ロシアの話題から 2008

期間: 2008年 注)全てを記載しているわけではありません。。

ロシア政府は25日、カーナビゲーションなどに活用される位置測定システム「グローナス」の衛星3基をカザフスタンのバイコヌール宇宙基地から打ち上げた。

これによりロシアの測位衛星は20基となり、地球上のほぼ全域をカバーする態勢が整った。グローナスは、米国の全地球測位システム(GPS)独占状態に風穴を開けることを狙ったもので、「一極支配」に対抗するロシアの国家戦略とも密接に結びついている。

システムの開発担当者によると、今回の打ち上げにより測位に必要な信号を受信できる範囲はロシア全域を含め、地球全体の約98%に広がる。2010年には予備を含め24基の衛星を軌道に乗せシステムを完成させる。

ロシアは米国同様、国際社会にグローナスを無料開放するが、利用者をいかに増やすかが課題だ。ロシアでもカーナビはGPSが一般的で、グローナス端末は軍用で1万5000台、民生用で2万台しか普及していない。価格とサイズでGPSに対抗できる端末の開発も遅れているからだ。

こうした中、ロシア政府はシステム普及の前面に立つ。今年8月には、航空機や船舶、列車に10年以降、グローナスか、グローナスとGPSを併用できる端末の装備を義務づける政令を出した。将来は、乗用車にも推奨する可能性がある。

また、今夏にはベネズエラやキューバを訪れたロシア政府の代表団がグローナスを売り込んだ。インド政府も関心を示している。

グローナスは冷戦期の1980年代、旧ソ連がミサイル誘導などの軍事目的で開発に着手し、ソ連崩壊後の95年に軍民両用システムとして一度は完成した。ただ、衛星の寿命は3年間と短いのに、国内混乱で後継機を打ち上げられずシステムを維持できなかった。2001年にプーチン大統領(当時)の命令で、システムの再構築が始まった。文字通り国策プロジェクトだ。

ロシアは、非常時に米国がGPSの信号を停止する可能性や、一つのシステムに依存する危険性を指摘し、グローナスをPRする構え。ナビ市場でも米国との勢力争いを仕掛ける形だが、GPSの世界支配を崩すのは容易ではなさそうだ。【読売 12.26】

ロシア宇宙庁は18日、来年のロケット打ち上げ予定数を39と発表した。

内訳はソユーズ有人宇宙船が4、プログレス貨物船が5、プロトンロケットによる通信衛星が2、ロシア版GPS「グロナス」衛星が2、国内通信衛星が17、気象および海洋観測衛星が2、早期警戒衛星が1、惑星探査などの天文衛星が6となっている。

詳しくはこちらへ【SpaceDaily 12.23】

ロシアは来月1月29日、太陽観測衛星「コロナス・フォトン」を打ちあげると発表した。ロシア宇宙庁が15日明らかにした。

この衛星は地球周回軌道へと打ちあげられ、太陽風と地球圏との相互作用を調べるのが目的。同国のコロナス計画で予定されていた3機の観測衛星のうち3機目で、前2機は1994年、2001年にそれぞれ打ちあげられ観測活動を行った。

詳しくはこちらへ【SpaceDaily 12.16】

来年12月にロシアの宇宙船「ソユーズ21」で飛行し、国際宇宙ステーション(ISS)に長期滞在する野口聡一宇宙飛行士(43)が5日、モスクワの日本大使館で記者会見し、ソユーズでの飛行について「乗組員の安全性に問題はない」との認識を示した。

ソユーズは昨秋と今春の飛行の際、危険な飛行とされる弾道モードで地球に帰還した。野口さんは10月の帰還の際には正常モードだったと指摘。さらに、05年7月に搭乗したスペースシャトルが、03年のコロンビア打ち上げ失敗事故後に再開された初飛行だったことを取り上げ「(当時と比較すれば)何でもないと思う」と語った。

野口さんは来年12月の飛行で、日本人飛行士として初めて「レフトシート」という船長補佐の役割を務める。宇宙船の操作に多くかかわるため、今後、操作に関する訓練を増やしていくという。

野口さんのバックアップ飛行士となる古川聡飛行士も同席し「しっかり訓練を積み、任務を全うするとともに、将来のミッションにつなげたい」と意気込みを語った。【毎日 12.05】

…レフトシート、いわゆるフライトエンジニアですね^^

インドを初訪問中のロシアのメドベージェフ大統領は5日、ニューデリーでシン首相と首脳会談を行い、戦略的パートナー関係を深化させることで合意した。両国は同日、民生用の原子力協力協定を締結、先にインドと同種の協定を結んだ米国、フランスに続き、インドの原子力発電産業に参入するための下地を整えた。

協定により、ロシアはインド南部タミルナド州のクダンクラム原発施設に、新たに原子炉4基を提供する。

同施設では旧ソ連時代の協定に基づき、ロシア製の原子炉2基を建設中。追加の4基建設は2007年1月にプーチン大統領が訪印した際に原則合意、原子力供給国グループ(NSG)による核技術・燃料の対印輸出規制解除を待っていた。NSGは9月に規制を解除し、フランスが同月、対印原子力協力に踏み切った。

両国はこのほか、有人宇宙飛行での開発協力をうたった合意文書に調印した。インドは15年までを目標に有人飛行を実現させたい考えで、この分野で多くの実績を持つロシアの協力に期待している。【時事 12.05】

NASAはロシア宇宙庁と、1億4100万ドルの補正予算追加で合意した。この資金は、2012年春までの国際宇宙ステーション(ISS)クルー輸送関連にあてられるものである。

これはソユーズ宇宙船に関する包括的な活動にあてられるが、必要な全ての訓練、打ち上げ準備、非常時のレスキュー、そして帰還時の諸経費も含まれている。目下、2012年までに、2011年秋に2機のソユーズでクルーがISSへと向かい、2012年春に帰還するミッションが予定されているが、これはISS計画遂行で必要とされる輸送にかなうものとされている。

詳しくはこちらへ【NASA 12.02】

ロシアの宇宙開発公団「エネルギア」は17日、国営貯蓄銀行「Sberbank」と29億ルーブル(1億600万ドル)の融資を受けることで14日に合意していたことを発表した。

このローンはプログレスおよびソユーズ宇宙船の建造資金とされる。

同社のヴィタリー・ロポタ社長は先に、政府の融資が現金不足で数ヶ月遅れていることを表明していた。同社長によると、宇宙船新造のための資金は国家予算から割り当てられ、建造初年度費となるものであった。ソユーズやプログレスの完成には2〜3年を要する。詳しくはこちらへ【SpaceDaily 11.18】

1988年11月15日午前3時(世界時)、ソ連(当時)はソ連版シャトル「ブラン」を打ち上げた。今年、その20周年を迎えた。

 

ブランは一見すると米のスペースシャトルにそっくりだが、ロケットシステムなど基本的に異なっている。例えば米シャトルは自身にメインエンジンを備えるが、ブランにはない。ブランは打ち上げロケット「エネルギア」に背負われて打ちあげられる。

そのシャトル「ブラン」はしかし、この時まだコックピットが完成状態では無かったため、無人で打ちあげられた。トラブルは無く、地球を2周して帰還した。

 

