ロシアの話題から 2005

期間: 〜2005年 全てを記載しているわけではありませんので注意。。

ロシアの宇宙船ソユーズで宇宙を旅した日本酒の酵母を使って造る“宇宙酒”の仕込みが、高知県の酒造メーカー18社で最盛期を迎えている。

全国発売は4月1日。安全上、遺伝子が変化しない乾燥酵母を使ったため、味や香りは地元醸造の日本酒と同じだが、高知県酒造組合は「夢とロマンを味わってほしい」と話している。

酵母の宇宙旅行は、同組合などが日本酒振興を目的に企画。8種類の高知産酵母を積んだソユーズは2005年10月1日に打ち上げられ、宇宙空間に10日間滞在して帰還した。

同県佐川町の司牡丹酒造には12月上旬、フラスコに入った2種類の酵母が届き、蔵人が麹などが入ったタンクに入れてかきまぜる「酒母仕込み」に取り掛かった。【共同 12.31】

22日午前3時38分(日本時間)、カザフスタン・バイコヌール宇宙基地よりロシアの無人貨物宇宙船「プログレスM−55」が打ち上げられた。この貨物宇宙船には国際宇宙ステーション(ISS)への補給を行うもの。水や食料、衣類などといったものの他、クリスマスギフトなども積み込まれている。

予定通りに進めば、金曜日にISSへ接舷する。【Spaceflight Now 12.22】

欧州宇宙機構(ESA)とロシアが、南米仏領ギアナで共同で進めているソユーズロケット打ち上げ施設の建設は滞りなく進展しているという。

これはアリアンスペース社の打ち上げ能力を高め、衛星打ち上げ市場における競争力を高めようという戦略で進められているもの。2008年に初飛行が予定されている。

この打ち上げ施設はELSと呼ばれ、現在のアリアンXロケットの射点施設の約13km北西に建設中である。建設とロケットの改造にかかる費用はざっと3億5000万ユーロといわれ、ヨーロッパ投資銀行、ESA加盟各国の予算ならびにEUからの補助で賄われている(右・想像図)。

ソユーズはロシアの、そして世界最古のロケットの1つで、これまで1700近い打ち上げが行われてきた。アリアンスペース社が用いるソユーズはその改良版で、打ち上げの監視モニターにデジタルテレメトリーを導入し、また、ロケットの直径を3.65mに拡大、“旧”ソユーズロケットではムリだった通信衛星の打ち上げを可能とする。

また、導入される飛行コントロールシステムは軌道面の変更を可能とする。これまでのソユーズでは、ターンテーブル状の架台を回転させ発射方向をセットするだけであったので、衛星軌道面を変更させることはできなかった。

アリアンスペース社は現在、世界の打ち上げ市場の約55%を占めている。より詳細はこちら。【SpaceDaily 12.08】

クリッパー、ここへきてあまり評判が・・

ヨーロッパ各国政府の宇宙開発担当者が集まって行われている欧州宇宙機構(ESA)政府会合で、ロシアが開発中の次世代型有人宇宙船「クリッパー」に関しても検討が行われた。

この会合ではクリッパーを含む複数の宇宙開発プランが検討されている。最終決定は6日(日本時間7日)の加盟17ヶ国による審議が終わった後に下されることになっている。

ところで、ESAが傾きつつあるといわれているロシアの新型宇宙船「クリッパー」への参画に関してであるが、席上初日、賛同は殆ど得られなかったという。約2年間、5100万ユーロ(5980万ドル)に及ぶ関連研究であまり成果が得られなかったとも伝えられている。

ロシアはESAと日本に対し、米国の新型宇宙船への対抗としてクリッパーの共同開発を呼びかけている。日本は目下検討中であり、もしヨーロッパが加わるのであれば参加する方向へ傾くと言われている。

会議では、今後のクリッパープログラムに関わる費用と、米主導の国際宇宙ステーション関連プログラムにおける役割の担い方などに関して討議が続けられている。【Space.com 12.06】

ロシア宇宙庁の関係者は今週木曜、今月8日に予定されていた国際宇宙ステーション(ISS・右)クルーらの宇宙遊泳を延期したと発表した。イタル・タス通信が伝えた。

米のシャトルの打ち上げ遅延により、その受け入れ準備が当面必要ないことなどが影響と見られる。【SpaceDaily 12.02】

ロシアの宇宙企業であるフルニチェフ宇宙センターのアレキサンダー・メドべーデフ所長が解任された。RIAノーボスチ通信が伝えた。

後任にはウラジミール・ネステロフ氏が指名された。同氏はこれまで、ロケット発射や地上設備の管理を担当し、また、ロシア宇宙庁との交渉担当役でもあった。【SpaceDaily 11.29】

…ESAの衛星打ち上げ失敗なども、響いたのでしょうかねぇ。。

ロシア政府は17日、2006−2015年の10年間にわたる新宇宙センター開発構想を承認した。RIAノーボスチ通信が伝えた。

このプランは、ロシア副首相と国防大臣セルゲイ・イワノフ氏によって、定例閣議の席上で披露された。イワノフ氏は予算として、9億4600万ドルを必要とするだろうという。

このプログラムはロシア北方、プレセツク宇宙基地における「アンガラA5」大型打ち上げロケット施設の建設を優先しているという。このロケットは同国のロケット企業であるフルニチェフ国家宇宙科学生産センターが開発中のもの。

この打ち上げ施設は、現在はカザフスタン・バイコヌール宇宙基地でなされている軍用ならびに国家安全保障関連の衛星打ち上げを全て担えるものになるという。【RIA Novosti 11.18】

…バイコヌール宇宙基地は現在はカザフスタンの所有ですから、せめてセキュリティ関連の衛星は全て自国の領土から打ち上げたいということでしょうか・・他、バイコヌールの老朽化もあるでしょうねぇ。。

「12ないし13の米国のスパイ衛星が我々の領土を常時監視しているが、我々はたった1機のスパイ衛星で米国を監視しているに過ぎない」と語るのは、ロシア宇宙軍副長官オレグ・グロモフ将軍(右はロシア偵察衛星のモックアップ)。

ロシアの宇宙関連予算は年間8億ドルで、これは米国の約30分の1だと語るのは、ロシア宇宙庁のペルミノフ長官。

グロモフ将軍は、「ロシアの軍事衛星は58機が軌道を周回しているが、全地球の3分の1をカバーできているに過ぎない。一方、米国は常時世界を監視するサテライトシステムを構築している」と語る。【SpaceWar 11.14】

今年5月から6月にかけて欧州宇宙機構(ESA)がロシアと共同で実施した「フォトンM2」ミッションにて、真空中に曝された地衣類が、極限の環境に耐え抜いて生きていたことが明らかにされた。

このミッションはバイオリサーチを主目的としたもので、ロシアが製造した無人宇宙船に各種実験装置や生物を搭載し、約半月の間、地球を周回させるというもの。この間、宇宙環境における強い放射線や、無重力などが生命体にどのような作用を与えるのか、観察される。

この宇宙船は1960年代にソ連が用いた有人宇宙船「ボストーク」と形状がほぼ同じ(下写真・左上)。茶色の球形カプセル内に各種装置や資料が搭載され、一部はカプセルの外壁へも搭載されている。任務終了後は、このカプセルが帰還する(カプセルの頭にくっついている帽子のようなものは電池)。カプセル内には植物やバクテリアなどが積まれていた。

