☆下は、今月8日に国際宇宙ステーション(ISS)から撮影された、廃棄されたプログレス宇宙船の機関部。これは珍しい光景。
珍しいというのも、通常はゴミが詰まった貨物カプセルがついた状態で廃棄されるからだ。
これは、ISSモジュール「ポイスク」(MRM−2)を送り届けた機関部である。ポイスクは11月10日、プログレス宇宙船に接続されて打ち上げられた。プログレスはソユーズ宇宙船とほぼ同じで、相違点は人の乗るカプセルの中に貨物が詰め込まれるだけ。ただ、カプセルの代わりに別の構造物を載せてもよいわけで、先月の場合はそれがポイスクだったわけである(下は最終準備段階のポイスク(白い部分)で、通常はここに貨物カプセルがつく。その他の写真はこちらへ)。
こうしてみると、プログレス/ソユーズ宇宙船はとても使い勝手のよい宇宙船であることが改めてわかる。大きいサイズなど詳しくはこちらへ【OnOrbit 12.28】
☆28日、ロシア宇宙庁管制部(ツープ)で行われた会見で、ロシア宇宙庁ペルミノフ長官は、来春に打ち上げ予定のソユーズTMA−18のミッションロゴを公開した(下)。
TMA−18は、アレクサンダー・スクボルツォフ、ミハエル・コルネンコおよびトレーシー・カードウェルの3飛行士を乗せて、国際宇宙ステーション(ISS)へ向かう。彼らは第23次滞在クルーとして来年4月から9月まで滞在する予定。
なお、このロゴはカザフスタンのクルチャトフ市に住むナスチア・ベレズスキーさんのデザイン。彼女はバイコヌール基地に招待される。詳しくはこちらへ【Roscosmos 12.28】
…イラスト中の飛行士3人は、実際のオフィシャルポートレートが使用されることになります。
☆ロシア宇宙庁のアナトリー・ペルミノフ長官は先頃、ロシアRIAノーボスチ通信のインタビューに対し、ロシア版シャトル「ブラン」の復活はないと明言した。
ブランはソ連時代に開発され、1988年11月に初フライトを成功させた。だがその後の同国の経済破綻と混乱の中でプロジェクトはストップし、二度と飛行することはなかった。初フライトも、有人可能レベルまで整備が終わっていなかったため、無人での飛行であった。(下・打ち上げ準備中のブラン。米国のシャトルと異なるのは、ブランは大型キャリアロケット「エネルギア」に背負われて打ち上げられる点。)
ペルミノフ長官はバイコヌール宇宙基地に残されている施設等の修復に関して、「ノーだ。これは明らかであり、断言する。残念なことに、再建には費用がかかりすぎるのだ」と語った。
また、米国のスペースシャトルにも触れ、「一度の打ち上げに500億ドルもかかる。米国もシャトルは費用がかかりすぎることを認識しているし、それゆえそれを止めることを決定したのである。」と述べた。
詳しくはこちらへ【Roscosmos 12.27】
…RIAのインタビューに長官が答えた内容は、23日の会合での発言と被りますが、ブランについて明言したのは初めてと思われます。
☆ロシア宇宙庁のアナトリー・ペルミノフ長官は23日、少なくとも2020年まではバイコヌール宇宙基地の発展に力を入れることを記者団に語った。
ロシアは現在、極東のアムール州に新宇宙基地を建設する計画を持っており、主力をカザフスタン領のバイコヌールからこの新基地に移すという観測が専らとなっている。
長官は「バイコヌールは現在そして今後も、新基地の建設とは関係なく、主導的な宇宙基地である。」と語った。ロシアとカザフスタンは、現時点では、協力して宇宙基地を発展させていく方向だという。
また、「バイコヌールの規模を縮小させるのは、ロシアそしてカザフスタン双方にとって有益ではない」と述べた。詳しくはこちらへ【Roscosmos 12.23】
☆もうひとつ、ロシアの話題から…写真の出所を探しているようです↓
先日紹介しましたが、ロシア宇宙庁は再来年のガガーリン飛行50周年に向けて、それにゆかりのある物品の収集を始めています。上はその一環で公開された画像ですが、出所がわからないとのこと。ラボーチキン社の関係者より情報が得られているようですが、それによるとそもそも射点でこのような撮影は禁止されていたはずとのこと。詳しくはこちらへ【Roscosmos 12.23】
…これは映写機で撮影された(と思われる)動画のワンシーンです。YouTube でも流れています(こちら)が、上のあまりにも鮮明な画像はデジタル処理云々の加工が施された結果のような気がします。
撮影は禁止されていたといいますが、ガガーリンには朝から2名のカメラマンがつきっきりで記録映像を撮っていたといいます。禁止されていたのは一般職員に対してだったのかも知れませんね。しかしこの動画は有名なものだと思いましたが、捜索願がでると言うことは、意外と本家では知られていないもの、或いは知っているものはいなくなったもの、なのかも知れませんね。。
☆もうひとつ、ロシアの話題から…25日、グレブ・ロジノ-ロジンスキーの生誕100周年を迎えますが、23日それを記念した会合がロシア宇宙庁で催されました(下・ミーティングの模様。中央が宇宙庁ペルミノフ長官)。
ロジノ-ロジンスキー(12.25.1909−11.28.2001)は卓越したエンジニアで、1941年からミコヤン設計局でミグの開発に携わりました。1976年には「NPOモルニア」のトップに就任し、再利用有翼宇宙船の開発を開始。これは後にソ連版スペースシャトル「ブラン」として結実しました。
会合では生前のロジンスキーにゆかりのある人達が集まり、ロシアにおける有翼型宇宙船の開発を振り返ったり、現在のロシア宇宙開発の現状を確認、意見交換が行われたりしました。また、ペルミノフ長官は個人的な意見として、「宇宙開発はますます金のかかるものになり、国際的な性格が強くなってきている。つまりいま、ロシアが注意を引き寄せる時である。我々は中国そしてインドと協力を築きたいと思っており、NASAからも協力の要請がある。我々と米国はどちらが上というわけではない、成熟し対等な立場であり、意見を言う。」などと述べました。
下は意見表明の一コマ。左からロシア宇宙庁副長官(2人)セルゲイ・サベリエフ及びセルゲイ・ポノマレフ両氏、そして元ソ連一般工業機械省大臣オレグ・バクラーノフ氏。
詳しくはこちらへ【Roscosmos 12.23】
…この記事を見て驚いたのは、バクラーノフ。ソ連末期、軍産複合体のトップとしてゴルバチョフの改革に反対し、90年の8月クーデターでは首謀者のひとりとして名を連ねました。これは3日で失敗し逮捕されますが、その後恩赦で釈放され…今でもこのような場では登場するのですね。胸にはソ連時代の勲章のひとつ「社会主義労働英雄」をぶら下げています。
☆ソユーズ宇宙船(21S/TMA-17)で国際宇宙ステーション(ISS)に到着した野口宇宙飛行士は、21SとISS間のハッチがオープンされた時点から、第22次長期滞在員としてISSでの長期滞在を開始しました。
野口宇宙飛行士は、来年5月頃、ソユーズ宇宙船(21S/TMA-17)で帰還するまでの約5ヶ月間、ISSに滞在する予定です。
ISSとのドッキング日時:
平成21年12月23日(水) 7時48分(日本時間)
平成21年12月23日(水) 1時48分(モスクワ標準時間)
ISSとソユーズ宇宙船(21S/TMA-17)間のハッチオープン日時:
平成21年12月23日(水) 9時30分(日本時間)
平成21年12月23日(水) 3時30分(モスクワ標準時間)
詳しくはこちらへ【JAXA 12.23】
…下・ISSクルーに合流した野口飛行士たち。サンタ帽にミニツリー、プレゼント袋まで備わり、クリスマス気分ですね^^【photo:
NASA】
☆ソユーズTMA-17宇宙船は、日本時間午前6時52分打ち上げられ、無事に軌道へ投入されました。行ってらっしゃい!