有人飛行を目的として製作されたシャトル型宇宙船で、無人で飛んだものは歴史の中でこのブランのみである。だがその後のソ連崩壊と経済難で、エネルギアロケット、そしてソ連版シャトルは二度と飛ぶことがなかった。

ロシア宇宙庁は20周年を記念した声明を発表している。詳しくはこちらへ【Roscosmos 11.15】

下は、12日に打ち上げられたソユーズTMA13宇宙船が射点に据え付けられるシーン。なるほど、射点の中はこのようになっているのですねぇ。

 
 
 

打ち上げ準備が完了すると、作業員が立つテーブルは左右のどちらかに動くのでしょうねぇ。下は外から見た射点。テラス構造で、向こう側に向けて排気が抜けるピットになっています。

 

       宇宙への道。ロケットが据え付けられる前の射点です。
 

大きなサイズなどはこちらこちらへ【photo: NASA】

12日にバイコヌール宇宙基地より打ち上げられたソユーズTMA13宇宙船は、14日午後5時26分、国際宇宙ステーション(ISS)にドッキングしました!詳しくはこちらへ【Spaceflight Now 10.14】

ロシア海軍は11日、バレンツ海で演習中の原子力潜水艦が潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)「シネワ」の発射実験を行い、成功したと発表した。

ミサイル発射実験は通常、極東カムチャツカ半島の標的に向けて行われるが、今回は初めて「太平洋の赤道付近」に標的を置いたとしている。発射実験はメドベージェフ大統領が視察した。

シネワは最終段階で巡航ミサイルになるため、米ミサイル防衛(MD)を突破する能力があるとされる。

同大統領は視察後、空母建造計画の策定を国防省に命じると表明した。大統領によると、1、2年後に建造に着手し、「2013−15年」には最初の新型空母が完成する見通し。ロシアは現在、空母を1隻しか保有しておらず、大統領は「空母建造は海軍発展の重要な分野だ」と強調した。【時事 10.12】

国際宇宙ステーション(ISS)へ向けて日本時間12日午後4時1分、カザフスタン・バイコヌール宇宙基地よりソユーズTMA13宇宙船が打ち上げられました。

 

     下は、宇宙船に乗り込む直前に行われた伝統の宣誓式。
 

タラップをあがって、エレベーターに乗る直前。ここでもお決まりの撮影を。エレベーターはかなり小さい箱のようですね。。
 

他の画像はこちらへ【Energia 10.12】

…ISSとのドッキングもライブ中継されるとのことです。ドッキングは日本時間14日午後5時38分が予定されています。

国際宇宙ステーション(ISS)へ向けて日本時間12日午後4時1分、カザフスタン・バイコヌール宇宙基地よりソユーズTMA13宇宙船が打ち上げられます。

この宇宙船には第18次長期滞在クルーであるユーリ・ロンチャコフ(下画像・中央)およびマイケル・フィンク(左)の各飛行士、それに宇宙旅行者であるリチャード・ギャリオット氏(右)が搭乗します。

 

エネルギア社によると、打ち上げはライブで中継されます(サイトこちら)。

今月9日、バイコヌール宇宙基地・エリア112(ソユーズ組立棟)で、ソユーズ打ち上げロケットと宇宙船の結合・組み立て作業が完了しました。

      フェアリングの先端に、エスケープロケットが装着されるところ
 

             ソユーズシステムが完成です
 

バイコヌール時間10日午前7時、ロケットが組立棟を射点へ向けて出発しました。この時間に搬出されるのは、ガガーリンボストーク以来の伝統です。
 
 

ロケットが射点に立ちました。現地、秋はとっくに過ぎ、初冬に入っています。この時期のカザフは最高10℃、最低0℃くらいの気温です。
 

詳しくはこちらこちらへ【Roscosmos/Energia】

2006年にロシアの宇宙船ソユーズへの搭乗直前に、医学検査で「飛行不可」とされた元ライブドア取締役の榎本大輔氏(37)が、搭乗を仲介したスペース・アドベンチャーズ社(米バージニア州)を相手取り、代金の返還を求める訴訟を起こした。ロイター通信が25日、伝えた。

インターネット上の雑誌「ワイヤード」に掲載された訴状によると、契約した費用は計2100万ドル(約22億4000万円)。うち700万ドルは宇宙遊泳の費用で、「できるといわれたが、実はロシア側との合意はなかった」としている。

さらに、「契約した費用の全額を支払った後も『もっと支払え』と迫られ、断ると『飛行不可』にされた」「代わりに搭乗した女性は同社の出資者だった」と指摘。2100万ドル全額を「だまされた支払い」と主張している。

同社は「宇宙飛行はリスクが高く、最初から何も保証はしていない」と反論している。【読売 09.26】

…ワイヤード・ヴィジョンの記事はこちら

モスクワ時間10日午後11時50分(日本時間11日午前5時30分)、カザフスタン・バイコヌール宇宙基地より無人宇宙貨物船「プログレスM−65」が打ち上げられ、無事軌道に乗った。この貨物船には水や食糧、酸素や船外活動用宇宙服などが詰め込まれている。【photo: Roscosmos】(その他の画像

                プログレス、スタート!
 

一方、この宇宙船は12日に国際宇宙ステーション(ISS)に到着する予定となっていたが延期になった。米側管制部のあるヒューストン・NASAジョンソン宇宙センターがハリケーン「アイク」の接近を受け閉鎖になったためで、ロシア側はプログレスをISSから少し離した軌道へ移して待機している。

新たなドッキング期日は17日が予定されているという。詳しくはこちらへ【NASA 09.11】

ロシア/ソ連のロケットエンジン生産を一手に担い、コロリョフ亡き後の宇宙開発現場をリードしたバレンティン・ペトロビッチ・グルシュコ(09.02.1908 - 01.10.1989)が2日、生誕100周年を迎えた。

ウクライナのオデッサに生まれた彼はSF、特にジュール・ベルヌの作品に強い影響を受け、宇宙飛行を志した。13歳の時、「宇宙開発の父」と称されるコンスタン・ツィオルコフスキーに手紙を書き、1ヶ月後に返信をもらっている。

オデッサにいた頃は不発弾から取り出した火薬で実験を行うなど、興味は具体的な行動となり、ツィオルコフスキーの理論を踏まえた月旅行コンセプトを雑誌に投稿するなど、積極的な少年であった。

1925年、レニングラード大学(現・サンクトペテルブルグ大学)に入学し、物理学を専攻するが、興味が沸かず、29年に中退したと伝えられている。31年、コロリョフが所属するGIRDに合流する。

1938年3月23日、KGBの前身であるNKVD(内務人民委員部)に逮捕、翌年までに矯正収容所8年の刑を受けた。この時、コロリョフを告発したと言われており、これが両者の関係を引き裂いたのはよく知られているとおり。

1944年に釈放されると、ロケットエンジンのリーダーとしてソ連のミサイル開発に関わることになる。1946年にはエンジン開発を担う第456設計局が設立され、そのチーフ・デザイナーとなった。

コロリョフとの深い溝は結局埋められることなく、66年に彼がこの世を去り、N1計画も行き詰まった1974年、コロリョフの後継者だったワシーリ・ミーシンを解任、第1設計局長も兼任する形となった。第456設計局は現在NPOエネルゴマッシュ、第1設計局はNPOエネルギアとして存続している。