ところで、カプセルの外壁にはESAが開発した「ビオパン」(Biopan)と呼ばれる円筒形の筒(写真・左下)が装着されていた(同・右下)。この中には「地衣類」と呼ばれるコケの一種が納められており(同・右上)、宇宙空間ではこの筒が開放され、同植物は真空・強放射線・強温度変化の極限環境に曝されるようになっていた。植物がどのような影響を受けるかを調べることで、放射線などに対する生命の耐久力などを調べることができるという。

               
                      フォトンM2                 搭載の地衣類
                
                       ビオパン               取り付けられたビオパン
地衣類は菌類の一種で、藻類と共生をする特徴がある。藻類は光合成を行い有機物を合成し、その一部を菌類に与え、一方、菌類は藻類の生活に適した環境を提供するという、共存共栄の状態。

地衣類は地球上でも、極限の環境を耐え抜くことで知られている。1つのエコシステムが完成しており、もはや一種の“コロニー”ということもできる。

5月31日に打ち上げられたフォトンカプセルは、約15日間地球を周回し、その間、この植物は宇宙空間に曝された。その後カプセルは地球に帰還、回収され、調査が続けられてきた。

その結果、藻も菌も、細胞が傷むこともなく、宇宙環境を耐え抜いたことが確認された。このことは、地衣類は極限の環境をフルに耐え抜く力を備えていると断言できるという。

(右・回収された地衣類の電子顕微鏡画像。Fungal Cells は菌細胞を、Algal は藻細胞を指す)

今後の実験は、さらに突っ込んだ事柄に焦点が移ることになりうると、関係者は語る。例えば、小隕石についた地衣類は、大気圏突入に耐えるかどうか、といったことである。

また今回の結果は、地衣類は火星地表でも生き抜く可能性を持つことを示唆するともいう。追実験では、このような点も焦点になるという。【ESA 11.08】

…非常に興味深い実験です。隕石に付着した生命が地球にやってきたという話もありますが、それを実験的に確認することができる日も遠くなさそうですね。

ロシアは中国の月面探査計画を支援する用意があることを表明した。今週月曜、RIAノーボスチ通信が伝えた。

ロシア宇宙庁のアナトリー・ペルミノフ長官は、一連の有人宇宙飛行成功をとって、中国は間違いなく宇宙先進国になるだろうと語った。

同長官はまた、月面探査計画などで必要とされる宇宙遊泳(船外活動)などのアドバイスを提供することができるだろうと述べ、ロシアは共同ミッションの予定はないが、アシスタントはできるのではないかと語った。

ロシアと中国は現在、宇宙開発に関して協力関係を有しているが、現行の提携は2006年に切れることになっている。2007−2010年に設定されることになっている継続協力プランでは、宇宙ステーションや電波望遠鏡などの建設などが含まれている。【RIA Novosi 11.08】

カザフスタン・バイコヌール宇宙基地では、9日に予定されている欧州宇宙機構(ESA)の金星探査機「ビーナス・エクスプレス」の打ち上げに向けて、最終準備が順調に進められている(右・射点に立てられた打ち上げロケット。先端の白い部分にビーナス・エクスプレスが格納されている)。

この探査機は打ち上げから153日後に金星を周回する軌道に入り、その後軌道を確定した後、本格観測に臨む。着陸機を降下させるなどのイベントはないが、強力なレーダーで、金星表面の状態を詳細に観測することになっている。

金星は分厚い二酸化炭素の大気をまとい、濃硫酸の雲が惑星全体を覆い尽くしているため、可視光で表面を伺うことはできない。これまでも米ソの金星探査機による観測はおこなわれたことがあったが、その素性はまだ謎の部分が多い。

           

打ち上げはロシアの「ソユーズ・フリゲート」ロケットで行われる。これはソユーズロケットの上段にフリゲート・ステージと呼ばれるエンジンを載せ、これに探査機が装着されたもの。ロケットは打ち上げ後、一旦地球を周回する軌道に入り(Parking Orbit という)、その後フリゲート・ステージ点火、探査機を加速し、地球重力を振り切るスピードを得て金星へと向かう(上図・大きいサイズはこちら)。打ち上げは9日12時33分(日本時間)に予定されている。公式サイトはこちら【ESA 11.07】

元ライブドア取締役で投資家の榎本大輔さん(34)は3日、国際宇宙ステーションに滞在する世界で4人目の宇宙旅行客として来年秋、カザフスタンのバイコヌール宇宙基地からロシアのソユーズロケットで出発すると発表した。

米国の宇宙旅行会社スペースアドベンチャーズと昨年11月に契約。費用の2000万ドル(約23億円)は個人負担する。実現すれば日本人初の宇宙旅行客となる。

榎本さんが運営するホームページによると、既にロシア側の医学検査に合格、10月からモスクワ郊外で訓練を始めた。宇宙ステーションには約1週間滞在。今後展開する宇宙関連事業の調査をしたり、ガンダムのプラモデルを作ったりして過ごすという。【共同 11.03】

温家宝・中国首相は、11月3日から4日にかけて、北京市で開催される「第10回中露首相定期会談」で、ロシアのフラトコフ首相と会談する。中国では有人飛行船「神舟6号」の打ち上げが成功したばかりだが、月探査での協力も議題にのぼる見込みだ。2日付で新華社が伝えた。

会談に先立って、ロシア航空宇宙局のユーリ・ノセンコ副局長が訪中、メディアの取材に対して、ロシアが2008−09年に予定している火星探査計画に関連して、「中国が(地球を周回する)観測衛星を打ち上げ、送られてくるデータを中露が共有することを希望している」と発言した。

ノセンコ副局長は、「中国が目指している月の有人探査に協力し、最終的に月への有人飛行を実現させたいという中国の『夢』を手助けしたい」と語った。

新華社は、11月3日からの中露両国両首相の定期会談で、宇宙開発における協力の問題が話し合われ、その結果を受けて、実務レベルでさらに一歩進んだ行動がとられるだろうと紹介している。【中国情報局 11.02】

日清食品は31日、地球を周回する国際宇宙ステーション内で撮影した「カップヌードル」のテレビコマーシャル(CM)を11月2日から全国放映すると発表した。

宇宙で撮影された日本商品のCMは、大塚製薬(東京)の清涼飲料水「ポカリスエット」に次ぎ2作目。10月に、ステーションの交代要員とともにロシアのソユーズロケットで打ち上げた高性能のカメラで飛行士が撮影した。

              

宇宙滞在の世界記録を持つセルゲイ・クリカリョフ飛行士(上写真)が、ステーション内の空間を漂ってきてカップめんの袋をキャッチ。窓から地球を眺めながらめんの固まりを口に放り込む映像が、人気バンドのミスターチルドレンの曲とともに流れる。

…詳しい詳細は日清の公式リリースへ。特に、撮影が実現化するまでのロシア宇宙庁との交渉から、撮影での苦労話などは興味深いです(こちら)。

10月8日にロシアの「ロコット」打ち上げロケット(写真)で打ち上げられたものの、ロケットの不調で軌道投入に失敗した欧州宇宙機構(ESA)の「クライオサット」に関して、ロシアの失敗調査委員会は28日、分析を公表した。

