ、ロシアが外国人飛行士63人への授与を決定。対象となった日本人3人のうち、野口聡一さんは4月12日、クレムリンの授与式でメドベージェフ大統領からメダルを受け取ったが、若田さんと秋山さんは欠席していた。【共同 08.02】

90分に1回地球を回る国際宇宙ステーション、この宇宙開発事業史上最も高額な1000億ドルを費やしたプロジェクトは数日中にロシアの単独事業となる。

米国最後のスペースシャトルが8日に打ち上げられ、その後、米国をはじめ各国はロシアへ委託して宇宙ステーションに宇宙飛行士を送り込まなければならない。有人宇宙事業を独占することになるロシアは、すでに意気軒高たるものがある。同国は飛行士を輸送するソユーズのカプセルの費用を2005年と比べほぼ3倍に値上げしようとしているが、他の国々は従う以外にない。

「われわれは、非常に居心地が良いとはいえない状況だ。いや居心地が悪いという表現ですら婉曲的だ。われわれはそろって過ちを犯してしまった」と、欧州宇宙機関のジャン=ジャック・ドルダン長官は怒りをあらわにする。

ソユーズの成功はコスト重視戦略の勝利だ。米国がスペースシャトルに総額2091億ドルを費消した一方、現在のロシアの宇宙事業は、年20億ドルしか使っていない。

ただ、計画通りに進めばロシアの独占は2016年に終わるはずだ。今はまだ漠然とした計画だが、米航空宇宙局(NASA)が、民間企業を活用して営利目的の乗員運搬計画、いわば宇宙のタクシー事業を始める予定だからだ。

2004年にブッシュ前大統領がスペースシャトル計画の終了を発表して以来、ロシアの宇宙当局は米国の宇宙飛行士を運搬する費用を値上げしてきた。直近の契約ではソユーズの乗員カプセルを宇宙ステーションに送るために一回で6300万ドルを支払うことが監査報告で明らかになった。2005年以降、2.75倍に値上がりだ。

NASAは4月、人間を宇宙ステーションに運ぶシステムを構築するため民間の宇宙事業会社5社に2億6930万ドルを配分した。その中でもスペース・エクスプロレーション・テクノロジーズ(カリフォルニア州ホーソーン)は最先端を行っている。同社は再利用可能なシステムを使って7人を1回2000万ドルで飛ばせるという。これは大方の予想の数分の一だ。

同社の最高経営責任者(CEO)で電子決済サービスのペイパルや電気自動車メーカーのテスラ・モーターズの共同創業者エロン・マスク氏は「この事業は納税者が払いたいと思うような金額でやらなければならない」と語る。同社は来年から同社が開発した「ドラゴン」宇宙船と「ファルコン」ロケットを使い無人で宇宙ステーションに物資を輸送する16億ドルの契約をNASAと結んでいる。【ウォール・ストリート・ジャーナル日本版 07.07】

宇宙航空研究開発機構は6日までに、ブラックホールなどを観測する電波天文衛星「アストロG」の開発を中止する方針を決めた。

2012年度の打ち上げを目指していたが、天体からの電波を捉えるアンテナの精度を目標まで上げることが難しくなったためで、近く文部科学省宇宙開発委員会に報告する。

アストロGはブラックホールの構造やそこからガスが高速で噴き出す現象「宇宙ジェット」などを詳細に解明するのが目的だったが、口径約10メートルの大型アンテナについて、目標精度を出すには大幅な追加予算が必要になることが判明し、開発は困難と判断した。【共同 07.06】

日本人宇宙飛行士、古川聡さんらが乗った国際宇宙ステーション(ISS)に28日午後4時(日本時間午後9時)ごろ、宇宙ゴミが急接近し、乗員6人全員がISSに連結しているソユーズ・ロケットに一時、避難した。

宇宙ゴミはISSから約250メートル離れた場所を通過、乗員はISSに戻ったという。宇宙産業関係者は同通信に、「宇宙ゴミに気づくのが遅く、衝突を回避する措置がとれなかった」と説明した。【読売 06.28】