彼は1989年に亡くなるまで、その権力の座に君臨し続けた。ほぼ寝たきりの晩年も気概衰えることなく、集大成とも言える「ブラン」の成功報告はベッドの上で聞いた。イズベスチア紙などに火星飛行を寄稿するなど、最後まで宇宙への情熱が冷めることはなかった。

生涯、コロリョフの影に隠れ続けたが、彼無しではソ連のロケットエンジン工学はあり得なかったであろう。

(右・R−7/ソユーズロケットのメインエンジン、RD107/108。この成功がスペース・レース序盤戦でソ連に大勝利をもたらしたのは紛れもない事実。)。【Roscosmos 09.02】

詳しくはこちらこちらへ。エネルゴマッシュ社のグルシュコ略歴はこちら

前日にグルシュコ生誕100周年を祝ったばかりですが、翌日にはコロリョフの新しい像が…^^;

3日、モスクワでセルゲイ・コロリョフ像の除幕式が行われた。この式典にはモスクワ市長ユーリ・ルズコフ、ロシア宇宙庁長官アナトリー・ペルミノフ、史上初の女性宇宙飛行士バレンティナ・テレシコワ、コロリョフと仕事をしたボリス・チェルトックそれにコロリョフの娘ナターリャさんら、大物幹部が列席した。

            

ペルミノフ長官は席上、「我々の任務は、コロリョフが創造した全方向の活動を盛り立て新たなステップへと発展させることである」と演説した。

下・花を携えたのがナターリャさん、その右にテレシコワ女史、左にペルミノフ長官。マイクの前はモスクワ市長(?)。

 

中央で杖を突いているのがチェルトック翁、96歳。ソ連宇宙開発の生き証人とも言える重鎮です。右隅の女性はコロリョフのお孫さんでは…

 

さすがのペルミノフも、重鎮たちの前では頭があがりませんw

詳しくはこちらへ【Roscosmos 09.03】

…グルシュコの像も造ってやるべきでは…^^;

インタファクス通信によると、ロシア軍戦略ミサイル部隊は28日、大陸間弾道弾(ICBM)「トーポリ」の打ち上げ実験を行った。ロシア北部のプレセツク宇宙基地から打ち上げ、6000キロ離れた極東・カムチャツカ半島の演習場の標的に命中したという。

同ミサイルはミサイル防衛(MD)システムに対抗する装置を備えているといい、グルジア問題で対露圧力を強める欧米諸国を意識した実験とみられる。【毎日 08.28】

米航空宇宙局(NASA)が2010年に現行のスペースシャトルを引退させた後、後継機「オリオン」が導入される2014年までの間、国際宇宙ステーション(ISS)への人員輸送はロシアの宇宙船「ソユーズ」が唯一の手段となる。この事態が米ロ関係などに与える影響を懸念する声が、宇宙政策専門家らの間で強まっている。

NASAは当初、2013年のオリオン打ち上げを目指していたが、今月11日、「予算面、技術面の理由」から、2014年9月に延期すると発表。ソユーズへの依存期間も延びることになった。

ジョージワシントン大の宇宙政策研究所を率いるジョン・ログズドン氏は、「重要な仕事を唯一のシステムに任せるのは危険。米国はそのシステムに問題が生じた場合に対処できないし、ロシアを非常に強い立場に置くことになる」と指摘する。

アメリカン大のハワード・マカーディ氏も、「ロシアに弱味を握られていては、毅然(きぜん)とした外交手段を取ることができなくなる」と、懸念を示す。「グルジアなど旧ソ連諸国との関係や、経済サミットでのロシアの立場など、多方面で影響が予想される」という。

また現実的な問題として、イランへの核技術流出を阻止する目的で2000年に制定された「イラン不拡散法」がある。同法は、ロシアがイラン支援を続ける限り、米政府が同国の宇宙開発に出資することを禁じている。ソユーズによる人員輸送は当初、二国間協定に基づいて無償で実施されていたが、その期限が2006年に切れて有料化されたため、米議会は2005年10月、ロシアへの支払いを2011年まで認めるとの改正案を可決した。同年以降の支払いについては新たな改正が必要となるが、「米大統領選やグルジア情勢、イラン核問題の動向次第で、議会が可決しない可能性」(ビル・ネルソン上院議員)を指摘する声もある。

さらに、ソユーズについては最近、着陸でのトラブルが相次いだことなどから、安全性を疑問視する専門家も多い。一方、NASAはこうした懸念に対し、「米ロ間の外交関係が原因でソユーズが使えなくなる事態は考えられないし、ソユーズ自体には長い実績があり、信頼性は非常に高い」との立場を貫いている。【CNN 08.23】

2008年7月30日、中国新聞網によれば、ロシアのフォボス・ソイル(グルント)火星探査機が中国の小型衛星を搭載して打ち上げられると、ロシア現地メディアが報じた。

中国から国家航天(宇宙)局の孫来燕(スン・ライイエン)局長を団長とする訪問団が、ロシアのモスクワ郊外のヒムキ市にあるラーヴォチキン学術生産合同企業を訪問したと、ロシアニュース.CNが29日、モスクワから伝えた。また、ロシア航空宇宙局ウェブサイトによれば、訪問期間中、中ロ両国の宇宙開発における今後の協力や計画について話し合われたという。その中で、協力の鍵となるのは火星と火星衛星の研究で、ラーヴォチキン社の制作したフォボス・ソイル探査機が中国の小型衛星を搭載して打ち上げられる計画だという。

ラーヴォチキン学術生産合同企業の責任者は、フォボス・ソイル火星探査プロジェクトにとって中国の参与は重要な意味を持っていると指摘しており、中ロ双方がフォボス・ソイルへの衛星搭載に注目しているという。【Record China 08.01】

AFP通信によると、ロシア・シベリア地方のバイカル湖で29日、小型潜水艇が湖底付近の水深1680メートル地点まで潜ることに成功した。湖の潜水としては世界最深記録という。ロシア下院議員で探検家のチリンガロフ氏の調査団が、バイカル湖への気候変動の影響を調べるため、潜水艇で湖底を探査していた。

同議員は昨年8月、北極点に潜水艇を送り、水深約4300メートルの海底にロシア国旗を打ち立てたことで知られている。今回の探査について「プーチン首相から多大な支援を受けた」と明かした。

バイカル湖は世界で最も深い湖。世界遺産に登録されており、国連教育科学文化機関(UNESCO)によると最深部は湖面から約1700メートルとされる。【毎日 07.29】

国際宇宙ステーションで11日午前(日本時間)、予定されていた船外活動が行われ、ソユーズTMA12宇宙船の爆離ボルトが取り外され、回収された。

           

船外活動時間は6時間18分で、日本時・午前10時6分に完了した。詳しくはこちらへ【NASA 07.10】

…カッターで自分のグローブを切ったりしないように注意喚起あり、ボルト取り外しの際は「慎重に慎重に」と地上管制部から呼びかけあり、深い深呼吸ありの緊張したミッションだったようです。詳細がSpaceflight Now紙にレポートされています(こちら)。


今月10日、国際宇宙ステーション(ISS)で、危険性も難易度も高い船外活動が行われる。

目的は、接舷しているソユーズTMA12の爆離ボルトを取り外し、持ち帰ることである。活動にはISS船長セルゲイ・ボルコフおよびフライトエンジニアであるオレグ・コノネンコ飛行士があたる(下・今年4月10日、ISSにアプローチ、ドッキングするTMA12宇宙船)。