失敗の原因はロケット上段のフライトコントロールシステムが故障を起こし、第2段エンジンの停止信号が予定より早く発せられたことに断定されたという。このようなことが再び起きないよう、一連の対策が施されたという。また、失敗以来出されていたロコットの打ち上げ禁止命令も解除された。

このロシア側委員会とESAとの詳細なブリーフィングが11月3日に行われることになっている。【ESA 10.27】

欧州やロシア、日本やイランの学生らなどが製作した小型衛星をてんこ盛りにして、ロシア北方・プレセツク宇宙基地よりロケット「コスモス3M」が打ち上げられ、衛星を無事に軌道に乗せることに成功した。ロシアはこのところ衛星の失敗が続いてたため、この成功は現場に安堵をもたらしたという。

コスモス3Mロケットは日本時間27日15時52分、プレセツク宇宙基地より打ち上げられた。現地は凍えるような寒さと雪一面の世界で、ロケットは低くたれ込めた雲を突き抜け、大空へと飛び上がっていたという。その後、衛星を太陽同期軌道へと投入することに成功した。

今回打ち上げられたロケットには、少なくとも7ヶ国の学生らなどが教育目的で製作した衛星が積まれていた。主な国としてはイギリス、ロシア、日本、中国、イランなどであるという。【SpaceDaily 10.27】日本は東大の学生らが製作した超小型衛星「サイ・ファイブ」で、詳細は下をご覧下さい。

東大の学生らが製作した超小型衛星「サイ・ファイブ」(写真)が27日、ロシアのプレセツク宇宙基地から、ロシアのロケット「コスモス」で打ち上げられた。

東大の「手作り衛星」の打ち上げは、2003年6月に続き2回目。2号機は、約10人の学生が市販の電子部品などで作った。開発費は、2機で計約400万円と、衛星としては格安に抑えられた。

高度688キロ・メートルの軌道上では、宇宙航空研究開発機構が開発した新型太陽電池の宇宙での性能評価や、高解像度デジタルカメラで地球の撮影などを行う。【読売 10.27】

…画像がアマチュア無線機で受信できると別報道でありましたが、一般でもOKなのかなぁ・・?

米国がロシアに対価を支払って国際宇宙ステーション(ISS)に飛行士を運んでもらうことを認める法律改正案が26日、米下院で可決された。上院も可決する見通し。スペースシャトルの飛行がトラブルで凍結されているため、改正されなければ来春以降、史上初めてISSに米国人がいなくなる可能性があったが、滞在継続にめどが立つことになる。

ロシアはこれまで、ソユーズ宇宙船で米国人も無償で運んできたが、国際協定上の義務がなくなる来年4月の打ち上げ以降、有料化を主張している。

改正する「イラン不拡散法」は、ロシアがイランに核やミサイルの技術を提供しているとの懸念から、米政府がISS関連でロシアに金銭を支払うことを禁じる内容。【共同 10.27】

今年8月26日に打ち上げられたロシアの地球観測衛星「Monitor-E」との通信が途絶えたことが20日、ロシア宇宙庁によって明らかにされた。

この衛星は打ち上げロケット「プロトン」で代表されるロシアの宇宙企業の1つ、フルニチェフ社の管制センターが管制を行っていたが、18日、Monitor-E との交信が途絶えた。担当者があらゆる可能性を考慮して交信回復を図ろうとしたが、できなかったという。

「このことは、打ち上げ前に現場担当者から寄せられた『打ち上げ準備は完全に整った』という確認が、実は完璧ではなかったことを意味している」と宇宙庁の幹部は言う。

フルニチェフ社は、最近ではESAの氷河観測衛星「クライオサット」の打ち上げに失敗したことが記憶に新しい。今回の衛星ロストは、ここ2ヶ月間で2度のミッション失敗を意味し、宇宙庁も深く憂慮しているという。【RIA Novosti 10.21】

20日、福岡市・マリンメッセで21日まで開催されている「宇宙フェア」を覗いてきました。話題のアルマズカプセルへまずは・・

平日でもあり、一般の来場者は少なかったのであまり周囲を気にせず見ることができましたが、それでも他のブースに比べると見物客は多かったです。皆、中を覗いたり、乗り込んだりしているところ、私は膝と両腕をついて、真下をのぞき込み(笑)。なるほど、金属製のハッチがついている。。傍の解説員に説明を求めると、

「素材は船底も側面も同じもので、耐熱性に優れ、交換する必要はない。触ってみてよ・・側面も船底も一体化しているでしょう。側面に紙を貼り付けておいて大気圏突入をしても、燃えることはないですよ。ハッチは大気圏突入時の高温で膨張し、よりガッチリ密閉されるので大丈夫。ノープロブレム、ロシアンテクノロジー!」

と、英語で説明してくれました。最後の“ロシアンテクノロジー”はマジでアピール。この話、結構これまでも質問あったのでしょうかねぇ、色々教えてくれて、「ノープロブレム!」を連発していました(写真:ハッチのリム)。

あと、気になったのが、窓。まともな窓らしきものが見あたらなかったので、「窓はないんですか?」と聞いたら、「これから側面にあけます」と返ってきました。窓がないと外が見えないですからね〜。窓対策は今後の課題のようです・・。

さて、他のお客さんがひいたところで、中を覗いてみました。「中に入って写真撮ってイイよ」と言われたので、遠慮無く・・(笑)。オイルorグリスの匂いがして、“生きている機械”の雰囲気がします。


右はその1枚ですが、意外とコンパクトな操作盤。個々の計器が何なのかはわかりませんが、足下にはスラスターを調節する?ためのレバーらしきものが見え、ドッキングの際の“Kurs”か“Toru”か、そんなシステムのためのものかなぁなどと思ったり。。この絵ではわかりにくいですが、真ん中のスクリーンの右上に地球儀がありますが、これはボストーク以来のものでしょうか。




座席はやはり、窮屈です。これはロシア宇宙船では仕方のないことでしょうけど、ここまで狭いとは思いませんでした・・軽自動車の横幅よりちょっと大きいくらいのサイズに、大人が3人横たわります(座席が3つ見えますが、これらは全て、その都度、乗員に合わせたオーダーメード)。カプセルに入るのもちょっとした一苦労ですが、奥に入り込むのは更に難儀しそうですね、慣れないと(笑)。しかし、3人が横たわった状態で、底部のハッチを開けることができるのだろうか?とちょっと疑問ですが・・座席を外さないとムリですし。ひょっとして、ステーション側からハッチを外して中の3人を引っ張り出すのかな・・?