日本人宇宙飛行士の古川聡さん(47)が搭乗するロシアの宇宙船「ソユーズ」が9日午後5時18分(日本時間10日午前6時18分)、国際宇宙ステーション(ISS)にドッキングした。

古川さんが、ロシア人のセルゲイ・ウォルコフ飛行士、米国人のマイケル・フォッサム飛行士とともに乗り込んだ新型ソユーズ「TMA02M」は、6日にカザフスタンのバイコヌール宇宙基地から打ち上げられ、丸2日でISSに到着した。

医師でもある古川さんは今回が初飛行で、ISSに長期滞在する3人目の日本人飛行士。約5カ月半滞在し、さまざまな実験を行う。【ロイター 06.10】

ロシア連邦宇宙局(FSA)は、古川宇宙飛行士が搭乗するソユーズ宇宙船(27S/TMA-02M)を、以下のとおり打ち上げましたのでお知らせします。

打上げ日時: 平成23年6月8日(水)5時12分(日本時間)
         平成23年6月8日(水)2時12分(バイコヌール時間)
打上げ場所: バイコヌール宇宙基地(カザフスタン共和国)
国際宇宙ステーションとのドッキング予定日時:
         平成23年6月10日(金)6時22分(日本時間)
         平成23年6月10日(金)1時22分(モスクワ標準時間)
搭乗員: セルゲイ・ヴォルコフ(FSA)
      古川 聡(JAXA)
      マイケル・フォッサム(NASA)

プレスリリースはこちらへ【JAXA 06.08】

…寝過ごしてライブは見ることができず...orz 笑  ISASではパブリックビューイングも行われましたが…この時間でこれだけ集まるのも凄い(こちら)。

先月23日に地上へ帰還したソユーズTMA−20が、国際宇宙ステーション(ISS)から離れた際に全景を撮影しましたが、その画像が公開されました。

 

 

帰還後なかなか公開されなかったので、カメラのメモリーカード紛失の噂なども流れたりしていましたが、そんなことはなかったのですね。とても素晴らしい光景の数々はこちらへ。

…それにしても、一瞬、ミールと空目した人も少なくないはず…笑

今年11月に打ち上げ予定の、ロシアの火星探査機「フォボス・グルント」の準備はどうやら順調に進んでいるようです(リリースされる情報はNASA等と比べてかなり限られますからよくわからない…)。先日、探査機の熱真空テストが行われ、その報告が出ています。

 

   

詳しくはこちらへ【Lavochikin 06.06】

古川聡飛行士が搭乗するソユーズTMA−02M宇宙船が、8日早朝・午前5時12分、カザフスタン・バイコヌール宇宙基地から打ち上げられます。(ライブ中継がこちらで行われます)

5日にはロケットが第1番射点(ガガーリン発射台)に据え付けられました。

モスクワ時間午前5時(現地時刻午前10時)、サイト112ロケット組み立て工房よりロールアウトされました。機関車がゆっくりと引き出します。
 

           とても気持ちよい、ロールアウト日和
 

照明タワーからの撮影。とても広大な敷地ですね。奥の左側に見える白く高い建物は、シャトルテスト工房だったはず。その右奥に淡く見えているのがシャトル射点…いずれもソ連時代の名残です。
 

                生で見たいですね!
 

              ピットの構造がよくわかります
 

詳しくはこちらへ【photo: Roscosmos】

バイコヌール宇宙基地では、ソユーズTMA−02M宇宙船の準備が着々と進んでいます。26日にはクルーらの会見や船内宇宙服のチェック、ちょっとした訓練などが行われました。

ガラス越しに行われる会見。一番手前が古川飛行士。正規&バックアップ計6名が並びます。また、彼らの背後にちらっと見えているのが、宇宙服チェック機材。そしてガラスの手前には報道陣や記録係がズラリと。
 