 

これは、過去連続2度のソユーズ宇宙船帰還の際、帰還モジュールと後部機関モジュールを繋ぐボルトの1本が爆離せず、両者が繋がったまま大気圏突入を開始、その後離れたものの帰還モジュールは弾道軌道で地上に着陸した。そのためクルーを激しい衝撃が襲い、韓国の飛行士は重傷を負っている。

船外活動は米東部時10日午後2時20分より始まり、約6時間の予定で行われる。両飛行士はピアースドッキングパートより船外に出て、コノネンコ飛行士がクレーンの先端に足を固定し、それをボルコフ飛行士が操ってソユーズ宇宙船へと近づける。

スラスターの周辺にプロテクトカバーを取り付けるなどした後、コノネンコ飛行士は耐熱材を切り、撮影を行う。その後ボルコフ飛行士もクレーンを伝って合流する。

ボルコフ飛行士は隣接するボルトとの間を結ぶワイヤーを切断し、電気ケーブルコネクタを外す。その後ネジを緩め、ボルトを取り外す。外されたそれは円筒形の保護ケースに収められる。全てが終わると、耐熱カバーを再び被せ、スラスターに被せておいたカバーを外す。

エアロックに戻った彼らは、耐爆コンテナの中にボルトを格納する。ボルトは後に地上へ戻され、チェックが行われることになっている。詳しくはこちらへ【NASA 07.08】

1908年6月30日、シベリア・ツングースカで謎の大爆発が発生した。今年、ちょうど100年を迎えた。

爆発が発生したのは現地時間・午前7時17分。ツングースカは無人地帯であり、間近でそれを目撃したものはいなかったが、爆心地から40マイル(約60km)離れた地点にも爆風と熱線が到達したことがわかっている。

 

当時のロシアは政情不安にあり、またかの地が人踏を阻む過酷な環境であったため、最初の調査隊が入ろうとしたのは1921年のことであった。サンクト・ペテルスブルグ博物館の鉱物主任学芸員レオニード・クーリック率いる調査隊が挑んだが、失敗。クーリックが再度調査隊を率いて挑み、成功したのは1927年であった。

興味深いことに、クーリックが現地に赴いた際、現地人は爆発のことを語りたがらなかったという。彼らはそれが神の呪いによるものだと信じていたからだといい、そのことがさらに調査を難航させた。

当初は確証が得られるのは難しいものと思われたが、しかし、大地に沢山の物証が残っていた。800平方マイルの森林が切り裂かれて、8000万本の木々が放射状になぎ倒されていたのである。

その木々が目印となり、調査隊は爆心地に到達することができた。そこでクーリックらが見たものは、直立した木々だった。しかも枝葉はばっさり失われ、まるで電柱の森のような感じであった。

このような現象は、高速で動く衝撃波によるものと考えられる。これと似たような状況は、37年後の日本でも見られた…広島への原爆投下であった。

クーリックらは4回の遠征調査を行ったが、聞き出すことに成功した現地人の話はごく僅かだった。爆心地から40マイルの交易所で目撃したある男は、次のように語っている。

「北の空が突如…空が2つに割れたのだ。そして空一面が炎に包まれたのだ…。その瞬間、大音響と力強い衝撃が…その衝撃は、天から岩が落下するような、あるいは大砲をぶっ放すような音の後にやってきた。大地は激しく揺らいだ。」

「今ではそれは、大気圏に突入したサイズ約40メートルの隕石が上空で大爆発をおこしたものと考えられています」と語るのは、ジェット推進研究所・地球接近天体(NEO)監視室室長のドン・ヨーマンス氏。氏によると、この隕石は高度8400メートルで大爆発を起こし、広島型原爆の185倍のエネルギーを解放したという。隕石は爆発のショックで飛散したり蒸発するなどしたため、クレーターを残さなかったと考えられている。

ヨーマンス氏によると、ツングースカ級の隕石は300年に一度の割合で地球に突入すると試算されている。詳しくはこちらへ【NASA 06.27】

…UFO説、ミニブラックホール説、などもありますね。イタリア・ボローニャ大学のツングースカ研究チームは最近、クレーターを発見したと主張しています。同チームの公式サイトはこちら http://www-th.bo.infn.it/tunguska/

カザフスタン・バイコヌール宇宙基地より、ロシアの軍事衛星「コスモス」が打ち上げられた。ロシア・インタファックス通信が報じた。

キャリアロケットはプロトンKで、軌道投入に成功したという。打ち上げにには国防相やロシア宇宙軍トップも立ち会ったとのこと。詳しくはこちらへ【SpaceDaily 06.27】

下は今月24日、射点に設置されるプロトンK。整備棟から横倒しで運ばれてきて、ジャッキアップされます。

 

 

大きいサイズや他の画像はこちらへ【Roscosmos 06.24】

16日、ロシアのワレンティナ・テレシコワが宇宙に飛び出して45年を迎えた(下・ロシア宇宙庁がリリースした記念ポスター)。

   

1963年6月16日、ボストーク6号に搭乗したテレシコワは、初の女性宇宙飛行士として打ち上げられた。当時26歳の彼女のフライトは2日と22時間50分。地球を48周して地上へ帰還した。

これはまた、女性が単独で宇宙を飛行した唯一の記録でもある。

飛行中は無線機の操作を誤り、コンタクトが取れなくなるなどのトラブルが発生、慌てて何度も「ヤー・チャイカ」と自身のコールサインである「チャイカ」(かもめ)を連呼。しかし西側メディアはこれを「私はカモメ」と紹介、ソ連にとっては思いがけず可憐なイメージを広めることになったのはよく知られている。

その後、彼女は二度と宇宙を飛ばなかったが、昨年、70歳の誕生日に際し、「例え片道切符となろうとも、火星へ行ってみたいわ」と語り、話題になった。詳しくはこちらこちらへ【photo: Roscosmos 】

米国は、国際宇宙ステーション(ISS)に向けたロシアの輸送サービスに関して予備契約を結ぶ方向にあることが明らかとなった。

ロシアの宇宙開発関係者が現在ヒューストンを訪れており、2011年〜2013年分の契約に関して協議を行っている。ここで合意に達した契約は米議会に諮られることになるが、今年の夏末にも決定が下される見込みとのこと。

ロシアはソユーズによる米国人宇宙飛行士1人あたりの運賃として、5000万ドルを要求している。

一方、米側の物資輸送に関し、プログレス無人貨物宇宙船の使用でも合意に達した模様。

米国はスペースシャトルのフライトを2010年で廃止することを決定しており、それ以降の人的・物質的輸送は、ソユーズとプログレスを基幹としたロシアの輸送システムに頼らざるを得ない。

ちなみに米国議会は2005年、ロシア宇宙庁との契約ができるように「イラン不拡散法」を修正している。この法律はイランの核開発などを阻止するために米政府が制定したもので、イラン核開発の支援国としているロシアへの資金拠出を同法が禁じていたが、その後修正が加えられ、NASAとロシア宇宙庁の間でソユーズ契約などが可能になっている。詳しくはこちらへ【SpaceDaily 06.】

今年4月19日に宇宙から帰還したロシアの宇宙船ソユーズが、大気圏突入時に危険な状態に陥り、着地予定地点から大きく離れた場所に着陸したのは、機器に不備があったためだと、ロシアの宇宙航空当局が21日、明らかにした。