☆ロシア宇宙局は21日午前3時52分(日本時間午前6時52分)、野口聡一さん(44)ら3人の飛行士を乗せたソユーズ宇宙船を、バイコヌール宇宙基地から打ち上げた。
宇宙船は約9分後、予定の軌道に入り、打ち上げは成功した。日本時間23日午前8時ごろ、国際宇宙ステーション(ISS)へ到着する予定。野口さんは来年5月まで、日本人では2人目の宇宙長期滞在に臨む。
ソユーズ宇宙船を載せたロケットは、第1〜3段エンジンを次々に分離し、宇宙船を予定の軌道に投入した。今後、地球を周回しながらISSに近づく。
野口さんは、2005年7月に米スペースシャトルで初飛行し、ISSで船外活動(宇宙遊泳)も行った。2度目の飛行となる今回は、日本人で初めて、操縦資格を持つ飛行士としてソユーズに搭乗。打ち上げやISSへの接近の際、ロシア人船長を補佐する左側の席に座り、機器を監視する重要な役割を担っている。
宇宙での長期滞在は、若田光一さん(46)が日本人の先陣を切り、今年3月から4か月半、日本実験棟の組み立てなどに携わった。野口さんは5か月間の滞在中、日本実験棟「きぼう」のロボットアームに、細かい作業を行うための“指先”として「子アーム」を取り付けたり、様々な科学実験を行ったりする。来年3月には、山崎直子さん(38)が米スペースシャトルで飛行し、初めてISSに日本人が2人そろう。
ISSには、2011年春ごろから古川聡さん(45)、12年初夏からは星出彰彦さん(40)が、いずれも半年ずつ滞在する予定となっている。【読売
12.21】
☆国際宇宙ステーション(ISS)での長期滞在にロシアの宇宙船「ソユーズ」で向かう野口聡一宇宙飛行士(44)が19日夜、バイコヌール市内の飛行士用ホテルで記者会見した。
風邪などがうつらないよう、ガラス越しに会見した野口さんは、「素晴らしいチームに恵まれた。ソユーズは職人芸を感じる宇宙船で、不安はない」と力強く語った。
また、今回は野口さんのアイデアで、すし用の具材を宇宙に持って行くこともあきらかにした。「一緒に行く2人も、宇宙で『すし』を食べるのを楽しみにしている」と語った。すしネタとしては乾燥したツナなどが用意されており、野口さんが握って各飛行士に振る舞うという。さらに、正月飾りを紙で作り、「宇宙ステーションで日本のお正月を再現したい」とも語った。
野口さんの宇宙飛行は、2005年7月に次いで2回目。前回の飛行は2週間だった。野口さんの乗るソユーズは、21日午前3時52分(日本時間午前6時52分)に打ち上げられる。野口さんの滞在中、来年3月には山崎直子飛行士も米スペースシャトルでISSへ行く。【読売
12.20】
…下は、会見中のクルー。左からチモシー・クリーマー(フライトエンジニア)、オレグ・コトフ(ソユーズ船長)および野口聡一(フライトエンジニア)の各飛行士。
会見が終わり、報道陣や家族に「行ってきます」と手を振る野口飛行士およびバックアップの古川飛行士(左)。
下は、17日にチェックを受けている野口飛行士。このように体を斜めに倒したり、また、回転する椅子に載せることで、平衡感覚をチェックしているそうです。
その他の画像はこちらやこちらへ【photo: nasa hq photo】
☆宇宙飛行士の野口聡一さん(44)が、ロシアの宇宙船ソユーズで21日に国際宇宙ステーション(ISS)へ旅立つ。
ロシア語を操り、日本人で初めてソユーズの操縦もする野口さんは、ボルシチなどの伝統料理を採り入れたロシア製宇宙食も楽しみにしている。
宇宙での長期滞在記録では、米国を圧倒的にしのぐロシア。飛行士の活力となる宇宙食についても、「三つ星」の味をめざしてきた。ISSでの宇宙食は現在、軽食を含めた1日4食で計21000ルーブル(約6万3000円)。高級グルメだ。
8種類のスープにビーフストロガノフ、半生にしたリンゴやモモのデザートなど、豊富なメニューが8日で一巡する。「医学生物学問題研究所」(モスクワ)で宇宙食を開発するアレクサンドル・アグレーエフ栄養・消化研究部長が「飛行士に大人気」と太鼓判を押すのは、風味のあるクルミ入りカッテージチーズとマッシュポテト。野口さんは「スープがとてもおいしい」と話す。【読売
12.19】
☆オバマ米大統領とロシアのメドベージェフ大統領は18日、コペンハーゲンで会談後、記者会見して5日失効した第1次戦略兵器削減条約(START1)の後継条約について、「いくつか細かい技術的問題が残っている」(メドベージェフ大統領)として、交渉が最終合意に達していないことを明らかにした。ロシアのプリホチコ大統領補佐官(外交担当)は、ジュネーブで行われていた交渉をクリスマス休暇などのため1月まで「一時中断する」と述べ、調印が年明けに持ち越されることを確認した。
コペンハーゲンからの報道によると、会見で両首脳は「大きな前進があり、合意はきわめて近い」(オバマ大統領)「我々の立場はきわめて近く、この数カ月議論してきたすべての問題は事実上、解決された」(メドベージェフ大統領)などと述べ、最終合意が近いことを強調した。しかし、これまでに達した合意や残された問題の具体的な内容には言及しなかった。
両首脳はこれまで新条約の年内調印を目指す方針を繰り返し強調し、START1失効前の4日には「後継条約の早期発効を保証する」との共同声明を発表した。しかし、戦略核弾頭やミサイルなど運搬手段の「削減」の定義や、検証・監視の手段、米ミサイル防衛(MD)など戦略防衛兵器の規制の扱いなどを巡って、なお立場の違いが残っていると伝えられてきた。【毎日
12.19】
☆野口飛行士が搭乗するソユーズTMA−17宇宙船が射点へ運び込まれ、据え付けられました^^
暁の空の下、ゆっくりと運ばれていきます。横に寝た状態で、射点(画面左隅)まで機関車で押されます。
射点にセットされた直後・朝日が眩しい
左からロシア、日本、アメリカそしてカザフスタン(基地はカザフスタン国内なので)の国旗。この地に日本の国旗が翻るのは、秋山さんの飛行以来とか…。
その他の画像はこちらへ【photo: nasahqphoto】
☆国際宇宙ステーション(ISS)に長期滞在する野口聡一宇宙飛行士(44)らを乗せるロシアのソユーズロケットがバイコヌール宇宙基地の発射場に据え付けられた18日、一足先にISS滞在を経験した若田光一宇宙飛行士(46)がロケットの前で取材に応じた。「いよいよこの時が来た。宇宙でいい仕事をして、ISSを楽しんできて」と野口さんにエールを送った。
若田さんは3月から約4カ月間、日本人として初めてISSに滞在した。今回、ソユーズの打ち上げを見学する野口さんの家族らに付き添い、支援役を務めている。
野口さんは、若田さんの長期滞在ミッションのバックアップ要員だった。2人でソユーズの訓練も受け、若田さんは「二人三脚で苦労した」と振り返った。17日に野口さんと話した際は「準備が整い落ち着いてリラックスした感じだった」という。
一方、日本人として初めて米スペースシャトルに搭乗した毛利衛さん(61)もソユーズロケットの運搬作業を見守った。「初めて見たが、日本のH2Bロケットでも(人を乗せて宇宙に)行けるような気がした。いつか(H2Bを打ち上げる)種子島で同じシーンを見てみたい」と話した。【毎日
12.18】
☆人類が宇宙へ飛び出してからちょうど半世紀まであと少し。ロシア宇宙庁はそれへ向けたイベントの準備を始めたようです。
1961年4月12日、ユーリ・ガガーリンは人類初となる有人宇宙飛行を成功させた。再来年の2011年は50周年の節目を迎えるが、ロシア宇宙庁のサイトではこれを記念して、ガガーリンと、有人宇宙飛行の夜明けにまつわる展示コーナーを新設する。
ガガーリンや彼の飛行、宇宙船やロケットを作った人々、ボストークで飛んだ飛行士たちに関連する文章や写真、物品などを持っている人は連絡、提供して欲しいとのこと。それらの中でもベストなものは、スペシャルエディションに収録するという。(なにか特別な扱いでもするんですかね?@管理人)
このような情報資料は、いまの時代を生きる子どもたちへの啓蒙の素材として重要という。子どもたちの中には、ガガーリンやコロリョフ、ツィオルコフスキーが何者なのかを知らない者がおり、このようなことは是正されねばならないと宇宙庁は強い信念を持っている。
ちなみに今後行われる一連の行事は、2008年7月31日に発布された大統領令に基づく公式行事である。詳しくはこちらへ【Roscosmos】
…近年ロシアでも若い世代に対する宇宙への啓蒙に力を注いでいます。子供を対象としたパッチデザインコンペなどもその一環のようです。ロシアの若者の宇宙離れは深刻だという話を聞いたことがありますが、こういう動きを見るとやはりそうなのかと感じさせられます。。
☆カザフスタン・バイコヌール宇宙基地では、21日の発射に向けてソユーズTMA−17宇宙船の準備とクルーの最終訓練が続けられています。16日には基地のサイト254・宇宙船整備工房に入り、宇宙船に入っての訓練が行われました。
正規クルー、。エントランスハッチの前でポーズ。左端はおなじみ、野口聡一飛行士。
正規&バックアップクルー全員そろっての会見も行われました
この日はサイト112・ロケット組み立て工房で、ソユーズロケットの見学も行われました。一連の行動の指揮を執ったのは、エネルギア社の第一副社長ニコライ・ゼレンスチコフ氏。
ソユーズロケットはノズルの多さで他を圧倒!迫力あります
副社長を中心に記念写真。右が正規クルーで左はバックアップ。左端は古川聡飛行士。
詳しくはこちらやこちら、こちらへ【Roscosmos 12.16】
☆今月21日に打ち上げられるソユーズTMA−17宇宙船に搭乗するクルーが先日バイコヌール入りしましたが、11日、国旗掲揚式が行われました。ミッションの正式開始といったところでしょうか^^
この式にはバイコヌール市長やロシア宇宙庁副長官を初めとした、大勢の関係者たちも参加しました。
メイン&サブクルーが向こう側に整列しています。
メインクルー・右端が野口飛行士。
国旗は左から日本、ロシア、米国そしてカザフスタン。
大きいサイズはこちらへ【Roscosmos 12.11】
☆5日、ソユーズTMA−17正規およびバックアップクルーと、ロシア宇宙庁アナトリー・ペルミノフ長官以下関係者達がお茶会を開いた。これは公式な会合で、和やかな雰囲気の中で懇談が行われた。
ソユーズTMA−17は今月21日、国際宇宙ステーション(ISS)へ向けて打ち上げられる。正規クルーはオレグ・コトフ、野口聡一およびチモシー・クリーマーの3飛行士。一方、バックアップクルーには古川聡飛行士が含まれる。
会合の席上、ペルミノフ長官は「昨日、RSCエネルギア社での設計局長会議にて、射点での打ち上げ準備作業にゴーサインを出す決定を下した」と挨拶。続けて、クルーのISS滞在中、2機のプログレス宇宙船と3度のスペースシャトル訪問、小型科学モジュール「MRM−1」の接続などが行われると語った。
コトフ飛行士は予防医学などを専門としており、被験者としてもなど、豊富な体験を持つ。それにひっかけて、ペルミノフ長官は笑みを浮かべながら次のように話を振った。
「ISSの仲間達は、ホンモノの医者がやってきて多分嬉しいでしょうね?」
これに対しコトフ飛行士は、「気分的によいものだと思います」と答えた。(通常、ISS滞在クルーの中に必ず医者がいるとは限らない。それゆえメンバーの中には、応急処置などはできるよう医学訓練を積んだものが必ず含まれる。)
ちなみに同飛行士は、ロシアで100番目の宇宙飛行士である。
お茶会の最後、クルーはめいめい、フォルティスのクロノグラフ(腕時計)を授かった。一方、クルーから長官に対し、公式ポートレイトが手渡されたが、それにはちょっとしたサプライズが施されていた(下)。
3人、マスクをしているのだ。「豚インフルに抗する決意表明です」とコトフ飛行士が言葉を添えた。(カードの言葉:
H1N1 決して通さない!)