       服の機密性と合わせて、座席のフィット感もチェック
 

場所変わって、ソユーズ整備工房。写真撮影の後、ソユーズに乗り込んでチェック。
 

      ソユーズカプセル内のフォッサム飛行士、真剣な眼差し
 

縦に並べられたこのケースのようなものは何なのか。向こう側にも積み上げられており、計2列14個あります。
 

29日、宇宙船はソユーズロケット組み立て工房へと運び込まれました。この時点で燃料とガスの充填は完了しています。
 

この時点で宇宙船の外装は半完成・むき出しなので、普段は見えない部分の構造が堪能できます。

宇宙船は作業台に固定。最終仕上げが行われ、その後、水平に倒して手前に見えるフェアリングが被せられます。
 

詳しくはこちらこちらへ【photo: Energia】

日本時間24日午前11時27分、カザフスタンの草原にソユーズTMA−20宇宙船が帰還しました。この船には国際宇宙ステーション(ISS)第27次長期滞在クルーであるドミトリー・コンドラティエフ、パオロ・ネスポリおよびキャディー・コールマンの3飛行士。

なお、ソユーズはISSより離脱直後、ISS全景の撮影を動画とスチールで行いました。シャトルが接舷した状態で、軌道上でISSが撮影されるのはこれが初めて。後ほど公開されます。

ソユーズ・タッチダウンの瞬間。今回の帰還は極めて正確に行われ、地上で待機していた回収部隊が、パラシュートを広げてゆっくり降下する様子を撮影、ネットで生中継されました。
 

【photo: NASA】

日本時間21日午前4時15分、カザフスタン・バイコヌール宇宙基地よりプロトンMロケットが打ち上げられました。搭載衛星は米国の通信衛星「テルスター14P」です。
                 そびえ立つプロトン!
 

     プロトン、リフトオフ!物凄い火炎がトレンチから吹き出します!
 

 

詳しくはこちらへ【Roscosmos 05.20】

16日、ソユーズTMA−02Mに搭乗するクルーが、モスクワのクレムリン壁を訪れ、献花しました。クレムリン壁はソ連時代、重要な人物が亡くなった際に葬られる場所でした。彼らはガガーリンと、彼のインストラクターだったセリョーギンの墓標に献花します。

ガガーリンとセリョーギンは68年3月27日、飛行訓練中に事故死。墜落の原因として気象観測気球を避けようと急旋回した可能性が検討されていたことが、先日機密解除された文章で明らかとされました。

これから献花に臨むところ。左からマイケル・フォッサム、セルゲイ・ボルコフ(船長)そして古川聡の各飛行士達。
 

              フォッサム飛行士が献花
 

別の角度より。彼の献花している真上にセリョーギンの、その右側にガガーリンの墓標が見えます。ちなみにこの奥に遺骨が納められています。
 

                 古川飛行士は合掌
 

大きいサイズはこちらこちらこちらこちらへ【photo: NASA】

宇宙航空研究開発機構は19日、古川聡さん(47)が搭乗するロシアの宇宙船ソユーズの打ち上げが、6月8日午前5時15分(日本時間)に正式決定したと発表した。

古川さんは初飛行で、カザフスタンのバイコヌール宇宙基地から「ソユーズTMA02M」で国際宇宙ステーション(ISS)に向かう。約160日間滞在し、11月中旬に帰還予定。医師の経験を生かし、ISSでさまざまな医学実験を行うほか、東日本大震災の被災地との交信も希望している。【時事 05.19】

ロシアのソユーズ宇宙船で6月8日に国際宇宙ステーション(ISS)へ出発する古川聡宇宙飛行士(47)は12日、モスクワ近郊のガガーリン宇宙飛行士訓練センターで最終試験を受け、「準備万端です。(打ち上げまで)ベストを尽くします」と語った。

最終試験は13日まで。12日はISS内の機器操作に関する試験を受けた。古川さんは試験結果を踏まえ、25日にカザフスタンのバイコヌール宇宙基地へ移動し、打ち上げに備える。打ち上げ後はISSに5カ月半滞在し、宇宙から、東日本大震災の被災地との対話なども計画している。

日本人によるソユーズ船乗船は90年の元TBS記者の秋山豊寛さん(68)、09年打ち上げの野口聡一さん(46)に続き3人目。古川さんは同船で副船長の役割も務める。【毎日 05.13】