最大で100回も再使用可能、だそうです。この回数は・・ちょっと不安、、(笑)。カプセル全体の印象としては・・なんとなく、ドラえもんの空き地の土管の横に置いてあっても違和感ないような感じが・・地味です(笑)

あと、傍らにはロシアのソコール宇宙服(船内宇宙服)の実物が展示してありました。カレリ飛行士がミールへ向かう際に着用したものでしたが・・意外とカレリ飛行士の身長、低いのだなという第一印象。。考えてみれば、身長制限はありますから、そんなに背の高い人はいないですよね・・どうしても欧米・露系はがたいがしっかりした人を想像してしまいますが・・。

他、興味をひいたのはドニエプルロケットに関して。打ち上げシーンのフル動画を見ることができ、また、ペイロードとフェアリングの模型も展示してありました。JAXAの「インデックス衛星」は写真のように搭載されていたそうで・・。

JAXAといえば、そのブースも会場のほぼ中央付近にありました。パンフやカタログをもらった後、「はやぶさ」に積まれたミラーボールや小型着陸機などの説明を聞かせてもらいました。あと、直ぐには気付かなかったのですが、頭上には実寸大の「はやぶさ」が・・思わず見上げて、「おぉう!」とか声を出した私(笑)。金属球を発射する筒や、ミラーボール、スラスターなどがどのように搭載されているのか、やはり模型を見るのが一番わかりやすいですね。データ表の数字や写真などでは、やはり、わかったつもりにしかなりませんね・・さっきのアルマズもですが・・・。はやぶさ、かなり大きいという印象がしましたが、同時に、小さいなぁという感じもしました。宇宙空間の中を飛行するのを想像したら、ちっぽけな存在かなぁと・・なんだかロマンを感じます。

                 

はやぶさ、最近ピンチですが、必ず成功して欲しい!と思いました(機体・手前の「イオンエンジン」(○4つ)は電飾で光るようになっていましたが、1つが点灯しなかったようで、4つとも消されていました・・)。

それから、これもフェアの目玉の1つでしょう・・プラネタリウム「メガスター」。ちょっとした行列ができていたので入りませんでしたが、私がより惹かれたのは、その横にあった西川のブース。あの、「西川の羽毛布団」の大阪西川、です。

以前、「宇宙ホテルには西川の布団を・・」とゲストブックでもありましたが、実は私、てっきりジョークだと思っていました(^^; 知らなかった、本当に開発していたとは・・その名も「宇宙布団」(Space Futon)。解説員の方に詳しく説明をしていただきました。「羽毛布団は?」との問に、「残念ながら、羽毛は破れたとき収拾がつかなくなりますのでダメですね(笑)」と、宇宙では不適切なのだそうです。「宇宙空間で長期滞在となると、どうしても寝具の問題がでてきます。いかに快適に眠るかが、ポイントですね」とのお話に続き、様々な開発の苦労を聞かせてもらいました。ふとんって奥が深いです・・無重力故に、意識しなければならない技術があれこれあって、おもしろかった!さっそくHPも調べてみましたら、プレスリリースが出ていました。

たぶん、JAXAの一般公開など、宇宙イベントに参加された方にはおなじみの展示物なのかなと思いましたが、田舎にすむ私らのような者にとっては初めてみるものばかりで刺激になりました。やっぱり宇宙は面白い、奥が深い、と感じました。やはり・・ふとんが一番意表をつかれたかな(笑)【管理人 10.20】

ブラジル人初の宇宙飛行士が、国際宇宙ステーションへ向けてロシアのソユーズロケットで向かうことが正式に決まった。ロシア宇宙庁とブラジル宇宙庁とが合意した。

ブラジル初の飛行士として有力なのはマルコス・ポンテス飛行士で、2006年4月にフライトすることになっている。【SpaceDaily 10.18】

…そういえば先日は、マレーシアでも宇宙飛行士の募集がありましたっけ・・最近、各国で活発になっていますね・・ロシアが呼びかけているのかなぁ?ロシアはソ連時代にもワルシャワ条約国の飛行士を乗せてあげてましたから、ゲストを乗せるのは簡単な話でしょうね。

ライブドアの堀江貴文社長は18日、福岡市で開かれている国際宇宙会議で、民間人の宇宙旅行をテーマにしたシンポジウムにパネリストとして参加。「宇宙旅行に行くには20億円程度も払わねばならず、もっと安く人々を宇宙に送り出すのが私のミッション」と強調した。

堀江氏は16日、カプセル型の小型宇宙船を利用し、宇宙旅行ビジネスに2008年にも参入する計画を発表。国内外の関係者らを前に「人類を安全、確実に安く打ち上げる手段がこれだ」と計画の早期実現を目指す考えを示した。

シンポで堀江氏は「将来的に(宇宙ビジネスなどの)競争が激しくなれば値段は下がる」と自信をみせ「(宇宙開発は)民間ベースでやった方が進む」と指摘した。【共同 10.19】

…先日も記しました「アルマズカプセル」、これ「TKS」というものですが、ゲストブックに関連投稿もあり、ちょっとまとめてみました。

ホリエモン氏らはこれを当時のまんまで使うのかどうかはわかりませんが、オリジナルは長さ17.5m、直径4.2m、重量19トンの宇宙機で、太陽電池を展開した幅は16mに達します。人が帰還するカプセル部は直径約3m、高さ約2mをなしています。

右は当サイト「ロシア宇宙開発史(15)」を記した際に参考にした“Mir Hardware Heritage”(NASA)を携帯カメラで撮ったものですが、下が全体像で、上がそのカットアウェイ(断面図)です。カットアウェイで黒く縁取られている部分は与圧部(空気が満たされているところ)を示しており、全容積は約60m3に達するとのこと。

先日も記載しました写真がどこに対応しているかは明らかですね。これは「Merkur」カプセルと呼ばれ、その後ろの、太陽電池が取り付けられた部分は「FGB」と呼ばれていました。両者はそれぞれ独立に飛行可能でしたが、飛行士が乗り込んで地球に帰還するのはMerkurカプセルでした。

宇宙ステーションとのドッキングは、FGBのお尻側でなされていました。

ところで特徴的なのは、Merkurの大気圏突入の際に要する耐熱シールドに大穴が開いており、ここを通って乗員がFGBとの間を行き来するという点ですか。もちろん、MerkurがFGBから分離し独立飛行する際はガッチリとハッチが閉じるようになってはいたものの、高温になる耐熱シールドに開閉部があるのはちょっと怖いですね・・壊れたり、確実に閉じなかったりしてプラズマが万一侵入してきたら・・(汗)そういえば、シャトルも車輪格納部が弱点の1つでしたっけ。

最初にこれを見たとき、飛行士はてっきり宇宙遊泳で乗り移ると思っていました(^^;

なお、パラシュートはMerkurカプセルの先端に格納されているようです・・大気圏突入後まで、“鼻”はくっついたまま・・下では「切り離される」ようなことを書きましたが、勘違いしてました。。

テストはMerkurカプセル単体で打ち上げられてのものもあり、1976年12月15日にプロトンロケットで打ち上げられたコスモス881と882はMerkurカプセルでした。カプセルとFGBが一体となった形で初めて打ち上げられたのはコスモス929で1977年7月のこと。それらも含め、何度かテストが繰り返されましたが、ついに有人で飛行することはありませんでした。

1985年10月にはカプセル部を改造して赤外線望遠鏡やオゾン観測装置などの科学器機を搭載したコスモス1686が打ち上げられ、サリュート7号にドッキングし、運用されました。これは、後のステーション「ミール」に用いられる器機のテストも兼ねていたと言われます。また、1986年8月、搭載燃料にて無人状態のサリュートの高度を引き上げましたが、ソ連当局は後日、ソ連版シャトル「ブラン」でドッキング、故障箇所のメンテなどを行う目論んでいたようです(勿論、実現しませんでしたが)。