詳しくはこちらへ【Roscosmos 12.05】
…ポートレイトは、ISSにインフルを持ち込まないという決意なのかなぁ。
☆21日に打ち上げられるソユーズTMA−17宇宙船の帰還カプセル内に吊されるマスコットは、オレグ・コトフ飛行士が持ち込む「ディムラー」(DimLer)と名付けられた黒猫のマスコットとのこと。
このようなマスコットは、ガガーリンの飛行の時からカプセルに持ち込まれている。これを吊しておくことで、無重力になった瞬間が判断できる。打ち上げのライブ中継などでも時々、無重力になった瞬間、マスコットがフワフワと浮かぶ姿を目にすることができる。浮かぶこれを飛行士がつついていることもある。
ちなみに「ディムラー」は、コトフ飛行士の一男一女の名、「ディミトリー」(Dmitry; Dima)と「ワレリア」(Valeria; Lera)から文字を取ってつくられている。
詳しくはこちらへ【Roscosmos 12.04】
☆ロシアの宇宙船ソユーズで今月21日に国際宇宙ステーション(ISS)へ打ち上げに臨む野口聡一宇宙飛行士(44)は3日、モスクワ中心部の「赤の広場」にある故ガガーリン宇宙飛行士の墓参りをして、安全な航行を祈った。
ガガーリンはソ連時代の1961年、人類で初めて宇宙を航行した国民的英雄。ソユーズで宇宙を航行する飛行士は、打ち上げ前に同氏の墓に献花する慣例がある。
野口さんは8日にカザフスタンのバイコヌール宇宙基地へ移動し、打ち上げに備える。ISSでは日本人飛行士として最長となる6カ月の滞在の予定。【毎日
12.03】
☆米ロの第1次戦略兵器削減条約(START1)がグリニッジ標準時5日午前0時(日本時間同日午前9時)、失効した。両国は、期限内に後継の核軍縮条約を署名できなかったが、失効後も「条約の精神」にのっとって協力することで合意、早期の交渉妥結に向けて協議を続ける。
オバマ大統領とメドベージェフ大統領は失効に先立つ4日に発表した共同声明で、「可能な限り早い日に新条約発効を達成する」との決意を表明した。両首脳は国連気候変動枠組み条約第15回締約国会議(COP15)の開かれるコペンハーゲンで18日に会談する可能性がある。【時事
12.05】
☆1日に帰還したソユーズTMA15宇宙船が、国際宇宙ステーション(ISS)から離脱した直後に、ISSから撮影されたその姿。漆黒の中に、静かに浮かんでいます…
詳しくはこちらへ【Roscosmos 12.02】
☆1日、国際宇宙ステーション(ISS)に滞在していた第21次長期滞在クルーのロマン・ロマネンコ、フランク・ディベナならびにロバート・サースクの3飛行士が、ソユーズTMA−15宇宙船で帰還した。
ソユーズに乗り込んだ3飛行士は午後0時56分(日本時)、ISSを離脱。その約3時間後の午後4時15分、宇宙船がカザフスタンの着陸レンジに着陸した。現地は気温−5℃で、雲が空低く立ちこめており、着氷の恐れありとの判断で救助ヘリコプターの使用が見送られた。代わりに大型駆動車で回収要員が駆けつけたという。
彼らはISSに187日間滞在した。詳しくはこちらへ【Roscosmos 12.01】
☆ソ連/ロシア時代の卓越した宇宙船設計者であり、1964年10月にはウォスホート1号で宇宙飛行を経験したコンスタンチン・フェオクチストフ氏が11月21日、モスクワで死去した。83歳だった。
詳しくはこちらへ【Energia 11.24】
☆来月21日にソユーズTMA−17宇宙船で国際宇宙ステーション(ISS)へと向かう正規クルーの訓練が、27日、終了した。クルーはオレグ・コトフ、野口聡一ならびにティモシー・クリーマーの3飛行士である。
訓練にはバックアップクルーも並行して参加しているが、彼らも終了。最後の試験は両クルーとも“エクセレント”の評価だったとのこと。詳しくはこちらへ【Roscosmos 11.27】
☆24日、ロシアの宇宙開発企業ラボーチキン公団では、同国の金星探査計画「ベネラD」の設計局長会議が開かれた。ここでは無人金星探査機の技術や素材、プロジェクトの進行スケジュールなどが話し合われた。
会合には機械製造中央研究所(TsNIIMash)、宇宙科学研究所(IKI)およびモスクワ航空研究所(MAI)の関係者も出席した。
ロシアはその宇宙プログラムの中で、金星の大気と表面の探査を行うことを謳っており、探査機の打ち上げが2016年に予定されている。(下は公表された探査機イラスト。茶色の球体の中に着陸機が入っている。)
今回の会合では、インパクトを増強するため、打ち上げロケットに「アンガラ」を使用することも提案された(アンガラはロシアが開発中の次世代ロケット)。また、高圧チャンバーの新造もしくは関連機関にある類似施設を利用することを前向きに検討するよう、指摘がなされたという。
詳しくはこちらへ【NPO Lavochkin 11.26】
…高圧チャンバーは金星大気を再現するものでしょう。ベネラ計画で使われたチャンバーがあるはずですが、恐らく数十年放置のままで、使えないのかも知れませんね(?)。
バスはフォボス・グラント探査機と共通のようですが、太陽に近いため太陽電池パネルは小さいものになっています。また、着陸機の入る突入カプセルの回りに茶色の円錐型カプセルがついていますが、これは大気層を飛ぶバルーンを納めたものとのこと。このミッションでは着陸機を地上に降ろすのと同時に、大気中に複数のバルーンを投下しその動きを追うことで大気運動を追跡する予定です(80年代のベガ計画と似ています。ただベガの場合、バルーンはカプセル中に潜ませて大気下降中に放球されましたが、今度のミッションの場合は独立して投下されるようですね)。なお、当初、着陸機は1ヵ月ほど稼働するような構想でしたが、極限環境下でその期間の稼働は難しいと判断されたようです。
2003年にロシアの宇宙計画で明らかになって以来、探査機のデザインは少しずつチェンジしてきました。それら詳しくはこちらへ
☆下は、先日国際宇宙ステーションにドッキングしたプログレス宇宙船。先端には通常の卵形貨物コンテナではなく、「小型研究モジュール」(MRM−2)が接続されている。
見慣れたいつものプログレスとは格好が違うので、なんか新鮮ですね^^ 大きいサイズや他の画像はこちらへ【photo: NASA】
☆9月末にデザインが発表されたソユーズTMA−17宇宙船クルーのミッションパッチが、できあがったようです(下)。
色合いまで原案通りにできるものですね!TMA−17は来月、クリスマスの直前に打ち上げられます。クルーのひとりが、野口飛行士です。
来週、クルーおよびバックアップクルーのオフィシャルフォト撮影が行われるそうです。詳しくはこちらへ【Roscosmos 11.10】
☆日本時間10日午後11時22分、カザフスタン・バイコヌール宇宙基地より小型研究モジュールを搭載したプログレス貨物宇宙船がリフトオフしました。
打ち上げは成功し、宇宙船は12日に国際宇宙ステーション(ISS)にドッキングが予定されています。【Roscosmos
11.10】
☆ウェザーニューズは11月10日、「しし座流星群」の様子を全国7か所の地域で観測して生中継すると発表した。24時間ライブ放送番組「SOLiVE24」で放送する。番組の放送時間は11月17日23:00から18日7:00まで。
PCと携帯電話両方に特設サイトを開設。流星群がある当日までは「しし座流星群」が見えると見込まれるエリアを地図上で表示する。一方、当日は、流星をカウントして報告できるツール「流星カウンター」をケータイ向けサイトに用意。各地の利用者が提供する数値の集計によって、全国でどのくらいの流星が見えたのかを知ることができる。
同社によると、17日夜から18日早朝は、北日本は高気圧に覆われるため流星群を観測するにはよい条件とのこと。特に太平洋側ほど雲が少ない。ただ、本州の南海上には前線が近づくため、沖縄や西・東日本の太平洋側では雲が多い空になりそうだという。「しし座流星群」のピークは18日夜明け後の見込み。【BCN
11.10】
☆ロシアの宇宙開発企業「エネルギア」のロポタ社長は10日、地球の周囲に大量に漂う使用済み人工衛星などの宇宙ごみが国際的な問題となる中、「掃除宇宙船」の開発で巨利を狙う構想を明らかにした。インタファクス通信が伝えた。
同社長は、人工衛星などの安全を脅かす大きな宇宙ごみは約1200個に上ると指摘。宇宙ごみの掃除ビジネスは2020年までに30億ドル(約2700億円)の市場になりうると予測した上で、その4分の1はロシアが受注すべきだとしている。
同社の既存の宇宙船にごみを集める機器を増設し、掃除船とする構想だが、詳細は決まっていないという。【共同
11.10】
…ビジネスって…相当のゴミを撒いたのはどこの国でしたっけ…w
☆バイコヌール宇宙基地では6日、技術者会議および国家委員会会議が行われ、ソユーズUロケットロールアウトの決定が下されました。これを受け、8日早朝、ロケットが射点へと運び込まれました。
ロケット、第112組み立て工房より間もなく出ます
出発!射点到着まで約2時間
宇宙への道 向こうに射点が
ジャッキアップされ、据え付け。この後、左右に開く整備塔がロケットを挟みます。
詳しくはこちらやこちらへ【Roscosmos/Energia 11.08】
☆カザフスタン・バイコヌール宇宙基地では、9日に打ち上げ予定の小型研究モジュール(MRM2)の準備が続けられています。このモジュールは既にある「ピアース」ドッキングモジュールとほぼ同一型で、ピアースと正対するように接続されます。