27日に打ち上げられたプログレスM−10M無人貨物宇宙船は、29日午後11時28分、国際宇宙ステーションにドッキングしました。

日本時間27日午後10時5分、カザフスタン・バイコヌール宇宙基地より、国際宇宙ステーション(ISS)へ向けて無人貨物宇宙船プログレスM−10Mが打ち上げられました。

搭載貨物は水や食糧を初めとしてざっと2.6トンです(リフューエル用燃料627kg、酸素51kg、水420kg、食糧194kg、医療器具/下着/衛生用品類94kg、などなど)。

    25日早朝、サイト112・ロケット組立棟より運び出されました。
 

            射点に到着し、据え付けられるところ。
 

               ダイナミックなアングル!
 

 

詳しくはこちらへ【Photo: Roscosmos】

宇宙航空研究開発機構は27日、国際宇宙ステーション(ISS)に長期滞在する古川聡さん(47)が搭乗するロシアのソユーズ宇宙船の打ち上げが6月8日(日本時間同)に決まったと発表した。当初は5月末の予定だった。

古川さんは医師出身。1999年に宇宙飛行士候補に選ばれ、今回が初飛行になる。宇宙機構の飛行士としてソユーズに搭乗するのは、2009年12月の野口聡一さん(46)以来2人目。カザフスタンのバイコヌール宇宙基地からソユーズでISSに向かい、約半年間滞在する予定。【時事 04.27】

インターファクス通信によると、ロシア宇宙庁は19日、国際宇宙ステーション(ISS)に長期滞在する日本の宇宙飛行士、古川聡さん(47)が搭乗するロシアの宇宙船ソユーズの打ち上げを、当初予定した5月30日から6月7日に延期すると明らかにした。

延期の理由については説明していない。

ソユーズはカザフスタンのバイコヌール宇宙基地から打ち上げられる。【読売 04.19】

実際に宇宙に打ち上げられた旧ソ連の宇宙船ボストーク3KA-2宇宙カプセルが12日、競売大手サザビーズによって米ニューヨークで競売にかけられ、288万ドル(約2億4000万円)で落札された。

サザビーズは当初、カプセルが200万ドル(約1億7000万円)〜1000万ドル(8億4000万円)の値をつけると予想していた。落札したのは投資会社会長のエフゲニー・ユーチェンコ氏。カプセルを母国に返す目的で競り落としたという。

ボストーク3KA-2は1961年3月25日、有人飛行の安全性を確かめる試験飛行で使用され、等身大のマネキン1体と「ズヴェドッカ(小さな星の意)」と名付けられた小型犬1匹を乗せて打ち上げられた。

カプセルは地球を1周し、大気圏に再突入し、パラシュートを開いて着地した。中のマネキンは無事で、小型犬も動揺はしていたもののけがはなかったため、ガガーリンによる有人飛行にゴーサインが出された。

ユーチェンコ氏は、「サザビーズのおかげでカプセルを母国に持ち帰ることができる。今後は、ロシアの宇宙開発計画の歴史記念館など、本来あるべき場所に置いてあげたい」との声明を発表した。【AFP 04.13】

旧ソ連のガガーリン元宇宙飛行士が人類初の宇宙飛行に成功してから50年となる12日、ロシア政府は自国の宇宙事業にかかわった国内外の関係者を表彰した。日本人では09年12月にロシアのソユーズ宇宙船で国際宇宙ステーション(ISS)へ飛び立った野口聡一飛行士(45)ら3人が表彰された。

野口さん以外に日本人で表彰されたのは、日本人で初めてソユーズ船に乗船した元TBS記者、秋山豊寛さん(68)、日本人で初のISS船長となる若田光一宇宙飛行士(47)。

表彰された日本人で唯一、式典に出席した野口さんは、メドベージェフ露大統領から「宇宙開発功労メダル」を渡された。あいさつに立った野口さんは「震災で苦労している日本の皆さんにメダルをささげたい」と発言。大統領も「お悔やみを申し上げたい」と声をかけたという。【毎日 04.13】