TKSはあまり興味が無かったので深く調べなかったのですが(汗)、なかなか面白いフィーチャーを備えていますね〜興味深いです☆

世界の宇宙関係者が集う「第56回国際宇宙会議」と「宇宙フェア」が16日、福岡市博多区の福岡国際会議場、マリンメッセ福岡で始まった。ライブドアの堀江貴文社長は会場で記者会見し、宇宙旅行ビジネスへの本格参入を表明した。旧ソ連が70年代に造ったカプセル型宇宙船を使い、08年に旅行者を乗せた初打ち上げを目指すという。将来は、旧ソ連の宇宙ステーション「サリュート」を打ち上げ、「宇宙ホテル」として使う構想も明らかにした。

一連の事業は、堀江社長個人のプロジェクトチーム「ジャパン・スペース・ドリーム」が行う。

カプセル型の小型宇宙船(高さ約8メートル、直径約2メートル)はロシアの宇宙企業が保管しており、その使用権を持つ米企業を含む2社と同日、事業開始契約を結んだ。今後、ロシアやアメリカなどの宇宙機関とロケットによる打ち上げ交渉を進めるという。

具体的な旅行プランは1回1日以内で、各国の富裕層など3〜6人を募り、地球の軌道上を回る計画(…ということは、地球を数周して帰ってくるというものですか・・米のグレン飛行士のように)。

宇宙船は「アルマズカプセル」と呼ばれ、全長約8メートル、直径約2.5メートル。旧ソ連が偵察など軍事用に開発した3人乗りで、ロケットの先端に取り付けて繰り返し打ち上げが可能。70年代半ばから80年代にかけ十数回打ち上げられたが、軍縮や偵察衛星の登場でお蔵入りになったという。堀江社長は「今は約22億円かかる宇宙旅行の費用を、5分の1、10分の1にしたい」と語った。

「サリュート」は旧ソ連初の宇宙ステーションで、今もロシアに実物が保存されているという。こうした「年代もの」の再活用について堀江氏は「最先端のものより安全性が確立されている」と利点を強調したが、専門家の中には「メンテナンスや、事故が発生した時の対応は大丈夫なのか」といぶかる声もある。【毎日/読売/他 10.16】

…アルマズカプセル、ニュースで出ていましたが、いわゆる右のやつですね(【photo:Russianspaceweb.com】)。これは軍用宇宙ステーションとして打ち上げられた「アルマズ」への往復機として開発されたものです。打ち上げロケット「プロトン」に搭載できるサイズ(直径4.15m)になっており、初の打ち上げは1977年7月17日にコスモス929号として無人リフトオフ、軌道を周回し、1ヶ月後の8月16日、カプセルが帰還しました。宇宙ステーションに初ドッキングしたのは1981年4月25日にコスモス1267として打ち上げられたものでステーション「サリュート6号」にドッキング、1ヶ月後にカプセルが帰還していますが、無人テストでした。その後も度々打ち上げられますが、結局、有人で飛行したことはありませんでした。

帰還するのは下半分の部分のみです(上半身は、非常時にカプセルを抱えて起動する脱出ロケットエンジン)。

ところで、何年と時間の経っている機体、大丈夫ですかね?(汗)テスト飛行とか、するのだろうか・・。。てか、これ3人乗りだったのですねぇ・・2人乗りと思っていました。。しかしこの姿、見ようによっては「イチジク○腸」に見えないこともないなぁ・・(笑)

より詳細はこちら(英語)→http://www.russianspaceweb.com/tks.html

仕上げは順調に進んでいるようです

今月26日に打ち上げが予定されているESAの金星探査機「ビーナス・エクスプレス」が、打ち上げロケットの最終段である「フリゲート・ステージ」に装着された。作業はESAの開発チームと、フリゲート・ステージを請け負うロシアのNPOラボーチキン社との共同作業で進められた。

ちなみにこの作業は危険を伴うことでも知られている。というのも、衛星には姿勢制御用燃料として猛毒のヒドラジンと四塩化二窒素が用いられいるため。これはフリゲート・ステージの燃料でもあり、両者とも既に満タンの状態。

ビーナス・エクスプレスは約570kgの、フリゲートは約5トンの同燃料を搭載している。金星は火星と異なり重力が8倍も強く、太陽にも近いためその重力の影響も大きいため、金星周回軌道投入や飛行中の姿勢制御に燃料を要する。そのためビーナス・エクスプレスにはESAのマーズ・エクスプレスよりも2割ほど多い燃料が積まれている。2006年4月、金星周回軌道への投入の際、搭載された570kgの70%以上が消費される約53分間の噴射マニューバが行われる予定。

下画像は先月26日、カザフスタン・バイコヌール宇宙基地の施設で行われた作業の様子。猛毒から身を守るため、全身をすっぽり覆うスーツを着用する。右はそのスーツのチェックシーン(膨らませているのは気密をチェックするためかな・・)。ヒドラジン、四塩化二窒素、それぞれ6時間ずつかけて注入された作業はパーフェクトで、最後は施設内に漂う有毒ガスを除去して終了した。【ESA 10.12/10.04】

                 

ロシアのイタル・タス通信が伝えたところによると、先頃ロシアが日本の宇宙機構(JAXA)に提案したクリッパーの共同開発に関して、日本が年内に応じる動きにあるという。すでにJAXA内に特別チームが編成され、模索している段階という。
【SpaceDaily 10.14】

…関連記事に関して、このページの下の方の【共同 10.13】の記事をご覧下さい。

次のニュース記事はロシアのイタル・タス通信が報じたものですが・・

http://www.itar-tass.com/eng/level2.html?NewsID=2518095&PageNum=0

…衛星打ち上げから“宇宙葬”まで、広くロシアと協力する、とありますが・・記事中、“The Japanese companiy”とは、どこの会社のことですかねぇ・・ひょっとして H エモン の関連会社?(笑)福岡で正式発表!?

なんと!例のごとくロシア流のアプローチですが、これはチャンスなのか・・?

ロシアが日本の宇宙研究開発機構(JAXA)に対し、現在同国が単独で進めている新型有人宇宙船「クリーペル」開発への参加を打診してきたことが、13日分かった。

宇宙機構は参加の可否を見極めるため、担当理事を中心に開発計画に関する情報収集を始めた。ロシアが2006年1月から始める基礎的な研究に参加するかどうか、年内をめどに結論を出す方針。

同宇宙船の開発には既に欧州宇宙機関が参加の方向で検討している。日本が参加すれば、2010年までにスペースシャトルを引退させて宇宙開発の目標を月や火星にシフトする米国に頼らず、日、ロ、欧の3極だけで国際宇宙ステーションを運用する技術的な道が開けることになる。【共同 10.13】

ロシア宇宙庁は10日、国際宇宙ステーションに滞在する4人目の「宇宙観光客」として、日本人が有力候補に挙がっていることを宇宙庁のウェブサイトで明らかにした。名前は「エノモト」さんとしており、これまでに自分のウェブサイトで宇宙旅行の準備を進めていることを公表していた元ライブドア取締役で投資家の榎本大輔さん(34)とみられる。

宇宙観光は2001年に実現した米国人実業家、02年の南アフリカの実業家ら3人に続く4人目で、最終決定すれば日本人としては初めてとなる。

宇宙庁によると、既に医学的な検査にパスしており、来年秋に宇宙旅行が実現する可能性がある。【共同 10.11】

国際宇宙ステーション(ISS)に滞在していた第11次クルー(2人)及び“宇宙旅行客”の米実業家の計3人が日本時間11日午前、ソユーズTMA-6宇宙船でISSを離れ、カザフスタンのステップに着陸・帰還した。