不備があったのは、ソユーズが国際宇宙ステーション(ISS)から離脱する際に分離されるべきだった部分。きちんと分離することで、順調な大気圏突入が可能となる。当局がまもなく、最終報告書を発表する予定。

ソユーズには、韓国初の宇宙飛行士イ・ソヨンさんと、米国のペギー・ウィットソン飛行士、ロシアのユーリ・マレンチェンコ飛行士の3人が搭乗していた。

大気圏突入時、本来なら耐熱シールドがある面から入らねばならないが、今回はハッチ部分から突入。大気圏通過時に地上の8倍の重力(8G)を受けたほか、着地点は予定の場所から数百キロ離れていた。さらに、ハッチ部分が損傷したほか、アンテナが燃えて地上の管制塔とのやりとりが不可能となっていた。【CNN 05.21】

ロシアの宇宙科学者が15日、「宇宙ゴキブリ」の「孫」30匹の誕生を発表した。最初に宇宙に飛んだゴキブリに第3世代が生まれたという。露インタファクス通信が伝えた。

「祖母」である「Nadezhda(希望)」と名付けられたゴキブリは、2007年9月に国際宇宙ステーションの「Foton-M」研究棟で12日間を過ごし、その間に受精。地球に戻った後に「母親」であるゴキブリを産卵した。「孫」30匹は健康状態も良好だという。

モスクワの南470キロにあるボロネジの研究施設の科学者、Dmitry Atyakshin氏によると、通常よりも速いスピードで成長したNadezhdaの「2世」たちとは異なり、「3世」たちは家にすみ着く通常のゴキブリとまったく同じように成長したという。

Atyakshin氏は「今回生まれたゴキブリは、宇宙で受精し地上で産卵したゴキブリの子孫にあたるのだが、すべての点で普通のゴキブリと一致している」と語った。【AFP BBNews 05.16】

ロシア宇宙庁は、欧州宇宙機構(ESA)と新型宇宙船の共同開発で合意に達した。Space.com紙が報じている。

報道によると、新型宇宙船は6人乗りで、有人宇宙飛行を10年後を目標に定めて開発されることになるという。射場は先日公にされた極東に新設されるそれになる見込み。

ロシアが宇宙船カプセルを担当し、ESAがサービスモジュールおよびエンジンブロックを担当することになるという。詳しくはこちらへ【Space.com 05.15】

日本時間・15日午前5時22分、カザフスタン・バイコヌール宇宙基地より国際宇宙ステーション(ISS)へ向けて無人貨物宇宙船「プログレスM−64」が打ち上げられた。

プログレスは17日、ISSにドッキングする予定。詳しくはこちらへ【Roscosmos 05.15】

カザフスタン・バイコヌール宇宙基地より15日に打ち上げが予定されている無人貨物宇宙船「プログレスM−64」が12日、ロケット組み立て工房より射点へと運び込まれた。

           ロケット、鉄道で運ばれていきます
 

             宇宙への道…向こうには射点が
 

           射点ではジャッキアップ、セットされます
 

打ち上げられたロケットは17日、国際宇宙ステーション(ISS)にドッキングする予定です。その他の画像はこちらへ【Energia 05.12】

これまで洋上プラットフォームからの打ち上げを行ってきた民間衛星打ち上げ企業「シー・ロンチ社」が28日、陸上からの打ち上げを始めて実施した。ロケットの側面には「ランド・ロンチ」と描かれ、まさにそのまんまである。

 

同社はこれまでゼニット3SLロケットを用いてシー・ロンチを行ってきたが、これを陸上仕様に変更した3SLBロケットを用いて今回の打ち上げを実施した。ペイロードはイスラエルの通信衛星「AMOS−3」であり、予定軌道への投入も成功した。

シーとランドの変更点は、例えばフェアリングが前者ではボーイング社の、後者ではロシア製のものが使用されている(射点設備に合わせているのでしょうねぇ@管理人)。また、上段には小型スラスターロケットが装着されており、エンジン点火の前に燃料(液酸/ケロシン)の安定化を図り、着火信頼度を向上させるなどの改良も加えられているという。

打ち上げはバイコヌール宇宙基地・第45番射点で、28日午後2時(日本時間)に行われた。詳しくはこちらこちらへ【Spaceflight Now/Roscosmos 04.28】

欧州宇宙機関(ESA)は27日、欧州版GPS「ガリレオ計画」のための衛星を、カザフスタンのバイコヌール宇宙基地から打ち上げたと発表した。ガリレオ計画としては、2番目の衛星。今回の打ち上げにより、遅れている同計画が一歩前進した。

       

ガリレオ計画は、欧州連合(EU)が構築を主導する測位システムで、米国が実権を握るGPS(全地球測位システム)に対抗するもの。EUが計30個の衛星を配備する、民間利用目的のシステムとなっている。

2基目の衛星は、2006年に打ち上げ予定だったが、最終検査で回路上に問題が見つかったため、延期されていた。

当初の計画では、2013年までに運用を開始する予定で、1基目が2005年に打ち上げられている。しかし、計画が遅れていることから、システムの運営が遅れるのは確実と見られている。今後は2010年までに、4基の衛星を打ち上げる予定。

GPSは米国が軍事目的で構築したもので、他国は詳細な情報を受信できず、運用にも意見が出せないことから、EUがガリレオ計画を推進。米国側も当初は安全保障の観点から計画を批判していたが、ガリレオ計画とGPSのシステムを共通化して共用することで、EUと合意に達している。【CNN/photo: Roscosmos 04.28】

ソユーズTMA11の着陸地点。天然の草原火災だそうですが…転がるカプセルが右下に、その左側にヘリなどがポツポツ…

 

下は、周辺の放射線測定をする作業員。帰還モジュールには地上との測距用に放射線源が搭載されていますので。
 

一度ここに落下してバウンスしたて、向こう側へ?…カプセルの尻に結構な泥が…相当の衝撃だったでしょう。。「不安は一切無かった」と語っている韓国初の飛行士・ソヨンさんは、しかし、大気圏突入直後は本当に恐ろしかったと語っています(こちら)。他、関連記事はこちらこちらへ【photo: Reuters】

下は、国際宇宙ステーションにドッキングしようとしているソユーズTMA12宇宙船。軌道モジュールがドッキングポートに結合しようとしてます。

 

…この宇宙船では不具合が解消されているとよいですが…NASA側は立場上、ロシアの発表を待つほか無いわけで、内部では不安の声も出ているようです。6人体制に移行する来年からは便数も多くなりますし…。

いまもISSにドックしているこのTMA12について、ボルトに繋がるコネクタのチェックはどうかという話もあるようで。船外活動で断熱カバーをめくって…しかしかえってリスクが高くつきかねず、ロシア側はやらないだろうというのが見方のようで…。画像の大きいサイズなどはこちらへ【photo: NASA】

NASAで有人宇宙開発を直接指揮する立場にあるスペース・オペレーションズ副長官、ビル・ジャーステンマイヤー氏が報道陣と電話取材に応じ、先日のソユーズ帰還について答えた。複数のメディアが詳細を報じている。