旧ソ連のユーリー・ガガーリン(1934〜68年)が人類初の有人宇宙飛行に成功してから12日で50周年を迎えたのに合わせ、これまで機密扱いとされていた大量の関連文書が公開された。「偉業」に向けた準備が共産党指導部の厳格な統制下で、緊張と高揚感をもって進められたことを物語る資料の数々だ。ガガーリンの宇宙船「ボストーク(東方)」が予定通りの場所に帰還できない場合に備え、諸外国に事態を警告する文書も準備されていた。

公開された資料は、有人宇宙飛行に向けた科学者の研究報告や共産党指導部の決定、ガガーリンによる帰還翌日の報告など。米国との激しいロケット・ミサイル開発競争の中で、世界初の人工衛星「スプートニク」打ち上げ(57年)に続く有人飛行の目標が短期間の集中作業で達成された過程が明らかにされている。

露宇宙庁のダブイドフ次官は記者会見で「(文書で明らかにされた)技術的問題もさることながら、何より興味深いのは当時の雰囲気だ」と指摘。当初は60年中に計画された有人飛行が、度重なる無人ロケットの打ち上げ事故や技術的不調で延期されたことや、ガガーリンには「偉業を達成するため」との名目で宇宙飛行に先立って少佐の称号が与えられていたことを明らかにした。

次官によれば、ガガーリンの飛行に際しては「成功」と「不成功」の場合の2種類の声明文案が党指導部で承認されていた。「不成功」は、操縦装置の不具合によって想定通りの場所に帰還できず、国内外に「宇宙飛行士が降ってくるかもしれない」と通知する内容。ガガーリンが死亡した場合の文案は存在しなかったという。

ソ連はガガーリンの飛行前から地球周回軌道の飛行だけでなく、有人・無人機による月や火星などの探査までも計画。だが、有人飛行前に行われた犬など動物の飛行実験では地球軌道の3〜4周回目で体調の変化が観察され、無重力状態が人体に与える影響を懸念してガガーリンの飛行は1周回にとどめられた。

「宇宙飛行士」という用語がソ連共産党最高会議幹部会で公式の称号に定められたのは実際の飛行の2日後。党では有人飛行の成功を受けて新暦の導入まで検討されていた。

ガガーリンは68年3月、ロシア西部ウラジーミル州でミグ戦闘機の飛行訓練中に墜落死し、事故原因をめぐってはさまざまな臆測や陰謀論が語られてきた。露大統領文書館のステパノフ部長はこれに対し、事故直後に設けられた特別調査委員会が「(ガガーリン機が)観測気球を避けようとして急な操縦をした可能性が最も高い」と結論づけていたことを明らかにした。【産経 04.13】

人類初の宇宙飛行に成功した旧ソ連のユーリー・ガガーリン飛行士が1968年3月27日、操縦していたミグ戦闘機の墜落により34歳で死亡した事故について、ロシア大統領文書館のステパノフ総務局長は8日、観測気球との衝突を避けようとして急旋回したことが原因だったとの結論を当時のソ連政府調査委員会がまとめていたことを明らかにした。

今月12日のガガーリンの宇宙飛行50周年記念日を前に、ロシア政府は一連の関連文書の秘密指定を解除した。同局長によると、この中の政府調査委の文書は「気象観測気球を避けようとして急旋回したことが事故原因になった可能性が最も大きい。急旋回に続いて危機的な飛行状態に陥り、墜落した」と結論付けていた。【時事 04.08】

5日午前7時18分(日本時)、カザフスタン・バイコヌール宇宙基地よりソユーズTMA−21宇宙船は無事に打ち上げられ、7日午前8時9分、国際宇宙ステーションにドッキングしました。

5日未明(現地時間)、クルーがソユーズ宇宙船に乗り込みました。エレベーター手前のステップでソユーズクルーは必ず立ち止まり、メディアに向かって手を振ります(下)。上からアンドレイ・ボリセンコ飛行士(船長)、ロン・ガラン、アレクサンダー・サモクチャエフ飛行士。

  

          現地時間午前4時18分、リフトオフ!!
 