ソユーズTMA-6に搭乗していたのは、ISS第11次クルーのセルゲイ・クリカリョフ(ロシア)、ジョン・フィリップス(米国)の両飛行士と、宇宙旅行客として10日前からISSに滞在していたグレゴリー・オルセン氏の3名。第11次クルーは半年間の任務を終えての帰還で、10日前にソユーズTMA-7でISSへ到着した第12クルーと交代した。一方、グレゴリー氏はソユーズTMA-7宇宙船で、ISS第12次クルーの2名と共にISSを訪れていた(つまり、クルーらの交代・引き継ぎ期間の間に“相乗り”していた格好になりますね)。

「凄くいい気分だよ」と語るのは、オルセン氏(右)。「今は、自分の足で歩きたくて、(宇宙食ではない、普通の)食事を取りたくて、そして、シャワーを浴びたいよ」とも。

帰還した3名は日本時間11日午前10時9分(現地時間午前7時9分)、カザフスタンの着陸予定地点に着陸した。彼らは日本時間午前6時49分(同午前3時49分)にISSを離れ、大気圏突入、パラシュートを展開して帰ってきた。

大気圏突入は地球の夜の側であったため、突入の際に生じる高温のプラズマがカプセルを覆う光景がISSからも確認された。また、地上で待機していた回収部隊にも目視され、追跡がたやすかったという。

「スゴい花火ショーをありがとう。素晴らしい光景を目の当たりにしたよ」と冗談を言うのは、ISSに残った第12次クルーの一人、ビル・マッカーサー飛行士(米)。

クリカリョフとフィリップス飛行士はISSに今年4月から乗り込み、飛行時間は179日。これまでも長期滞在を何度となく行ってきたクリカリョフ氏個人の通算宇宙飛行時間は803日に達し、世界の宇宙飛行士の中でトップに躍り出た。
【Space.com/CNN/NASA 10.11】

…オルセン氏が語る「今やりたいこと」は、旅行の疲れを表してますね〜「楽しかったけど、やれやれ」といった感じなのかなぁ・・「やっぱオレには、普段はビジネスの方が楽しいや」とか言ってたりして(笑)。期間直後のお顔(上写真)は、明らかに疲れてますねぇ(^^;

クリカリョフ氏、ついに800日を越える記録を達成しました(今年8月16日、それまでロシアのセルゲイ・アフデーエフ飛行士が保持しいていた748日を更新)。

先日のクライオサット打ち上げ失敗に関して、欧州宇宙機構(ESA)の地球観測部門責任者Volker Liebig 氏へのインタビューが行われた。詳しい質疑応答は↓(英文)

http://www.esa.int/esaCP/SEM1OR5Y3EE_index_0.html

クライオサットは極地方の氷河の厚さを正確に測定し、温暖化に関する重要なデータを収集する目的があった。これはESAのプロジェクトで、打ち上げはロシアに委託されていたが、同国の打ち上げロケット「ロコット」の最終段が切り離されず、失速、北極海に落下したと見られている。

質疑応答は、クライオサットを失ったことの意味、再制作と打ち上げの検討、それに、ロシアとのパートナーシップに関しての内容。【ESA 10.10】

ロシア国防省は、カザフスタン・バイコヌール宇宙基地内の軍用施設及び人員を2007年までに削減する予定であることを明らかにした。

具体的には人員を2800人まで減らすというもの。「もし、4,5ヶ月に1度の衛星打ち上げペースであれば、そんなにたくさんの人員は必要ない」と語るのは、セルゲイ・イワノフ国防相。「プレセツクがロシア国防省の主要打ち上げサイトになりつつあるし、将来は一部の民間衛星打ち上げもそこで行われるようになるだろう」

一方、エリツィン政権時代の1996年、極東・アムール地方の中国国境近くに建設されたスボボドヌイ基地は、打ち上げモニター施設として使用されるだろうと述べたが、具体的な資金の話はでなかった。【RIA Novosti 10.09】

9日、欧州宇宙機構(ESA)が主導で開発した極地氷河観測衛星「CryoSat」(クライオサット)がロシア北方・プレセツク宇宙基地より打ち上げられたが、打ち上げロケットの最終段の点火に失敗し、衛星を予定軌道に投入することに失敗した。

CryoSat は1億7000万ドルをかけて開発された衛星で、極地の氷河の厚さをセンチメートルの精度で測定する。地球温暖化の影響を定量的に見出し、環境の変化を精密に測定するのが目的だった。

同衛星はロシアの打ち上げロケット「ロコット」に搭載され、ロシア北西部のプレセツク宇宙基地より日本時間9日午前0時2分、打ち上げられた(写真)。しかし、ロケット最終段の点火がうまくいかず、衛星を軌道に乗せることに失敗した。衛星は北極海に落下したものと思われる。

ロコットはソ連時代に弾道ミサイルとして用いられたSS-19を改造したもの。ロシア宇宙開発当局者は、原因究明までロコットの使用停止を表明した。【各種報道 10.09】


ノルウェーの北に面するバレンツ海で、ロシアの戦略ミサイル原潜「ボリソグレフスク」から試験衛星「デモンストレーター」が発射された。

デモンストレーターは大気圏再突入技術をテストするための衛星であり、弾道ミサイルを改良した「ボルナロケット」で打ち上げられた。

衛星は打ち上げ当初、予定の弾道軌道に投入されたことまでは確認されていたが、その後シグナルが途絶えていた。しかしその後、予定通り、カムチャッカのターゲットレンジに着弾したことが確認された。

同衛星はコーン型をなし、軽量な素材で作られている。これは耐熱性に優れた新素材で、実際の大気圏突入をテストするために打ち上げられた。将来的には、宇宙ステーションから資材を手軽に地上へ送り返すための飛行体として期待されている。また、クルーらの緊急帰還の際の救命ボートとしての用途の可能性もあるという。

欧州宇宙機構(ESA)と航空宇宙企業であるEuropean Aeronautic Defence & Space Co.との共同開発。これまで過去3度の打ち上げに失敗している。【Space.com 10.08】

ロシア宇宙庁は、同国が開発中の新型宇宙船「クリッパー」を、南米フランス領ギアナのクールー基地から打ち上げることになるだろうと公にした。同宇宙庁副長官ニコライ・モイゼーエフ氏が述べた。

ロシア・RIA Novosti通信社の取材に対し同氏は、クリッパー計画は当初から国際的な再使用型宇宙船としてスタートしているものであり、各国の射場から打ち上げられる仕様を備えているものだとコメントした。

同氏はまた、ギアナのクールー基地における「ソユーズ2ロケット」の打ち上げ施設の建設は順調で、2005年4月から開始して3年以内に使用可能にもっていく予定であるとしている。【RIA Novosti 10.06】

…これは、フランスとロシアが共同で進めている衛星打ち上げプロジェクトです。

ロシア極東・カムチャツカ半島のロシア軍武器貯蔵施設で9月30日、大量の砲弾類が爆発炎上し、現地からの報道によると、極東軍管区高官は3日、カムチャツカ半島に保管される兵器の60%が失われたと述べた。コメルサント紙は、極東の部隊が全面戦争で使用する武器の1週間分に匹敵すると伝えた。【時事 10.03】

…最後の一文が凄いですね。。(汗)