(下は、組立がだいぶ先まで進んだところでのISS主要部。ズヴェズダとザーリャを繋ぐドッキングポートにピアースが、そしてその正対にMRM2が結合している。このミニ研究室は、ドッキングポートの役割も果たす。)
下は、宇宙基地の整備棟で待機するMRM2。プログレス無人貨物宇宙船の貨物室(ソユーズでいう軌道モジュール)の代わりに、このMRM2が接続されています(白い部分)。
プログレスM−MRM2システムに、フェアリングが被せられます。
作業が完了すると、専用貨車へ詰め込まれます。こうして、打ち上げロケット「ソユーズU」への組合せを行う組立棟へと運ばれます。
ディーゼルで搬送されます。
組立棟で、打ち上げロケットと結合されました。
打ち上げは日本時間10日午後11時22分が予定されています。その他の画像などはこちらへ【photo: Energia】
☆27日、バイコヌール宇宙基地に、今年のクリスマスの直前に打ち上げられる予定の「ソユーズTMA−17」宇宙船が運び込まれました。
宇宙船はモスクワのエネルギア社で製造され、列車でバイコヌールへと運び込まれます。到着は27日の早朝で、第254組立棟へ運び込まれ、荷解きが行われました(下)。
宇宙船はキャニスターに乗せられて、試験台へと運ばれました。ここで今後、最終仕上げやテストが行われていきます。
この時点では、帰還カプセルに保護カバーがつけられていません。なるほど、試験モノが全て終わってから被せられるのでしょうねぇ。
画像の大きいサイズや詳細はこちらへ【Roscosmos 10.28】
☆24日、バイコヌール宇宙基地では、1960年10月24日のR−16爆発事故、および63年の同日に発生したR−9A火災事故の犠牲者を弔う慰霊祭が行われました。
60年10月24日の事故は通称「ネデリン・ディザスター」などと呼ばれており、時の戦略ミサイル軍司令ミトロファン・ネデリン以下、100名をゆうに超える爆死者を出した大惨事。一方、その3年後の同日、弾道ミサイル「R−9A」サイロ内で火災が発生、8名が落命するという事故が発生しました。
この日は神父による追悼に続き、犠牲者の親族や軍兵士、バイコヌール市の住民らによる献花が行われました。
(下・R−16爆発事故が発生した41番発射レンジ跡。事故後閉鎖され、後に慰霊碑が建立されました。)
その他の画像はこちらへ【Roscosmos 10.26】
…この事故ではスプートニク1号の発射キーを押した若き技官も落命しました。概要は当サイトのこちらへ
バイコヌール宇宙基地は秋景色(↓)。その他の画像はこちらへ
☆18日午前10時41分(日本時)、無人宇宙貨物船「プログレスM−03M」が国際宇宙ステーション(ISS)に到着した。
プログレスはISSのピールスモジュールにドッキングした。詳しくはこちらへ【Roscosmos 10.18】
…下は、15日のプログレス打ち上げ時の一枚。日の出を目前に控えた東の空へと飛び去っていきました。とても美しいです^^ その他の画像はこちらへ
☆12日より、ロシア・オリョール州の州都オリョールにあるIAブーニン図書館にて、ボスホート1号飛行成功45周年記念展示が催されている。
1964年10月12日、ソ連は史上初めて複数人乗りの宇宙船「ボスホート1号」を打ち上げた。これは米国が開発を続けていた2人乗り宇宙船「ジェミニ」を意識し、3人乗りとしたものであった。
搭乗したのはコマロフ、フェオクチストフおよびイェゴロフの3飛行士。この、いきなり3人乗り宇宙船の打ち上げに西側は大いに驚かされたが、しかし実体は、ボストークを改造し無理矢理3人乗り込んだだけのものだった。
なお、展示は17日までとのこと(図書館広報による)。詳しくはこちらへ【Roscosmos 10.15】
…どのような展示なのか興味ありますね^^ボスホート1号の詳細に関する当サイトの記事はこちらへ
☆15日午前10時14分(日本時)、カザフスタン・バイコヌール宇宙基地より無人貨物宇宙船「プログレスM−03M」が打ち上げられた。
ロケットは予定の軌道に投入され、打ち上げは成功した。順調に進むと、18日に国際宇宙ステーションとドッキングする。
詳しくはこちらへ【Roscosmos 10.15】
☆ロシア宇宙庁は13日、新型打ち上げロケットの開発を開始することを発表した。これは、有人宇宙船打ち上げにも対応したものであるという。
同庁ペルミノフ長官は同日、ロケットの信頼性と安全性に優先性が置かれ、フライトのどの段階でも非常事態にはクルーが脱出できるようにするという。
同長官によると、ロケットのペイロードは50〜60トンのヘビー級、さらには130〜150トンのスーパーヘビー級にも対応する仕様となる見込み。
このロケットは、極東に建設予定のボストチヌイ宇宙基地からの打ち上げに対応するものとなるという。同基地は2011年に建設開始、2018年の完成を目指している。
なお、現在使用されているバイコヌール宇宙基地はソ連崩壊後にカザフスタン領となっており、同国に借用料を払う格好でロシアが使用している。ただ借用料などを巡ってのいざこざが絶えず、主力をロシア国内に移転する目論見でボストチヌイの整備などに力を注いでいる。
なお、ボストチヌイには7基の射点が設置される予定で、うち2基が有人ロケットで、2基が貨物宇宙船用とされる。詳しくはこちらへ【Ria Novosti 10.13】
☆カザフスタン・バイコヌール宇宙基地では13日、プログレスM−03M無人貨物宇宙船が、第112組み立て工房より1番射点へと搬送されました。
この貨物船の打ち上げは今月15日が予定されています。
現地時間午前7時、組み立て工房から搬出が始まりました。現地はまだ太陽が出ていません。
午前9時までには射点に到着し、据え付けられました。
打ち上げ後、3日ほどで国際宇宙ステーションにドッキングの予定です。この船には総重量2.5トンを超える資材や食糧、水などが詰め込まれています。詳しくはこちらへ【Roscosmos 10.13】
☆11日、国際宇宙ステーション(ISS)第20次滞在クルーのコマンダー、ゲナンジー・パダルカ飛行士とフライトエンジニアのマイケル・バラッド飛行士が、ソユーズTMA−14宇宙船でカザフスタンのステップ地帯に帰還した。また、宇宙旅行者のガイ・ラリベルテ氏も同船に同乗して帰還した。
ソユーズ宇宙船は日本時間午後1時32分、カザフスタンのアルカリク市の北東に着陸した。クルーは回収部隊によってカプセルから引き出され、モスクワ郊外のガガーリン宇宙飛行士訓練センターへと帰る。(下はモスクワのミッションコントロールセンターで行われた記者会見。)
パダルカおよびバラッド飛行士は3月26日の打ち上げより199日間を宇宙で過ごした(うち、ISS滞在は197日)。一方、ラリベルテ氏は11日間を過ごした。
現在、ISSは第21次滞在クルーが常駐中。詳しくはこちらやこちらへ【NASA/Roscosmos 10.11】
☆ロシアの火星探査ミッション「フォボス・グラント」の遅延の内情について、ロシアのスペースウォッチャー、アナトリー・ザク氏がSpace
News紙に寄稿している。
打ち上げウィンドウを目前にしながらの先月末、ロシアはこのギリギリの段階でフォボス・グラント探査機の打ち上げを2011年まで延期することを認めた。これについてロシア宇宙庁からまだ正式な声明はないが、宇宙庁ペルミノフ長官は次のように遅延を認めている。
「科学者たちがフォボスの表面の特徴をもっとはっきりさせたいという。これは、土壌(レゴリス)収集デバイスのよりよい設計には必要なことだ。もし土壌が堅かったなら、間違ったやり方だと全てがパーとなってしまいかねない。また、ミッションのあらゆる段階において通信を保つ確度が100%に達していない。さらに、探査機の構成要素により信頼性が必要である」
ペルミノフ長官はこう述べているが、技術的な遅延についてはトーンを抑えた。
一方関係筋によると、探査機のフライトコントロールシステム「BKU」がまだまだフライトレベルに達していないのだという。また、地上設備の整備も足りていないという。
さらには、探査機のコンポネンツを製造する組織・企業の間で遅延の雰囲気が広がるにつれ、少なくともいくつかのコンポネンツ製造がスピードダウンしたという。少なくとも1つのペイロード…これはフィンランドが関わるものだが…は、今年の打ち上げには間に合いそうになかった。
ただ、最大の問題は、フライトコントロールシステムBKUにあるという。フォボス・グラント計画を遂行するラボーチキン公団は、BKUを「OKBマーズ」(ラボーチキンにコンピュータを提供してきたモスクワの企業)に外注せず、自前で製造しようとしているのだという。ラボーチキンいわく、OKBマーズのコンピュータはこの探査機には大きすぎるとのこと。
ラボーチキンでは、このコンピュータの担当に比較的若く経験の浅い人材が当たっているという。しかも同社で行っているのは構成コンポネンツの最終組み上げとソフトウェアの開発であり、ハードの開発製造はアルゴン研究所から独立したテフホム社に外注しているのだという。アルゴン研究所はOKBマーズ同様、ソビエト時代に宇宙船のコンピュータを製造した歴史の長い研究所である。