ユーリ・マレンチェンコ、ペギー・ウィットソンおよびイ・ソヨンの3飛行士を乗せて地球に帰還したソユーズTMA11は、大気圏突入が弾道突入になってしまい、予定着陸地点よりも400km以上手前に着陸してしまった。この件についてジャーステンマイヤー氏は、現段階での原因特定は時期尚早であ留と述べ、宇宙船はロシアが回収し、コンピュータより取得したフライトデータを基に分析が進められ、原因が特定されるであろうと楽観視している。(下・回収部隊が駆けつけた直後の着陸地点。帰還カプセルからは、ビーコンを発するアンテナは伸びているようですね)

 

一方、大気圏突入時に、3モジュールに分離するソユーズがきちんと分離せず、クルーの乗り込んだ帰還モジュールと、後部推進モジュールが離れなかった可能性があることを示唆した。クルーのうち船長・マレンチェンコ飛行士とウィットソン飛行士は、大気圏突入シーケンスの初期の段階で通常は無いはずの異常な振動を感じたと報告しており、これは両モジュールが分離していなかったことを示唆しているという。(帰還直後の「メリーゴーラウンドのような状態だったか」とのレポーターの質問に対し、マレンチェンコ飛行士は「まさにその通りだった」と答えている)

分離するべき両モジュールが緩く結合したまま大気圏突入を開始したということは、クルーが出入りするハッチを下にしていたなど、通常と異なる姿勢で突入した可能性が高い。

また、もうひとつ考えられる可能性として、配線がショートしたため弾道突入モードに勝手に入ってしまったことも考えられるという。(下・帰還後の会見に臨むクルー。左からマレンチェンコ、ウィットソンおよびソヨン飛行士。2人の女性がソユーズに乗るのは今回が初めてですよね)

 

同様の弾道突入は、1つ前のソユーズTMA10でも生じていた。この時の原因はケーブルの不具合であることが判明し、その後のソユーズでは新しいケーブルが用いられ、また、モジュールを結合している爆離ボルトへのケーブルコネクタもダブルチェックが行われることになったという。ただこの時には既に、今回帰還したソユーズTMA11は国際宇宙ステーション(ISS)上にドックしていたわけで、TMA10と同じ現象が再現されたとしても無理はない。

また、突入後に通信ができなかったことも認めているが、パラシュート展開時に引き出されるはずのアンテナがどうだったのかなど、詳細は避けた。ジャーステンマイヤー氏としては、現段階で、立て続けに発生した弾道突入どうしの比較などはしたくないと表明、「今回の問題を深刻とは考えていない。しかし、連続して見たくないものでもある」と語っている。詳しくはこちらこちらへ【Space.com 04.22】

…帰還モジュールと推進モジュールが分離しなかった事案としては、1969年のソユーズ5号がよく知られています。この時の詳細はこちら

国際宇宙ステーション(ISS)に滞在していた第16次クルーのペギー・ウィットソン、ユーリ・マレンチェンコの両飛行士、および韓国初の飛行士であるイ・ソヨン飛行士の計3名が日本時間19日午後5時30分、ソユーズTMA11宇宙船でカザフスタンのステップ地帯に帰還した。

ウィットソン及びマレンチェンコの両飛行士は2007年10月10日、ソユーズTMA11宇宙船でISSへ向かい、第16次長期滞在クルーとして活動を続けてきた。またイ・ソヨン飛行士は約10日前、ソユーズTMA12宇宙船でISSに到着、短期滞在を行っていた。

3名を乗せたTMA11宇宙船は日本時間午後2時過ぎ、ISSを離脱、その2時間半後に逆噴射を行い大気圏突入に臨んだ。だが所定より急角度の弾道突入になり、予定地点より475kmも手前の地点に着陸してしまった。また、パラシュート展開後も交信が回復せず、管制部はしばし緊張に包まれたようである。

コンタクトは着陸後、衛星携帯電話で回復したという。この弾道突入は全く予兆の無かったもので、その原因は今後調査される。飛行士らに怪我などはないという。詳しくはこちらへ【NASA/Spaceflight Now 04.19】

…昨年10月に帰還したTMA10宇宙船も同じく弾道突入でしたね。この時は配線に問題があったことが報告されていますが…。やはり次のTMA13宇宙船は、1つ飛ばしてTMA14としたほうがよいようで。。

ロシアの次世代打ち上げロケット「アンガラ」のフライトテストを2010年に開始する予定であることを、開発担当企業「フルニチェフ研究生産センター」が明らかにした。

アンガラは現行のロケット「プロトン」の後継機と位置づけられている。本格運用にはいると、ロシア北西部のプレセツク宇宙基地より打ち上げられることになっている。

「フライトテストは2010年に開始する予定で、2011年初頭には軽量バージョン、同年末にはヘビーバージョンの打ち上げを行うつもりである」と関係者は語る。詳しくはこちらへ【SpaceDaily 04.15】

次のソユーズ宇宙船「TMA−13」はひょっとしたら「TMA−14」と飛び番されるかも知れない。

ロシア宇宙庁が明らかにしたところによると、迷信ではあるが不吉とされて有名な「13」という数字を避けるため、1つ飛ばし「TMA−14」とする可能性があるという。ロシア宇宙庁のペルミノフ長官は「次の宇宙船の番号を変更するのはよいことだと思うし、支持する」と語った。

ちなみにロシアの宇宙開発現場では、験担ぎは珍しくない。例えば組み立て工房からのソユーズロケット搬出時刻はガガーリンの時のそれと同じであるし、男性飛行士が放尿の儀式をするのも有名である。詳しくはこちらへ【SpaceDaily 04.14】

今月11日、モスクワに「ライカ」のモニュメントがお目見えしたとの報道がありましたが、その姿が明らかになりました↓

    

詳細はこちらへ【FOXNews.com 04.14】スプートニク2号に関する詳細は当サイトのこちら

ロシアのプーチン大統領が、同国の新宇宙基地建設を加速するよう関係部門に命じた。

この宇宙基地は、かねてから伝えられている、極東に計画されているもの。2015年までに開港し、有人宇宙船打ち上げを2020年までに目指すという。詳しくはこちらへ【examiner.com 04.11】

史上初めて周回軌道上に到達した生物として知られるロシアの犬“ライカ”の記念碑が11日、モスクワで公開された。詳しくはこちら

…ガガーリン打ち上げ記念に合わせ、これらのような関連発表がいくつか行われたようですね。

下は、ドイツ・ライン川を運ばれるシャトル…解説では「ブラン」とされていますが、これはテスト機です^^

 

解説によるとバーレーンから来たそうで。ということは、こちらのものでしょうねぇ、鼻先もよく似てますし…2004年にドイツのテレビクルーによって偶然発見されたものが、今やっと運ばれて来たようで。側面の文字は直書き?…よく見ると横断幕ですね。【photo: 時事 04.08】

韓国初の宇宙飛行士で女性の李(イ)ソヨンさん(29)が搭乗する宇宙船ソユーズが8日、カザフスタンのバイコヌール宇宙基地から打ち上げられた。李さんは国際宇宙ステーション(ISS)に10日間滞在し、18の科学実験を行う。

李さんは韓国先端科学技術院の博士課程で生物工学を学ぶ大学院生。06年12月、韓国政府の募集に応じた3万6206人の中から、サムスン総合技術院研究員で男性の高山(コ・サン)さん(31)と候補に選ばれ、ロシアの宇宙飛行士訓練センターなどで訓練を受けた。