                  力強い上昇!
 

【photos: NASA】

日本時間5日午前7時18分に打ち上げ予定のソユーズTMAー21宇宙船の準備は順調に進んでいるようです。

3月29日、バイコヌール宇宙基地。ソユーズ宇宙船の最終チェックがエンジニアらによって行われ、問題なしと確認されると、フェアリングが被せられました。

 

      一同、見守る中でフェアリングが被せられていきます。
 

         各部を確認しながら、ゆっくりと被せられます。
 

31日、ロケット組立棟へと搬送され、1日にソユーズFGロケットと組み合わされました。
 

ロケット組立棟での一コマ。横に次の打ち上げで使われるロケットが既に転がっています。順調な生産力。
 

2日、ロケットが射点に立てられました。曇天で少し霞のかかった早朝でした。
 

          傍の道を走るのは消防車っぽいですね。
 

 

 

このあと、左右に広がる整備塔がロケットを包み込み、アンビリカルタワーがはり付いて据え付け完了となりました。【photos: Energia】

画像は3月20日、国際宇宙ステーション(ISS)で撮影された一枚。正面に見えるのは日本が打ち上げた無人輸送機「こうのとり2号」(HTV−2)。その傍には「デクスター」と呼ばれるマニピュレーター。

 

眼下に広がるのはカナダ南東部のセントローレンス湾。大きいサイズはこちらへ。とても美しい光景ですね。

下は、ISSの「キューポラ」で撮影を行っている第27次長期滞在クルー・コマンダーのドミトリー・コンドラティエフ飛行士(左)と、欧州宇宙機構の飛行士パオロ・ネスポリ飛行士。

 

大きいサイズはこちらへ。

一方、カザフスタン・バイコヌール宇宙基地では、4月5日に打ち上げ予定のソユーズTMA−21宇宙船と搭乗クルーの用意が順調に進んでいます。同宇宙船はもともと3月下旬に打ち上げ予定でしたが、通信系の不具合のため延期されました。

搭乗クルーは左からロン・ガラン、アレクサンダー・サモクチャエフおよびアンドレイ・ボリセンコ飛行士で、ソユーズ船長はボリセンコ飛行士。22日、最終訓練&チェックの合間に撮られた一枚。ちなみに今回のソユーズには、ガガーリン50周年にちなみ、「ユーリ・ガガーリン」のペットネームが付けられています。宇宙船の保護カバーにもガガーリンをデザインしたロゴが貼られています(大きいサイズ)。

 

下は、ソユーズ宇宙船を覆うフェアリングとガレン飛行士。フェアリングもガガーリン仕様。とてもクールですね!大きいサイズはこちらへ。

 

【photos: NASA】

ニューヨークのオークションハウス「サザビーズ」に、1961年3月に打ち上げられ無事に帰還したボストーク型宇宙船「コラブル・スプートニク5号」(Vostok 3KA-2)が出品される。これはガガーリン50周年を記念したもので、4月12日にオークションが行われる予定とのこと。

コラブル・スプートニク5号はガガーリンに先立ち完全リハーサルを目的に、61年3月25日に打ち上げられ、地球を1周して帰還した。これには一匹の犬「ズヴェズドーチカ」と小動物、そして「イワン・イワノビッチ」という名でよくしられたマネキンが乗せられていた。

飛行はパーフェクトだったが、回収現場が深い雪で手こずり、現場を地元住民に目撃されトラブルになりかけたことが知られている。(詳細は当サイトのこちら

すでにコラブルはサザビーズに搬入され、展示されている。内部の機器は外されており、競売にかけられるのはカプセルのみのよう。予想落札価格は200万〜1000万ドルと見られている。詳しくはこちらへ【FoxNews 02.24】

…これが驚くべきことに、いやなんでもありのロシアなら別に驚くべき事でもないですが(笑)、このカプセルは何年も前に個人(匿名ロシア人)所有になっており、今回の50周年は売りに出すいい機会だと思ったそうで。