このテフホム社は、期限までにハードを納品したという。ただ、ラボーチキンでのくみ上げとソフト開発が手こずっており、情報筋によると、コンポネンツ単位でのテストはできているが、全体が組み上がった状態での運転の域に達していないとのこと。このコンピュータがどうにもならないと、2011年でさえ怪しくなってくる可能性もあるという声もある。
なお、2011年までの2年間は、サンクトペテルスブルグ郊外の地上局の整備には十分という。この局は探査機との交信にあたる施設のひとつ。メイン局は極東のウスリースクにある。
詳しくはこちらへ【Space News 10.05】
☆下は、打ち上げ直後のソユーズTMA−16宇宙船。離陸すると猛スピードで上昇していきます。
この写真、遠隔撮影されたのでしょうかねぇ?以前、カメラマンが至近距離まで接近して撮影しているところを、撮影した写真がありましたが…。
下は、ミニ実験モジュール2(MRM2)を実見する第21次長期滞在クルー・フライトエンジニアであるジェフ・ウィリアム飛行士(左)と、ソユーズTMA−16コマンダーであるマキシム・サーエフ飛行士。
彼らは26日、打ち上げ準備の合間の一服に、MRM2を見学しました。これは国際宇宙ステーションに接続されるモジュールで、来月10日、プログレス無人貨物船の先に載せられて打ち上げられます。
一見2畳くらいしかない感じですが、無重力では全空間使えますから、意外と広いスペースなのでしょうね^^ その他の画像はこちらへ【photo: NASA】
☆またひとり、巨星が墜ちました…
ソ連邦英雄を2度授与された宇宙飛行士パベル・ロマノビッチ・ポポビッチ氏が30日、死去した。78歳だった。
1930年10月5日、ウクライナのキエフ郊外に生まれた。1960年、宇宙飛行士チームに選ばれ、1962年8月、ボストーク4号で約4日間の地球周回飛行を行った。ボストーク後は有人月プログラムで飛行士訓練を受け、その後はソユーズやアルマズ宇宙船の訓練を受けた。(下・ボストーク4号で飛行中のポポビッチ。ロシア人はシャープペンシルを使っていた(笑))
1974年7月、ソユーズ14号で2度目の宇宙飛行を行い、サリュート3号(アルマズ2)に滞在した(約17日間の宇宙飛行)。
1980年から89年の間はガガーリン宇宙飛行士訓練センターの副所長を務めた。詳しくはこちらへ【Roscosmos 09.30】
…イタル・タス電によると、保養地で脳梗塞に見舞われ、病院に担ぎ込まれたのち、死去したとのことです(こちら)。これで、まだご存命のボストークメンバーは、ビコフスキー氏とテレシコワ女史のみということで…。
☆日本時間今日16時過ぎ、カザフスタン・バイコヌール宇宙基地よりソユーズTMA−16宇宙船が打ち上げられます。NASA・ボールデン長官も29日に現地入りし、ロシア宇宙庁・ペルミノフ長官やガガーリン宇宙飛行士訓練センター・クリカリョフ所長との挨拶が行われたりしたようです。詳しくはこちらへ
また、29日の国家委員会の会合では、次のソユーズTMA−17のミッションパッチが、ペルミノフ長官からお披露目されました(下)。
このパッチは子どもによるデザインです。ロシアは最近、子どもを対象にしたデザインコンペを催しており、このデザインをした子と、次点で選ばれた2人の子どもたちがバイコヌールへと招かれています。(啓蒙活動の一環ですかね?管理人)。
ソユーズTMA−17は12月に飛び立つ予定です。詳しくはこちらへ【Roscosmos 09.29】
…これはいい、とてもいいパッチですね^^
☆バイコヌール宇宙基地では28日早朝(現地時)、ソユーズTMA−16宇宙船の搬出が行われ、射点へとセットされました。
前日27日には国家委員会の会合が開かれ、作業が完了したことが確認され、ロールアウトにゴーサインが出されています。
組み立て工房を出たのは、バイコヌール時・午前7時
早暁、機関車に押されて射点へと移動
第1番射点、通称“ガガーリン発射台”に据えられました
その他の画像や詳細はこちらやこちらへ【photo: Roscosmos/Energia】
☆バイコヌール・コスモドロームでは27日、30日打ち上げ予定のソユーズTMA−16宇宙船の組み立て作業が完了しました。いつも通り、作業は順調のようです^^
これからまず宇宙船がロケット第3段(左端に見える)に組み合わされ、その後、先端にエスケープロケット(手前)が装着されます。
エスケープロケットを装着しているところ。なるほどこうなっているのか…。ロケットの真下でPCを見ているのは搭乗クルーとバックアップクルー。奥では取材クルーがカメラを構えています。
その他の画像はこちらへ。一方、26日午前には、恒例のバイコヌールツアーが行われました。
コロリョフモニュメントの前で記念写真
この日の午後は、バイコヌール展示館を見学
さらに、組み立て工房では11月に打ち上げ予定の小型実験モジュールを見学
以上、詳しい模様はこちらやこちら、こちらへ【Photo: Roscosmos】
☆フォボス・グラントの延期について、ロシア宇宙科学研究所(IKI)が公式に認めたようです。詳しくはこちらへ
…報道取材に対するIKI所長の弁としてはっきりしたようですね。ロシア宇宙庁などの公式リリースはまだ出ていません。
☆情報筋によると、ロシアのフォボス・グラントミッションは、やはり2011年に延期とのこと。これに合わせ、中国初の火星探査ミッション「蛍火1号」も同年にずれる。
延期の理由は、組みたてとテストが遅れているため。予定されていた来月10月の打上に間に合わないとのこと。(下・分解図。採取した土はトップのカプセルに格納されますが、地球帰還時はブレーキエンジンもパラシュートも無しの、ハードランディング!)
フォボス・グラント探査機と蛍火1号はゼニットロケットで、来月6日〜16日の間に打ち上げられる予定だった。詳しくはこちらへ【Spceflight Now 09.20】
…ロシア宇宙庁の正式発表ではありませんが、今春に続き再度このような情報が流れてきたと言うことは、やはり本当に延期ということなのか…。今春の報道では、「極めて政治的なミッションなので、延期の発表はギリギリにぽっとでて、その理由はうやむやにされるのではないか」という観測が出ていましたが、やはりそのような流れのようで…?
☆今月30日、国際宇宙ステーション(ISS)へ向け、カザフスタン・バイコヌール宇宙基地よりソユーズTMA16宇宙船が打ち上げられる。NASA・TVではこの実況中継と関連コンテンツを放映する。
ソユーズTMA16に搭乗するのは、マックス・サーエフ(船長・写真右)、ジェフ・ウィリアムズ(フライトエンジニア・中央)の各飛行士および宇宙旅行者ギー・ラリベルテ氏(左)の3名。リフトオフは30日午後4時14分(日本時)が予定されている。
ラリベルテ氏はカナダ人で、同国のエンターテイメント会社「シルク・ドゥ・ソレイユ」の創始者である。これはロシア宇宙庁との契約に基づき行われる旅行飛行。
ソユーズは来月2日午後5時36分、ISSにドッキングする予定となっている。
NASA・TVによる主な関連プログラムは、(全て日本時)
29日午前1時
バイコヌール宇宙基地におけるロケット組立とロールアウトのダイジェストビデオ。
30日午前1時
打ち上げ前の記者会見、ロシア国会委員会の録画
30日午後2時45分
打ち上げ前活動と射点到着の録画
30日午後3時30分
打上中継(リフトオフは午後4時14分予定)
10月2日午後5時
ソユーズISSドッキング中継(ドックは午後5時36分予定)
詳しくはこちらへ【NASA 09.15】
☆ゲストブックに掲載しておりますが、こちらでもご紹介します↓
フォボスグラント動作シークェンスのアニメです。
http://www.youtube.com/watch?v=u2zLR4bLFL0
軌道修正やサンプリングの、この上ない繊細さ。
なのに、その豪快粗暴極まりない地球着陸方法にコケそうになります。(30代・男性J様・09.13.09)
…このような動画が出ていたとは!ロスコスモスによる公式PVのようですね。モスクワ航空ショーとかでも放映されたのでしょうね。ドリルで彫り込んでソーセージを作る土壌サンプリングは、ルナサンプルリターンと同じかと思われます。ロボットアームで土壌分析もやるとは…なかなか複雑なミッション…ますます楽しみですが…大丈夫なのか…?最後の地球ランディングは…ロシアっぽいというか…(管理人)
☆先月26日、ロシアの宇宙開発公団「S・P・コロリョフ ロケット・アンド・スペースコーポレーション・エネルギア」(エネルギア社)が設立63周年を迎えた。
(記念式典が行われ、モスクワ郊外・コロリョフ市にあるエネルギア社の正面玄関で記念撮影が行われました)
エネルギア社は1946年の同日に設立された第1設計局(OKB−1)を起源とする。OKB−1のトップを務めたのはセルゲイ・P・コロリョフ(1907−1966)。コロリョフの死後、彼の主席補佐だったワシリ・ミーシン(1917−2001)が後を継ぐが、1974年に失脚。コロリョフと対立していたワレンティン・グルシュコ(1908−1989)が自身の設計局(OKB−456)と合併、新生「エネルギア公団」と改名して後を継いだ。
1991年、名称が「S・P・コロリョフ・ロケット〜」に変更され、現在に至っている。
同社は言うまでもなく、ソ連/ロシアの有人宇宙飛行を主導してきた、宇宙開発史でも重要な公団である。詳しくはこちらやこちらへ【Energia 08.26】