当初は李さんは予備候補だったが、高さんが持ち出し禁止の訓練機材を韓国に一時持ち帰るなど規定違反があったとしてロシア側が要員の変更を求め、3月10日に李さんへの交代が決まった。

今回ソユーズに乗り組むのは李さんのほかロシア人のセルゲイ・ウォルコフ船長(35)とオレグ・コノネンコ機関士(43)。2人は現在ステーションに滞在する2人の飛行士と交代し、半年間滞在する。李さんは任務を終えた2飛行士とともに19日、地球に帰還する予定。【毎日 04.08】

カザフスタン・バイコヌール宇宙基地より、ソユーズTMA12宇宙船が今夜打ち上げられる。現地時間・7日午前7時(日本時・同午前10時)、ロケット組み立て工房より搬出され、射点へと据え付けられた。

  
  

打ち上げは日本時間8日午後8時16分が予定されている。詳しくはこちらへ【Energia 04.06】

韓国初の宇宙飛行士イ・ソヨンさんを乗せ宇宙に向かうロシア宇宙船ソユーズが、6日にカザフスタンのバイコヌール宇宙基地で発射台に設置され打ち上げへのカウントダウンを始める。韓国航空宇宙研究院の崔杞ヒョク(チェ・ギヒョク)宇宙飛行士開発団長は6日、ロケットとソユーズは打ち上げ48時間前に発射台に設置され、飛行士と宇宙船関連業務は決められたスケジュールに従い時間徹底で進行されると説明した。すべての準備が予定通り進んでおり、打ち上げ日程が変更される可能性はほとんどないとした。

イさんと予備飛行士のコ・サンさんは先月26日にバイコヌール基地に移動し、飛行に向けた最後準備を進めてきた。無重力状態に慣れるためのトレーニングと国際宇宙ステーション(ISS)で行う科学実験任務の訓練を繰り返しているほか、各種の行事にも出席している。

当日の8日は、打ち上げ8時間30分前に起床、壮行式と最後の医学検査を終えてから宇宙服を着込み、家族との面会、飛行士報告式を行う。イさんは打ち上げ2時間30分前にソユーズに搭乗し、午後8時16分27秒に宇宙飛行に出発する。ソユーズは10日午後8時ごろにISSにドッキングする予定で、イさんは18日までISSで任務を遂行する。19日の地球帰還後はモスクワのガガーリン宇宙飛行士訓練センターの病院で健康診断を受け、帰国は28日ごろになる予定だ。【聯合通信 04.06】

下は、バイコヌール宇宙基地・ロケット組み立て工房で宇宙船と打ち上げロケットの組合せが行われているところ。フェアリングには韓国の国旗が描かれてます

 

手前には別のソユーズロケットが…次のミッションに備えてます【photo: Energia 04.05】

カザフスタン・バイコヌール宇宙基地では2日、ソユーズTMA12宇宙船に搭乗するクルーへの自由取材が報道陣に許可されました。下は密着取材のワンシーン。

 

詳しくはこちらへ【Roscosmos 04.02】

今月8日にカザフスタン・バイコヌール宇宙基地より打ち上げ予定の「ソユーズTMA12」宇宙船の準備が着々と進められています。この宇宙船には国際宇宙ステーション第17次クルーであるセルゲイ・ボルコフおよびオレグ・コノネンコの両飛行士と、韓国人初となるイ・ソヨン飛行士の計3名が乗り込む。

飛行士らは27日、宇宙船組み立て工房・第254エリアにて宇宙船の実見と船内宇宙服のチェックをこなし、会見に臨んだ。

 
 

            宇宙船に試乗。少々窮屈そうで…
 

宇宙船は打ち上げの数日前にロケット組み立て工房・エリア112へと運ばれ、ソユーズFGロケットの先に結合される。詳しくはこちらこちらへ【Roscosmos 03.27】

日本時間・15日午前8時18分、カザフスタン・バイコヌール宇宙基地から打ち上げられたプロトン・ブリーズMロケットが、打ち上げに失敗した。米ニュージャージー州に本社を置く「SES AMERICOM」社の通信衛星「AMC14」を搭載していた。(下・離陸直後のプロトン【photo: Roscosmos】)

 

今回の打ち上げはILS社の商業打ち上げで、半年前にも打ち上げに失敗している。今回は上段が予定より早く燃焼停止してしまったという。上段・ブリーズMは1回目の燃焼でパーキング軌道に入ることに成功したが、2回目の燃焼がうまくいかなかったようである。

原因は目下不明とのことで、SES社も同型衛星の再打ち上げを行うか否か、決定は下していない。

今回の打ち上げは、ILS社の1996年以降、通算45回目となる商業打ち上げであった。詳しくはこちらへ【Spaceflight Now 03.15】

韓国航空宇宙研究院の宇宙飛行士管理委員会は10日午前に会議を開き、4月8日にロシアの宇宙船ソユーズに搭乗する韓国人初の宇宙飛行士を、コ・サンさんから予備候補のイ・ソヨンさんに交代することを決定した。教育科学技術部が10日に明らかにしたもので、同委員会はこれをロシア連邦宇宙局に通知する予定だ。

研究院によるとロシア側は、コさんが昨年9月に訓練教材を外部に持ち出したほか、今年2月にも教育と関係のない教材を任意で借りるなど訓練規程に繰り返し違反したことを韓国側に通知し、「適切な決定」を下すよう求めていた。

コさんとイさんは2006年12月、1万8000倍の競争を突破し韓国人初の宇宙飛行士候補に選ばれていた。コさんは一緒に宇宙船に乗り込むロシア人の宇宙飛行士2人と搭乗チームに、イさんは予備チームにそれぞれ所属し、訓練を受けてきた。【聯合ニュース 03.10】

ノルウェーの通信衛星「トール5」を搭載し、離陸するプロトンロケット。日本時間11日20時34分、カザフスタン・バイコヌール宇宙基地より打ち上げられました。

 

…毒々しい噴煙が^^;;詳細はこちらへ【Roscosmos 02.11】

7日、先日打ち上げられた無人貨物宇宙船「プログレスM63」が国際宇宙ステーション(ISS)に無事ドッキングした。

プログレスは日本時間7日午後11時30分、ISSクルーと米露管制部の職員らが見守る中、ドッキングモジュール「ピアース」に結合した(下・ロシア管制部「ツープ」)。

 

同貨物船には水や食料、酸素、実験機器などが計2.5トン搭載されている。詳しくはこちらへ【Energia 02.08】

下は、プログレス打ち上げ後に公開されたリフトオフ直後の一枚。ロケットを支える4基のペタルが開放される瞬間を捉えています。とても動的なショットですね^^

 

詳しくはこちらへ【Roscosmos 02.05】

プログレスM63、予定通りに無事打ち上げられました!

 

詳しくはこちらへ【Energia 02.05】

日本時間5日午後10時3分、カザフスタン・バイコヌールコスモドロームより国際宇宙ステーション(ISS)へ向けて無人貨物宇宙船「プログレスM63」が打ち上げられます。これまでの準備は極めて順調であり、現地時間3日早朝にはロケットが組立棟エリアより射点へと運ばれ、据え付けが完了しました。

2日、組立棟でプログレスM63&上段が、ソユーズロケットと結合されました。
 

写真では2基のソユーズロケットが見えますが、プログレスは中央奥のそれと結合されます。右奥に見える青長いのは、ロケットを押し出す機関車一式の一部です。

モスクワ時間3日午前4時(バイコヌール時・午前6時)、ロケットが組立棟を出ました。現地は先月から寒波に見舞われており、最低気温は−20℃に。
 

屈強な作業員達は、寒波なんかに負けません。人々の吐く息白く、ディーゼル煙と混ざり合います…ロケット、いざ白銀の世界へ!