ロシアはガガーリン飛行50周年記念の一環として、彼の飛行に関する機密文書を公開するという。

これは、「機械製作中央研究所」(TsNIIMASH)の副所長オレグ・クリーチェ氏が述べたもの。4月の飛行記念に合わせて公開される複数の文書の中に、ガガーリンに関するものが含まれているという。

詳しくはこちらこちらへ【Roscosmos 02.09】

韓国とロシアは、人工衛星打ち上げロケット「羅老(ナロ)」の2回目の打ち上げ失敗原因を究明できず、3回目の打ち上げはかなり先に延期される可能性が高まった。

韓国の教育科学技術部(省に相当)は31日、韓ロ失敗調査委員会(FRB)が先月24日から27日にかけ、ロシアで第4回会合を開いたが、羅老の2回目の打ち上げ(昨年6月)の失敗原因に対する見解の差を埋めることができなかったことを明らかにした。

教育科学技術部の金善玉(キム・ソンオク)巨大科学政策官は同日、「韓国側はロシアが製作した1段目・2段目ロケットの分離装置を失敗原因とみているのに対し、ロシア側は韓国が製作した『飛行終了システム』(FTS・軌道を離脱したロケットを爆発させる装置)を失敗原因として挙げ、共同で検証を進めてきたが、見解の差を埋めることに失敗した」と述べた。

韓ロ双方は今後、さらに会合を開き、原因究明作業を継続することを決めた。しかし、これまでに指摘されていない新たな失敗シナリオは見つからないとみられる上、第5回会合の日程も決まっておらず、短期間に原因究明作業が終わる可能性は高くない見通しだ。続きはこちらへ【朝鮮日報 02.01】

ロシア国防省によると、開発中の新型キャリアロケット「アンガラ」の初飛行は2012年とのこと。これまでにも度々予定が延びてきたが、宇宙軍指令オレグ・オクタペンコ氏によると、現時点では予算も供給され、スケジュールも予定通りとのことです。詳しくはこちらへ【Roscosmos 01.29】

すっかりメモが遅れてしまいましたが、ISSへ向けた無人貨物宇宙船「プログレスM−09M」がバイコヌール基地より28日午前10時31分(日本時)に打ち上げられ、30日午前11時38分にISSにドッキングしました。

プログレスには約2.6トンの貨物が搭載されています。HTVの到着直後にプログレスとは、飛行士達も荷解きに大わらわですね。

また、今回の便にはキューブサット「ケダル」(Кедр)が搭載されています。"Кедр"はガガーリンが使用したコールサインで、今年が彼の飛行50周年にあたり、それを記念して衛星名とされました。大きさは55×55×40センチで、重量30kg。25のメッセージを15の言語で送信しつつ、地球を撮影したり、科学観測を行ったりします。開発には学生も参加しています(下・開発中のケダル)。

 

 M−09M内部の様子。ギッシリ。一番奥にКедрが納められています。
 

ちなみにКедрは元々あの"スーツサット"として放出される予定でしたが、スーツサットに適した古いオルラン宇宙服はISSの倉庫スペース問題でプログレスに詰められ廃棄(2着あったが両方とも)。したがってキューブサットとして投入されることになったのだとか。船外活動の間に放出されます。【Photo: Energia】

ロシア宇宙科学研究所(IKI)の関係者によると、同国が画している火星探査機「フォボス・グルント」の打ち上げを、今年11月11日を目標に設定したと表明した。

フォボス・グルントは、火星の衛星「フォボス」に着陸し、その土壌をサンプリングして地球へ持ち帰るという野心的なミッション。もともと2009年の打ち上げが予定されていたが、探査機が完成しなかったため、今年の秋に順延になっていた。

今年のロンチウィンドは10月31日から11月22日。もし11月11日に間に合わなければ同22日まで粘るが、もしそれでも間に合わない場合は、2013年への遅延もあり得ると表明している。

詳しくはこちらへ【Roscosmos 01.17】

…この時点で遅延のことに触れるとは…ひょっとして探査機製造間に合ってない!?