ロシアと米国の宇宙当局者は3日、ウィリアム・マッカーサー飛行士を半年後にISSからどうやって連れ戻すか、今なお不透明だと語った。

「我々はもう、NASAの飛行士を(タダで)ISSへ運ぶ義務はない。公式には、半年後、マッカーサー飛行士がソユーズで帰還するということすら考えにはないということだ」と、ロシア宇宙庁有人宇宙部門主任アレクセイ・クラスノフ氏は述べた。

米国はコロンビア事故以来、ISSへの米国人飛行士の行き来にロシアのソユーズ宇宙船を頼ってきた。これは97年の協定に基づくもので、ロシアは無償で人員や物資を担う義務があったが、今回の飛行でその期限が切れた。

しかも、イランへ核協力をしていると言われるロシアに対する制裁法である「イラン不拡散法」を現状のまま米国が維持する限り、今後、米国人やその同盟国の飛行士はソユーズに搭乗することができない。

マッカーサー飛行士は先日、ソユーズTMA-7でISSへ向かい、第12次滞在クルーの船長として来年4月まで、ISSへ滞在することになっている。しかし、シャトルの次回飛行は早くて5月の見通しとなっているため、彼の帰還が問題となっている。

米上院はこの問題を解決するための修正法案を可決したが、下院はまだ討議を始めていない。

一方、ロシア宇宙庁のペルミノフ長官は「マッカーサー飛行士はソユーズで帰還することになると思う。ただ、シャトルという可能性も残されてはいるが」と述べた。

マッカーサー飛行士の帰還に関して、NASAとロシア宇宙庁との間の協議が6日行われる予定になっている。【RIA Novosti 10.03】

1日に打ち上げられたソユーズTMA-7宇宙船が、日本時間3日午後2時27分、国際宇宙ステーション(ISS)にドッキングした。ロシア管制部(右)の直接交信が可能な中央アジア上空を飛行中だった。

管制官が何度も「パーフェクト」というほど、何の滞りもない、スムーズでパーフェクトなドッキングだった。予定時刻よりも5分早かった(以下、NASA-TVより)。【NASA 10.03】


                
                

上左→上右→下左と続きます。上左の映像ではISSにかなり接近しているように見えますが、この時点(ドック10分前)ではまた100m近く離れています(ズームで撮影されている)。カメラをひいた映像が上右の映像です。下左はドック2分前の、ソユーズから撮したもので、“Pirs”と呼ばれるドッキングシステムが目の前に見えます。

青い地球を眼下に、ソユーズがアプローチする姿は非常に美しいと言われます。肉眼でみるものは格別なのでしょうが、こうしてライブで見ることができるのも素晴らしいですね・・技術の進歩に感謝です!

1974年、ソユーズ15号に船長として搭乗したゲナージ・サラファノフ飛行士が先月29日、手術による合併症のため死去した。63歳だった。

サラファノフ飛行士は1974年8月26日、レフ・デメン飛行士(1988年死去)と共にソユーズ15号に搭乗、宇宙ステーション・サリュート3号に向かって打ち上げられた。しかし、ガイダンスシステムの不調のためサリュートへの接近に失敗。ミッションは打ち切られ、2日後の28日に地球に帰還した。

サラファノフ氏は1942年1月、ロシアのシネキエ村に生まれ、18歳でロシア陸軍に入隊した。宇宙飛行士に選抜される前は戦闘機のパイロットだった。

1965年11月、宇宙飛行士に選ばれ、67年、ソユーズ13号に搭乗し、サリュート2号を目指すことが決定していたが、この時はサリュート2号が使用不能状態に陥り、飛行はキャンセルされていた。【Space.com 10.02】

…サリュートの各ミッションに関してはこちらをご覧下さい。

30日、バイコヌール宇宙基地を訪れていたNASAのグリフィン長官は報道陣らに対し、「米国の飛行士が今後ロシアの宇宙船でフライトする場合、ロシアが求める資金問題に関して、承諾できる可能性がある」と述べた。

だが一方では、「イラン不拡散法の存在は、ISSにおける継続的なアメリカ人の滞在の終焉を意味することになりうる」と述べ、ロシア政府に対し圧力をかけた。【Space.com 10.01】

1日打ち上げられたロシアの宇宙船ソユーズには、高知県産の日本酒の酵母が積み込まれている。国際宇宙ステーションへの滞在などの宇宙旅行を経験させた後、宇宙帰りの日本酒造りプロジェクトが本格化する。

旅立ったのは乾燥酵母と生きた酵母計8種類と種もみ60粒。19の酒蔵が参加する高知県酒造組合などの取り組み。

同組合などによると旅の期間中、宇宙線や微小重力環境の影響が予想される。このため帰還後はまず、遺伝子が変異しないと考えられる乾燥酵母を使い酒造りに取り組む。味など一定の品質をクリアした酒を“土佐宇宙酒”と認定、順調なら来年4月に販売を始める。

生きた酵母は遺伝子がどう変化したかなどを確かめる。安全上問題がなければ、ともに旅した種もみを栽培した酒米を使い、水以外はすべて宇宙帰りという宇宙酒を誕生させる。【共同 10.01】

国際宇宙ステーション(ISS)の交代要員と米国人の「宇宙旅行者」を乗せたロシアの宇宙船「ソユーズTMA-7」が1日午後12時54分44秒(日本時間)、カザフスタン・バイコヌール宇宙基地から打ち上げられた(右・NASA-TVより)。今回のミッションでは、高品位テレビ(HDTV)カメラが搭載され、ISSで日本の大手食品メーカーのCMが製作される予定。

ソユーズには、ロシアのトカリョフ、米国のマッカーサー両飛行士、それにロシア航空宇宙局と宇宙旅行契約を結んだ米国の光電子機器会社「センサーズ・アンリミテッド」のグレゴリー・オルセン社長が搭乗。2日後にISSとドッキングし、2飛行士は第12次クルーとして半年間ISSに滞在する。オルセン氏は10日後に、第11次クルーのクリカリョフ(ロシア)、フィリプス(米)両飛行士とソユーズ宇宙船で帰還する。【各種報道 10.01】

(右は、上昇中のソユーズ宇宙船の船内。カメラには2人が写っているが、手前にあと1人いる。手前、左手にマニュアルを持っているのはトカリョフ飛行士(?)。飛行士らは座席にしっかりと固定されていますので、目の前の操作盤に手が届きません。したがって、スイッチを押すなどの操作は、孫の手のような金属棒を用います。トカリョフ飛行士が右手に持っているのがそれです。)


カザフスタン・バイコヌール宇宙基地。明日ISSへ向けて打ち上げられるソユーズTMA-7宇宙船を搭載した打ち上げロケットが射点へ立てられた。バイコヌールの射点は独特の形をしており、排気が「ピット」と呼ばれる人工くぼ地に抜ける構造になっている。これは衝撃波や熱波をうまい具合に緩和する(日本や米国の射点は、高温と衝撃波の緩和のために大量の放水を行う)。

ピット…いうなら巨大な“マフラー”みたいなものですかねぇ。。

                

飛行士、国民投票で決める(?)のだそうです・・・

ロシアの宇宙船ソユーズで国際宇宙ステーション(ISS)へ向かう飛行士の選考を進めているマレーシアはこのほど、候補者のリストをウェブ上で公表し、国民からの投票を募る方針を明らかにした。