☆8月18日〜23日、モスクワで航空ショー「MAKS-2009」が開催されましたが、そこでは火星探査機「フォボス・グラント」のモックも展示されていました(↓)。
フォボス・グラントは、火星の衛星フォボスに着陸し、土を採取して地球に持ち帰るという極めて野心的で魅力的なミッション。中国の火星探査機もロケットに相乗りするんでしたっけ。今年秋に打ち上げということで進められているはずですが…現物はできあがったのだろうか?ちょっと前には、一部メディアで「打ち上げは延期」という報道がなされ、ロシア宇宙庁がそれを公式に否定するという騒動がありましたが…。
そろそろ火星へのウィンドウが開けるころかと…【photo: НПО им. С.А. Лавочкина】
☆2005年に設立され、英マン島に社籍を置く宇宙旅行会社「エクスカリバー・アルマヅ」社は18日、商業ベースの宇宙オービタル飛行を行うことを発表した。宇宙船にはロシアの「アルマヅ」宇宙船の改良版を用いる。
同社のプランによると、早ければ2013年にもオービタル飛行を開始するという。同社のサイトはこちら。プレスリリースはこちらへ【Excalibur Almaz 08.18】
…アルマヅはロシアのNPO Mashinostroyenia(ソ連時代のチェロメイ設計局)が開発した、往復宇宙船とステーションがワンセットになったものです。たしか堀江氏も、エクスカリバー社に参画するという形で宇宙旅行をだったかと。現在同社が組んでる日本企業は有人宇宙システム(株)のようで…(参画企業一覧はこちら)。
☆国際宇宙ステーション(ISS)のコンポネンツである「MRM−1」と「MRM−2」の製造が、ロシア・エネルギア社で急ピッチで進められています。
MRM−1は来年5月、シャトル「アトランティス」(STS−132)でISSに運ばれることになっています。このモジュールは、後に打ち上げ予定の「多目的実験モジュール」(MLM)で使用される機材、ロボットアームのスペアパーツ、それにラジエターなどが詰められるコンテナです。また、MRM−2は今年11月に打ち上げられる予定のプログレスで運ばれるモジュールで、「ピールス」と同様、ドッキングポートやエアロックとして機能するものです。
組み立て中のMRM−1
ロボットアームが取り付けられます
こちらは、MRM−2。これは6月の時点で既に完成しており、6月16〜17日には飛行士達へのお披露目もありました。これには野口・古川両飛行士も参加しています。写真はその時の一コマ…
神妙な面持ちで解説を聞くクルー
(管理人は背後のシャトルモックが気になるところですが…)
大きいサイズはこちらやこちらへ【Energia 08.07】
☆ホンコンに本社を置く「アジア・サテライト・テレコミュニケーション」社の通信衛星「アジアサット5」が、日本時間12日午前4時47分、カザフスタン・バイコヌール宇宙基地よりプロトン・ブリーズMロケットで打ち上げられました。
詳しくはこちら。打ち上げを担うILS社の打ち上げブログはこちら。【Spaceflight Now 08.11】
☆相次ぐ韓国初の宇宙ロケット「羅老」の打ち上げ日程が何度も延期されている中、さまざまな疑問が浮上している。
まだ十分に開発されていないロシアのロケットを導入したのではないかという指摘だ。
これが事実なら、「2億ドルの国民税金を投じてロシア製ロケットの開発試験場の役割をする格好になる」という批判を免れるのは難しくなる。
教育科学技術部と韓国航空宇宙研究院は7日、ソウル世宗路(セジョンノ)教育科学技術部で行った記者会見で、こうした疑惑に対する釈明をした。 教育科学技術部はこの席で「最近の燃焼試験で現れたエンジン補助ポンプの問題は無視できるほど軽微なものだという分析の結果を事業パートナーのロシア側から伝えてきた」と説明した。 「ロシアは14日から16日の間に打ち上げればよいと提案してきた」と付け加えた。 しかしこうしたロケットに打ち上げ過程で問題が発生した場合、両国開発当局のずさんな事業管理が俎上に載せられることになる。 世間の疑惑は▽開発が不十分なロケットの導入▽エンジン燃焼試験の省略▽共同開発による技術移転可否−−などだ。
◇未完のロケット?=商用ロケット開発の傍点を打つには、エンジン段階の燃焼試験、地上・宇宙環境下での燃焼・飛行試験を終え、安定した性能が確保されていなければならない。
しかし「羅老」の第1段ロケットは同種モデルで一回も飛行試験が行われていない。
韓国で初めてすることになるのだ。 匿名を求めた専門家らは「第1段ロケットを2億ドルも支払ってその飛行試験までしてあげる格好だ。
国際宇宙科学界ではミステリーのような取引だと話している」と伝えた。 これに対し航空宇宙研究院のパク・ジョンジュ発射体体系事業団長は「羅老の第1段ロケットは開発が完了したものだ。
第1段ロケット2基を導入するが、2基のうちの一つでも問題が生じれば、もう1基が無条件に導入される」と述べた。
羅老はロケット2基を順に導入し、最初の打ち上げ後、成否に関係なく9カ月以内にもう1基を必ず打ち上げることになっている。
韓国が発射体を分解して技術を得るのを防ごうという措置だ。 ロシアの立場では、最初の打ち上げで問題が発生すれば、その期間に問題を改善する時間を稼ごうという意味と解釈される。
◇燃焼試験の不足=第1段ロケット開発関連企業のホームページにはロシア側の燃焼試験日である7月30日の試験結果が掲示されている。
しかし羅老のエンジンの名前だと航空宇宙研究院が明らかにした「RD-151」ではなく「RD−191」と「URM−1」という名前が書かれている。
さらに「エンジンを開発中で、燃焼試験は9月初めと年末に追加で2回行う」という内容がある。
これはロシアが第1段ロケットがまだ開発されていないという傍証と解釈される。
これに対しパク団長は「燃焼試験をした第1段ロケットはモデル名が違うだけで、試験の結果を見れば羅老の第1段ロケットであるのは確実」と明らかにした。
しかしさらに2回の燃焼試験を行うという点は「開発会社の秘密なのでよく分からない」と述べた。
◇本当に共同開発?=以前に航空宇宙研究院は「第1段ロケットをロシアと共同開発している」と広報していた。
このため「羅老」の打ち上げが成功すれば、自国の手で開発した発射体で、自国の宇宙センターで、われわれが開発した人工衛星を打ち上げた国になる、と伝えられた。
この日のブリーフィングではこの問題が取り上げられた。 果たしてどこまでの共同開発で、どれだけ技術の移転を受けられるのかという問題だ。
李柱鎮(イ・ジュジン)航空宇宙研究院長は「第2段固体ロケットとロシアの第1段ロケットを組み立てて全体のロケットを作るため発射体の共同開発というのは合っている。
しかし第1段は全的にロシアが開発する」と説明した。 第1段ロケットには韓国が手をつけられないということだ。
当然、技術も全く移転されない。 羅老は韓国で2度(失敗した場合は3度)打ち上げれば、その後は国内でロケットの打ち上げが見られない。
発射体の核心は第1段ロケットだが、国内で羅老と同じモデルを開発する能力がないからだ。
予想したくもないシナリオだが、仮にロケット打ち上げ中に爆発する場合、韓国がその破片を回収することはできないという。
ロシア側が回収を引き受けるということだ。 破片の回収過程で技術が流出しうるというロシアの懸念のためと考えられる。
▽「羅老」第1段ロケット=「羅老」は第1段と第2段ロケットで構成されている。
国産科学衛星を宇宙に打ち上げる役割をする。 全長33.5メートルで、 第1段ロケット(25.8メートル)は「羅老」の核心中の核心。
宇宙開発は第1段ロケットの技術がなければ不可能。 韓国はロシアから全羅南道高興(チョンラナムド・コフン)の羅老宇宙センター建設技術と第1段ロケットを導入した。
【中央日報 08.09】
☆25日、女性が始めて船外活動(宇宙遊泳)を行って丸25周年を迎えた。
1984年7月25日、当時ソ連の宇宙飛行士スベトラナ・サビツカヤ(写真)は船外活動用宇宙服に身を包み、宇宙ステーション「サリュート7」の外に出て、ウラジミール・ジャニベコフ飛行士と共に3時間55分の船外活動を行った。この活動では溶接実験が行われ、30キロの電子ビーム照射装置を用いて切断やハンダ付け、溶接などが実行された。
サビツカヤ飛行士は同年7月17日、ソユーズT−12宇宙船で、ジャニベコフおよびイゴール・ボルク飛行士らと共にサリュート7へ向かった。彼女は82年の初飛行以来、2度目のフライトだった。
彼女らは短期滞在型ミッションでサリュートへ向かったのであったが、通常の短期滞在が1週間前後であるのに対し、彼女らは約12日間というやや長めの滞在を行った。サリュートへは18日にドッキングし、29日に地上へ帰還している。詳しくはこちらへ【Roscosmos 07.25】
…ちなみにボルク飛行士はソ連版シャトル「ブラン」に搭乗する飛行士チームのトップを務めており、このフライトが終わった直後、ミグやツポレフを操縦、宇宙滞在が能力に与える影響の調査とデータ取得が行われました。
☆モスクワ時間24日午後2時57分(日本時間同午後7時57分)、バイコヌール宇宙基地・ガガーリン発射台より、無人貨物宇宙船「プログレスM−67」が打ち上げられた。全ては順調で、29日に国際宇宙ステーション(ISS)とドッキングする予定。
打ち上げ準備は粛々と進められました
気化した液酸が逃げ出しています…なるほどこうなっているのか…。機体は霜で真っ白に。
リフトオフ!!