ゆっくり、ゆっくりと運ばれていきます。ソユーズロケットは外観が殆ど変化しないまま今日に至ってます…コロリョフ・グルシュコ・ミーシンらのアイディアと格闘が、そのままの姿で保存されています。

 

                  宇宙への道
 

         射点に着くまで約1時間。周囲が白み始めます
 

        射点も真っ白!消防車(?)の赤が目立っています
 

      第1射点・通称「ガガーリン発射台」への据え付け完了
 

積雪、樹氷、ロケット…ロシア宇宙開発シーンを象徴するワンカットです。プログレスM63は日本時間・5日午後10時3分に打ち上げ予定です。詳しくはこちらこちらこちらへ【Roscosmos/Energia 02.03】

ロシアの宇宙開発企業体である「ラボーチキン公団」は29日、北極域を定常観測する衛星群プロジェクトの存在を明らかにした。

これは「アルクチカ」と呼ばれるプロジェクトで、複数の観測衛星が周回軌道上から北極域をモニターするというもの。環境変化の追跡や、気象予報向上のためのデータ取得が目的とされる。

「最初の衛星打ち上げを2010年とすることが、1月中旬に行われた委員会で決定されました」と語るのは、同公団副総裁のウラジミール・エファノフ氏。プロジェクトは目下、上級官庁であるロシア宇宙庁に回され、検討段階にあるという。

ちなみに同庁のアナトリー・ペルミノフ長官は昨年末、「過去15年間、衛星による北極観測は存在しなかった。リアルタイム情報が欠如したままでは、ロシア北部や世界の正確な気象予測は不可能だ」と語っており、プロジェクト実現に意欲的と思われる。

費用は約300億ルーブル(約12億3000万ドル)が見込まれているという。詳しくはこちらへ【SpaceDaily 01.30】

ロシアの宇宙開発企業「エネルギア」社は、2015年までに次世代型の有人宇宙船を建造する計画であることを明らかにした。同社のウィタリー・ラポタ社長が29日語った。

同社は2000年より再使用型の有人宇宙船開発を続けており、現在使用されている「ソユーズ」の後継機に位置づけられている。

社長は「米や中国、インドや欧州は積極的に有人宇宙船の開発を続けており、我々もその流れに乗らねばならない。2015年までには建造にこぎ着けるだろう」と語る。

同社は昨年11月、有人機に関し6つのプロジェクトが走っており、うち2つが監督官庁であるロシア宇宙庁に提出される見込みであることを明らかにしている。詳しくはこちらへ【SpaceDaily 01.30】

…数年前に話題になったクリッパーもその候補のひとつでしょうか。ロシアの動向はイマイチ信用できないところもありますが、楽しみでもありますね。

ロシア宇宙庁傘下の国営企業「ラボチキン科学産業公団」のポリシュク総裁は18日までに、日本の宇宙航空研究開発機構が打ち上げ計画を断念した月探査機「ルナA」の観測機器「ペネトレーター」(下)を、ロシアが2010年に打ち上げる予定の月探査船「ルナグロプ」に搭載する計画を日本と詰めていることを、共同通信への書面回答で明らかにした。

         

ポリシュク総裁によると、ロシア宇宙庁と宇宙機構は昨年、共同実験計画の推進に向け責任者を選出。宇宙機構が提案した計画をロシアの専門家と協議している。ペネトレーターは4本程度搭載するとみられる。日本がペネトレーターの性能を検証した上で、年内に計画を最終決定する方針。

計画では、ルナグロプを月の周回軌道に送り込んだ後、ペネトレーターを分離して月面に打ち込み、母船経由で観測データを取得する。【共同 01.18】

30年前の1978年1月20日、ロシアの無人宇宙貨物船「プログレス」の第1号機が打ち上げられた。今月20日、プログレス運行30周年を迎えた。

プログレス1号は当時稼働していた宇宙ステーション「サリュート6号」へ向けて送られた補給船。プログレスはソユーズ宇宙船とほぼ同型で、燃料と水、食料などの生活物資を運ぶタンカー。サリュート6号にはそれまでと異なりドッキングポートが2つあり、ソユーズ宇宙船以外にあと1隻の接舷が可能となった。これが補給船の派遣を実現化し、飛行士らの長期滞在も可能となったのであった(サリュートについてはこちらへ)。詳しくはこちらへ【Roscosmos 01.21】

ロシア政府は、今年の宇宙関連予算を13%増し、極東に新宇宙基地の建設を開始することを決定した。

ロシア第一副首相セルゲイ・イワノフ氏はプーチン大統領も臨席する閣議で、この予算増には軍事プログラムは含まないと語った。今年は宇宙産業の発展おいて歴史的な年になるとしている。同氏はまた、宇宙基地の建設には10年を要し、最初の打ち上げを2015年に行い、2018年には有人ロケットの初打上げを目指しているという。

宇宙基地については昨年11月、プーチン大統領はそれをアムール州のボストチヌイに建設を認める大統領令にサインしている。詳しくはこちらへ【SpaceDaily 01.22】

16日、ロシアの「ルノホート2号」・月面軟着陸35周年を迎えた。ルノホート2号は同型の1号と同様、月面を走り回った無人探査車である。

1973年1月8日、バイコヌール宇宙基地よりプロトンロケットで「ルナ21号」が打ち上げられた。これに搭載されていたのが「ルノホート2号」である(下)。同12日には近月点90km、遠月点110kmの月周回軌道へと入った。

 

13日及び14日に降下マニューバが実行され、近月点16km軌道へ投入。その3日後の16日、ルナ21号は軟着陸に成功した。着陸地点は、傍のクレーター(直径40メートル)から僅か3メートルの場所だった。

ルノホート2号の活動は10ヶ月間走行した1号と比べ、僅か4ヶ月で終了した。しかし走行距離は37kmに達し、現在もなお、他の天体を走行した無人車では断トツの記録を保持している。詳しくはこちらへ【Roscosmos 01.16】

ロシアは、欧州宇宙機関(ESA)が計画している、木星の衛星エウロパ探査に参加する方針であることを明らかにした。探査計画には生命体の調査も含まれている。ロシアのインタファクス通信が7日、関係者の話として伝えた。

ロシアの宇宙研究関連機関Space Research InstituteのLev Zelyony氏によると、エウロパ探査はESAによる2015-2025年度の計画にまもなく組み込まれるという。ESAによるエウロパを含む木星探査計画は、フランスの天文学者ピエール=シモン・ラプラスにちなんで「ラプラス」と名づけられている。

同氏は「探査の主な目的は、木星の衛星であるエウロパの調査で、エウロパ表面の厚い氷の層の下には水が存在し、海のように広がっているとみられている」と語る。

ラプラス計画でロシアは、エウロパ表面の氷の裂け目に探査機を着陸させることを提案しているという。探査機は着陸後、周辺の氷を溶かして生命体の調査を行うという。【AFP 01.08】