その他の画像はこちらへ【Roscosmos 07.25】
☆カザフスタン・バイコヌール宇宙基地では、今月24日に国際宇宙ステーションへ向けて打ち上げが予定されている無人宇宙貨物船「プログレスM−67」の準備が着々と進んでいます。22日にはNo112組み立て工房から運び出され、射点へと据え付けられました。
その他の画像はこちらへ【Energia 07.22】
☆13日、カザフスタン・バイコヌール宇宙基地では、今月24日に打ち上げ予定のプログレスM−67無人貨物宇宙船に燃料充填の決定が下されました。(下・バランステストと計量が行われているところ)
このプログレスは旧型のプログレスM(11F615A55)としては最後のものになります。今後は既に2機飛行している新型プログレスM(11F615A60)に取って代わられます。その他の画像はこちらへ【Energia 07.13】
☆日本時間27日午後7時34分53秒、ソユーズTMA−15宇宙船が打ち上げられました。全ては順調で、29日に国際宇宙ステーションにドッキング予定です。
恒例の宣誓式に臨むクルー。カメラが周りを取り囲みますが…これもまた、感無量な瞬間でしょうね^^
リフトオフ!!第1発射台、通称「ガガーリン発射台」から離陸しました。ここは写真撮影用に設けられた場所のようで、青いプレートにはガガーリンのポートレイトと「ガガーリンスキー・スタルト」(ガガーリン・スタート)と記されています。ロシア語でロケット発射は“スタート”と表現します。
その他の画像はこちらへ【Roscosmos 05.27】
☆カザフスタン・バイコヌール宇宙基地。日本時間27日午後7時34分、ソユーズTMA−15宇宙船が国際宇宙ステーション(ISS)へ向けて打ち上げられます。搭乗するのはロマン・ロマネンコ(船長、露)、フランク・ディベナ(フライトエンジニア、ベルギー)およびロバート・シルスク(フライトエンジニア、カナダ)の3飛行士で、彼らがISSに合流することで6人運用体制に入ります。
24日、基地の組み立て工房でソユーズシステムが完成しました。
ロケット、ロールアウト。強風のため予定が数時間遅れたようですが、無事に射点に到着しました。(その他の画像、こちらやこちらへ)
射点に据えられたロケットには、無事を願って神父が祈りを捧げます。
聖水をあちこちにかけているようで…
ロシア正教会でしょうか。昔から宇宙開発現場では験担ぎにかなり神経質だったロシアですが、ソ連時代にはこのような聖職者の出番はなかったでしょうねぇ(?)。普段のリリースではあまり見れない射点の内部もよく見えています(その他の画像)。
25日に行われたクルーによる恒例の植樹。(その他の画像)
打ち上げの無事を祈りましょう!【photo: Roscosmos】
☆今月27日の打ち上げを目前に、ソユーズTMA−15宇宙船のクルーらがバイコヌールで訓練とチェックに臨みました。
ソユーズTMA−15に乗り込むのはロマン・ロマネンコ(船長、露)、フランク・ディベナ(フライトエンジニア、ベルギー)およびロバート・シルスク(フライトエンジニア、カナダ)の3飛行士。彼らが国際宇宙ステーションに合流することで、ついに6人運用体制に入ります。
エンジニアらから説明を受けるクルー
ソユーズ帰還カプセル内のクルー。この時点では宇宙服を着ないで各種チェックを行っています。
この後、船内宇宙服の着用チェックなどが行われました。詳しくはこちらへ【Roscosmos 05.17】
ちなみに下は、TMA−15クルーのミッションパッチ。これをデザインしたのは15歳のユーラ・メンケビッチ君。そもそも前機TMA−14ミッションのパッチでデザインコンテストが行われ、メンケビッチ君はそれに応募していたのであったが、ロマネンコ飛行士の目に留まり、「これは自分のフライトに完璧だ」と即チョイスしたのだという。
詳しくはこちらへ【Image: Mosnews】
☆日本時間16日午前9時57分、カザフスタン・バイコヌール宇宙基地より、カザフの放送衛星「プロトスター2」を搭載したプロトンロケットが打ち上げられた。全ての行程は順調で、打ち上げは成功した。
詳しくはこちらやこちらへ【Roscosmos 05.16】
☆先日ISSへ向けて打ち上げられた無人貨物宇宙船「プログレスM−02M」が、13日午前4時24分(日本時)、ISSに無事到着した。【Roscosmos
05.12】
☆日本時間8日午前3時37分、カザフスタン・バイコヌール宇宙基地より国際宇宙ステーション(ISS)へ向けた無人貨物宇宙船「プログレスM−02M」が打ち上げられ、軌道投入に成功しました。
プログレスには合計2.5トンを超える食糧や水、燃料、新型宇宙服、それにISSクルーへの手紙などが搭載されています。
満月間近の月が夜空に輝いています
リフトオフ!!
ISSには日本時間13日早朝にドッキング予定。詳しくはこちらへ【Roscosmos 05.07】
☆先日、一部電子メディアで報じられたロシアの「フォボス・グラント」ミッション遅延の可能性に関し、ロシア宇宙庁はそれを否定する声明を発表した。
それによると、予定されていた通り今年中に打ち上げるとのこと。詳しくはこちらへ【Roscosmos 05.05】
☆カザフスタン・バイコヌール宇宙基地では、今週8日(日本時間)に打ち上げ予定の無人貨物宇宙船「プログレスM−66(M−02M)」の準備が着々と進んでいます。5日早朝には、射点に据え付けられました。
基地の組み立て工房で、宇宙船と打ち上げロケットとの組合せが行われました。
機関車が力強く押します
射点に到着。この後ジャッキアップされてセット
プログレスは日本時間8日午前3時37分に打ち上げ予定です。大きいサイズなどはこちらやこちらへ【Energia 05.04】
☆カザフスタン・バイコヌール宇宙基地では、国際宇宙ステーションに向けた無人補給宇宙船「プログレスM−02M」の準備が続けられています。
プログレスは5月8日早朝(日本時)の打ち上げが予定されています。詳しくはこちらへ【Energia 04.29】
☆ロシアが開発を進めている月探査機「ルナ・グロブ」は2012年の打ち上げが予定されているが、それが難しい状況にあることが明らかとなった。ハードウェアの開発状況と予算の問題があるという。
合わせて、今年10月の打ち上げが予定されている「フォボス・グラント」も、遅延が避けられない状況が迫っているようである。
ルナ・グロブはロシアが33年ぶりに月へ向けて打ち上げる探査機となる。ペネトレーターを8本搭載し、さらに球形の軟着陸機も搭載する予定となっている(下)。
ペネトレーターには地震計が搭載されている。地震を観測することで内部構造を詳しく把握することが可能となる。
今年5月から6月にかけて、ロシア政府と開発担当のラボーチキン社との間で、ミッションの精査が行われることになっているが、それに先駆けて流れてくる情報によると、何らかのハードウェアの開発で困難に直面しているようである。2012年のタイムラインを守るためには、ペネトレーター&ランダーの仕様変更もあり得ることが示唆されている。
一方、火星の衛星「フォボス」のサンプルを採取し持ち帰るという「フォボス・グラント」も遅れが出ているという。どうやら遅延は不可避の状態にあるようで、次のロンチウィンドウである2011年末〜12年初めにずれ込むことになりそうである。
「このフォボス・グラントは政治的圧力の高いミッションのため、担当者らは最後のギリギリの段階で遅延を認め、詳細は闇の中ということになるのではないか」と関係者は語っている。詳しくはこちらへ【Spaceflight Now 04.26】
☆北朝鮮訪問を終えたロシアのラブロフ外相は24日、ソウルで記者会見し、同国が自国領内から北朝鮮の人工衛星打ち上げに協力する用意があると表明した。インタファクス通信などが伝えた。
同外相は「ロシア製ロケットによる人工衛星打ち上げで韓国を含む多くの国と協力しており、北朝鮮とも同様の協力を行う用意がある」と述べた。
同外相は、北朝鮮との交渉でこうした協力の可能性を伝えたとし、提案が検討されるよう期待すると語った。【時事
04.24】
☆人類初の宇宙遊泳を成功させたロシアのアレクセイ・レオーノフ氏(74)が、今月12日、心臓発作に見舞われ救急隊の処置を受けていたことが明らかとなった。
ガガーリンが初飛行を成功させたこの日はロシア各地で記念行事が行われたが、モスクワのクレムリンではメドヴェージェフ大統領臨席のパーティが催され、レオーノフ氏はこれに出席している。(写真・右から2番目がレオーノフ氏。この式典では彼以外にも黄金時代の宇宙飛行士が出席し(右端・テレシコワ)、将来のロシア宇宙開発について危機感を表明している。詳しくはこちらへ)
同氏は近年体調、特に心臓の調子が思わしくなく、バイパス手術も受けている。これにより強い発作は治まったとされていたが、今年2月中旬に強い発作を起こし、駆けつけた救急隊によって一命を取り留める事態に見舞われていた。詳しくはこちらへ【Life.ru 04.13】
☆12日、人類初の有人宇宙飛行成功48周年を迎えたロシアでは、各地で記念行事が催された。
1961年4月12日、ソ連(当時)のユーリ・アレクセイビッチ・ガガーリン飛行士はヴォストーク1号宇宙船に搭乗。モスクワ時間午前9時7分、バイコヌール宇宙基地より打ち上げられた宇宙船は周回軌道に投入され、地球を一周した後、ガガーリン飛行士は地上に帰還した。
飛行時間は約108分。地球を一周しただけで、彼自身も何か特別なことをしたわけではなかったが、人類史に永遠に刻まれた偉業である。
一方、ソ連宇宙開発を主導し、ガガーリンの初飛行を達成させたセルゲイ・パブロビッチ・コロリョフも人類の宇宙開発史に輝く一人だ。
下は、コロリョフの墓に献花する、ロシア宇宙庁のペルミノフ長官以下、重鎮達。コロリョフ、そしてガガーリンはクレムリン壁に遺灰が収められているが、これはソ連時代の最高の葬礼。この日を記念して彼らの墓前に献花が行われたのであった。
下・集まったのは、コロリョフのご息女、その娘、そしてその子供達(…つまりコロリョフのひ孫!)(詳しくはこちらへ)
ロシアはガガーリンの成功以来、有人宇宙飛行、特にステーションをベースとした宇宙長期滞在に抜きん出た業績を挙げてきたが、時代の流れに沿うように、新たな時代へと入りつつある。
先日、ロシア宇宙庁はソユーズ宇宙船の後継機の開発において、その初期設計をエネルギア社に委ねることを決定した。同社にはこの開発資金として、8億ルーブルが提供される。
この宇宙船はソユーズよりも大型のもので、有人月飛行にも耐えられる仕様が要求されている。この開発を任せるにあたり、ロシア宇宙庁はエネルギア社とフルニチェフ社の2社を検討し、前者に決定したのである。
一方、極東のアムール州に建設が予定されている新宇宙基地は2010年に施工し、2015年に宇宙船の無人での初打ち上げ、そして18年に有人飛行を開始することが目指されている。
なお、新型宇宙船の名前についてエネルギア社のロポタ社長は、今のところそれを「ロシア」(Русь)と呼んでいるが、いずれ洗練されていくだろうと述べた。詳しくはこちらへ【Roscosmos 04.12】
☆国際宇宙ステーション(ISS)第18次長期滞在クルーのマイク・フリンケおよびユーリ・ロンチャコフの両飛行士、並びに宇宙旅行者のチャールズ・シモニー氏の3名が、ソユーズTMA13宇宙船でカザフスタンに無事帰還した。(下・きれいにパラシュートを開いて降下する帰還カプセル)
フリンケ飛行士は、往路も復路も共にソユーズで飛行した初めての米国人となった。詳しくはこちらへ【NASA 04.08】
☆今月7日に予定されていたソユーズTMA13宇宙船の帰還が、1日延期されて8日となった。ロシア宇宙庁が3日発表した。
これは、着陸予定地点が春の雪解けでぬかるんでいるため。予定を1日遅らせると共に、着陸地点も変更された。予定では8日午後4時(日本時間)、カザフスタン・ジャスカズガンの北東に着陸することになっている。詳しくはこちらへ【SpaceDaily 04.03】
☆下は、先月24日のバイコヌール宇宙基地・ガガーリン射点。ロケットが到着する直前の風景です。
とても印象的な瞬間ですね(大きいサイズ) 下は、運ばれるソユーズロケット。これもまた、よい一枚ですね^^
大きいサイズはこちらへ【photo: NASA】
☆モスクワにあるロシア科学アカデミー生物医学問題研究所は31日、将来の有人火星飛行に備え、ロシアと欧州の男性6人を模擬宇宙船に隔離し、人間の精神状態や身体への影響を調べる実験を始めた。
今回の実験は105日間だが、年末にも火星への往復を忠実に模倣する520日間の本実験に着手する方針。「火星」に近づくにつれて「地上管制室」との交信は最大で片道20分遅れとなり、6人は併設された「着陸船」に乗り移った後、火星表面に似せた模擬施設に降り立つことになる。
「船長」のセルゲイ・リャザンスキーさん(34)は乗船を前に「素晴らしいチームで、精神的な問題はない」と任務遂行に自信を表明。6人が船に乗り込んだ後、扉が固く閉められた。
火星飛行の実現には、宇宙放射線による被ばく対策などの技術的な課題以上に、飛行士が地球から遠く離れた長期間の閉鎖生活に耐え、チームワークを保って自力で問題に対処する精神力を持つことが重要だといわれる。このため、わざと機器の故障などの「緊急事態」を起こし、乗組員の反応を調べる。【中日新聞
03.31】
…下は欧州宇宙機構(ESA)が公表した実験施設。クルーの写真などこちらへ
☆下は、26日に打ち上げられたソユーズTMA−14宇宙船に乗り込んだクルー達。船内宇宙服を着込み、会見に臨みます。この後、射点へ移動…
ソユーズ打ち上げと飛行を監督する委員会の委員長(クルーから見て右。彼はロシア宇宙庁長官でもあるペルミノフ氏)と、エネルギア社のロポタ社長(同・左)に対し、宣誓を行うところ。この後ロケットに乗り込みます。
轟音と共に飛び立つソユーズ!一度、見てみたいですねぇ。
公式リリースとその他の画像はこちらへ【Energia 04.26】
☆21日、バイコヌール宇宙基地では6人の飛行士達が種植えをしました。飛行士達はソユーズTMA−14宇宙船で国際宇宙ステーション(ISS)へ向かうゲンナジー・パダルカ、マイケル・バラット飛行士および宇宙旅行者のチャールズ・シモニー氏の3名と、彼らのバックアップクルー。
この種植えは飛び立つ前の飛行士達が行う慣例行事です(詳しくはこちらへ)。
一方、TMA−14宇宙船の準備も進んでいます。下は、20日、宇宙船にフェアリングが被せられたところ。エンジニア達が集まって何やら検討を(?)(その他の画像はこちらへ)
この日、クルーらはバイコヌール展示館を見学していました。
下は何でしょう…初期の頃の発射管制卓ですかねぇ^^?
その他の画像はこちらへ【Roscosmos 03.20】
☆9日、人類で初めて宇宙飛行を行ったユーリ・アレクセービッチ・ガガーリンの生誕75周年を迎えた。これを記念して、ロシアの関係機関は声明を発表したり、展示を行ったりした。
ガガーリンは1934年3月9日、モスクワの西、クルスノという村に生まれた。1961年4月にヴォストーク1号で宇宙飛行を成功、全世界に配信された彼の笑顔に世界は虜となったが、あれからもう半世紀近くが経過する。68年3月の事故で他界したが、今もし生きていれば75歳の彼に会うことができたはずである。(下は記念展示の一例。その他詳細はこちらへ)
ロシア宇宙開発の黄金時代を生きたゆかりの人々もコメントを寄せている。
「ガガーリンはバレーとバスケのキャプテンで、わが国で水上スキーを初めて体験した一人だった。プロのアスリートでもこうはいかないだろう」…アレクセイ・レオーノフ
「客人に対しとてももてなしのよい人物だった」…パベル・ポポビッチ
「もし他人だったら、そのチョイスは痛恨のエラーだったことだろう」…アレクセイ・グバレフ(ガガーリンを選んだコロリョフの選択について)
詳しくはこちらへ【Roscosmos 03.09】
☆1965年3月、史上初の宇宙遊泳(船外活動)を成功させたロシアのアレクセイ・レオーノフ氏が17日、心臓発作に見舞われたが、適切な処置により一命を取り留めていたことが報じられた。
これはロシアのLife.ruが報じたもの。現在74歳のレオーノフは最近体調が思わしくなく、発作が起きると即座に救急隊が呼ばれたという。
幸いにも、処置は適切で、レオーノフは一命を取り留めた。身内も安心しているが、今後もモニタリングは継続されるという。医師達は帰る際、症状に関する専門家にかかるよう、彼の妻に強く勧めたという。
昨秋、レオーノフは強い心筋梗塞に見舞われ、約3週間にわたり集中治療室にあった。手術が行われ成功したが、心臓の動きには注意が必要な状態にあったという。詳しくはこちらへ【Life.ru 02.18】
☆軌道上で2基の衛星どうしが衝突するという事態が発生した。
これは、通信衛星「イリジウム」(下)が、ロシアのコスモスと見られる衛星と衝突したもの。イリジウムは約66基の通信衛星群からなる通信衛星サービス網だが、そのうちの1基が10日、突然機能を停止した。イリジウム社によると、その後の調べて、機能していないロシアの衛星と衝突したことが判明したという。
衝突は北シベリア上空790kmで発生、無数のデブリが発生したことが確認されている。このデブリが国際宇宙ステーション(ISS)に影響を与えることはないと考えられているが、他の軍事・民間衛星に対する影響はまだはっきりしていない。ただ、例えば高度700km付近には米国の地球観測衛星などがあり、そのような衛星への影響の調査・対応を早急にしているという。なお、もっと高度の低いISSの軌道までデブリの一部が飛び込んで来る可能性もあるが、確率は非常に小さいものとみられている。
衝突を起こしたのはイリジウム33とコスモス2251で、前者は97年に打ち上げられた560kgの衛星で、後者は93年に打ち上げられ、重量900kg。500以上のデブリが飛散し、大きなデブリ雲として観測されているという。
衛星へのデブリの衝突やニアミスなどはたまに発生しているが、衛星どうしが激突したのは今回が初めてのケースとなる。詳しくはこちらやこちらへ【Spaceflight Now 02.11】
☆カザフスタン・バイコヌール宇宙基地より国際宇宙ステーションに向けて、無人貨物宇宙船「プログレスM66」が打ち上げられました。貨物は全2.4トン。
リフトオフは現地時間午前8時49分46秒(日本時間午後2時同)。迫力あります!その他の画像はこちらへ【Energia 02.10】
☆カザフスタン・バイコヌール宇宙基地で8日早朝(現地時間)、国際宇宙ステーション(ISS)へ向けて打ち上げられる無人貨物宇宙船「プログレスM66」が射点へと設置されました。
ロールアウトは現地時間・午前6時。暗闇の中をロケットが運ばれていきます。
相当寒そうです。。
打ち上げは12日が予定されています。他の画像はこちらへ
一方、下は11日に打ち上げが予定されているプロトンMロケット。白銀の世界を、まっすぐ射点へと運ばれていきます。
このロケットでは2機の通信衛星が打ち上げられます。詳しくはこちらへ【Roscosmos 02.08】
☆ロシア宇宙庁のアナトリー・ペルミノフ長官は21日、ロシアがソユーズ宇宙船とISSを利用して行ってきた民間人宇宙飛行を、今年いっぱいで終了させる見込みであることを明らかにした。
これは同長官がインタビューに応じて答えたもので、最後の民間人宇宙飛行は今年3月、チャールズ・シモニー氏のそれになるという。一方、今年秋のソユーズフライトではカザフの飛行士が搭乗することになると明言した。
そもそもロシアの富豪が宇宙旅行に挑戦するのではないかと言われていたが、結局これはなくなったようである。宇宙庁は既に、ロシア人民間人が今年秋に飛ぶことは無く、代わりにカザフ人飛行士が行くことになるだろうと表明していたが、これが確定したものと言える。
また、「目下、世界規模の金融危機に見舞われているが、宇宙ロケットの打ち上げキャンセルは一切無いだろう」と述べた。
国際宇宙ステーション(ISS)は6人態勢での運用が間近に迫っている。ソユーズおよびプログレス貨物船の重要性は増しており、民間人を乗せる余裕はなくなるものと観測されてきた。詳しくはこちらへ【SpaceDaily 01.21】
☆忘れかけていましたが、2日はソ連がルナ1号を打ち上げてちょうど50年。この衛星は月面インパクトを目指して打ち上げられましたが、打ち上げ時の誤差で外し、月面のそば6000kmのところをかすめて行きました。
衛星はその後、太陽周回軌道に入り、“人工惑星”となりました。人類初の人工惑星と言えます。
ソ連宇宙開発を主導していたセルゲイ・コロリョフは特に月に対する思い入れが強く、衛星を「メチータ」(夢)と呼んでいました。詳しくはこちらへ【管理人 01.04】