マレーシアは07年に、同国初の宇宙飛行士1人をISSに送り込む計画。飛行士候補には約900人が応募し、これまでに実施された身体検査や心理テストで200人に絞られた。今後さらに厳しい選考を続け、来年初めには10人以内の候補者をロシアに送る。ロシアでは最終審査の結果、2人の宇宙飛行士を決めるが、このうち1人はバックアップ要員になるという。

ジャルジス氏は「国民には歴史が作られる過程を傍観するだけでなく、選考に参加してほしい」と強調。近く開設するウェブサイトに、候補者の氏名や経歴、テスト結果の記録などを掲載し、「国民に発言の機会を与える」と述べた。

投票結果が選考に影響するかどうかについて、同氏は明言していない。ただ、同国宇宙局の当局者は匿名で、「選考結果が投票に左右される可能性は低い」と話している。

宇宙局では、飛行士の条件として「身体的、精神的に健康なだけでなく、人々と心を通わせ、若者に夢を与えることのできる人物であること」を挙げている。【CNN 09.29】

NASAグレン研究センターで、400平方メートルの「ソーラーセール」の展開試験に成功した(写真)。

これは、NASA・ジェット推進研究所(JPL)と米民間企業ATKスペースシステムズが合同で開発しているもの。一辺20メートルの正方形の形をしており、極めて薄いアルミを素材として作られている。対角線にセールを支えるブームが伸び、今回このブームの展開テストが行われ、スムーズに稼働させることに成功した。

ソーラーセールは、太陽からの放射を受け、太陽系空間を飛行するシステム。かつてはSFの域を出なかったが、近年開発が進み、2002年にはNASAが推進システムとして採用、開発が加速していた。これは新素材の開発にもつながり、今回のセールのアルミ素材は普通の紙の約40〜100分の1の厚さを実現している。

太陽からの太陽風や太陽放射は、常に莫大な量が流れ出している。我々のイメージする“風”とは大きく異なり、密度も小さいが、大きな帆で受け続けることで徐々に加速され、最終的には化学燃料などの力を借りずに、大きなスピードを得ることになる。

外太陽系やその外へ飛行するための最大の障害は“時間”。現在は冥王星までも早くて10年はかかる。だが、セールシステムはこの問題を解決する手段として注目されている。

ソーラーセールは、日本も宇宙空間における実験帆の展開には成功している(世界初)。また、米惑星協会はロシアのボルナロケットで大型セールの打ち上げを2度行っているが、共に失敗している。【SpaceDaily 09.28】

1日に打ち上げ予定のソユーズTMA-7宇宙船が組み立て工房から搬出され、最終工房へと運び込まれた。ここでソユーズ打ち上げロケットの先端に装着される。

            

また、最終工房ではクルーらに対する、宇宙船の各部の説明などの説明が行われた。【Energia 09.28】

…上写真は、そのワンシーン。奥にやぐらで囲まれているのが、ソユーズ宇宙船の入ったフェアリング。これが打ち上げロケットの先端に装着されます。

ところで、上段に入り口が開いていますが、クルーらはここから中へ入ります。ただ、座席の入ったカプセルは下部の方にあり、そこへ入るまでには「軌道モジュール」の中を通らねばなりません・・かなり動きにくいでしょうねぇ。それにしてもこのフォトでは、侵入口の位置関係がわかりやすいです。

東京大の学生が製作した超小型衛星が30日、ロシアのロケットで打ち上げられる。

一辺10センチの箱形で重さ1キロ・グラムと超小型ながら、宇宙航空研究開発機構が開発した新型太陽電池の軌道上試験という使命も担う。2003年6月に打ち上げた初号機に続く2号機。

2号機は、01年から初号機と並行して開発を進め、搭載ロケットが決定した昨年から10人ほどの学生が中心になって改良を加えてきた。初号機はデジタルカメラで地球の画像を撮影し希望者1100人に送っている。2号機はさらに解像度を上げて同様のサービスを行う。開発費用は2機合わせて約400万円。

打ち上げはドイツ、ノルウェーの学生が作った同型衛星と一緒に小型衛星に収納される。高度686キロ・メートルで小型衛星が分離された後、3個の超小型衛星が飛び出す。

開発を指導した東大の中須賀真一教授は「大型衛星のおまけとして搭載される子衛星の、さらにその中にある孫衛星で、珍しい打ち上げ方式」という。【読売 09.27】

カザフスタン・バイコヌール宇宙基地で25日、ソユーズTMA-7宇宙船の最終チェックが終了し、フェアリングが被せられた。今後、ソユーズロケットの先端に装着され、1日の打ち上げに備える。【Energia 09.26】

               

左はフェアリングの中、右はTMA-7宇宙船にフェアリングが被せられるところ。左の写真、最初見たとき何なのか一瞬わかりませんでした…フェアリングの中って、こうなっているのですねぇ。。

半年に1回交代する国際宇宙ステーション(ISS)要員の打ち上げを約1週間後の30日(日本時間10月1日)に控え、米航空宇宙局(NASA)が、米議会の動向に気をもんでいる。

NASAがロシアに対価を支払って飛行士をISSに運んでもらうのを禁じた法律が早く改正されないと、来年4月以降、ISSに米国人宇宙飛行士がいなくなる可能性があるためだ。

問題の法律は「イラン不拡散法」。ロシアからイランにミサイル技術などが流出することへの懸念から2000年にできた。期間を限ってロシアへの支払いを認める改正案は今週、上院を通過したが、下院には反対もあり、審議も遅れ気味で、NASA関係者には心休まらない日が続く。【共同 09.26】

カザフスタン・バイコヌール宇宙基地では、来月1日にISSへ向けて打ち上げられる予定のソユーズTMA-7に乗り込む3人のクルー (V. Tokarev, W.McArthur, G. Olsen)、及びそのバックアップクルー(M. Tyurin, D. Williams, S. Kostenko)らのシートチェック、宇宙服の気密チェック及び通信器機のテストが完了した(下)。

               

               

一方、宇宙船には燃料の積み込みが行われた(上)。【Energia 09.23】

米上院は日本時間22日、NASAがロシアのソユーズ宇宙船に関する売買契約を妨げている法律の修正案を承認した。

現在米国には、ロシアと有人宇宙船に関するハードウェアやサービスの売買を禁止する法律が存在する。これは2000年に施行された「イラン非拡散条項(法)」の1つで、ロシアがイランの核開発に関与する限り解除されることはない。

ところがこれが、厄介な問題を生じさせていた。米国は1996年、国際宇宙ステーション(ISS)の建設に関し、人員や物資をロシアのソユーズ宇宙船により無償で運んでもらう協定を結んでいたが、今年でその枠を使い切ってしまう(因みに日本人飛行士に関しては米国の傘下になるため、やはり日本もソユーズでISSへ向かうことができなくなる)。

予定では、来る10月1日のソユーズTMA-7の打ち上げが、米国人飛行士搭乗の最後となっている。シャトルの飛行再開は不安定のままで、これではTMA−7でISSへ向かった米国人クルーの帰還の手だてが無いも同然になっていた。

今回の上院の決定は、このイラン条項の修正を可能にするものであり、これはNASAによる、ソユーズへの今後の搭乗権利の確保を可能にする。

なお、下院でも検討が始まっているが、まだ具体的な行動は起こっていない。【Space.com 09.22】

日清食品「カップヌードル」のコマーシャル(CM)映像が、国際宇宙ステーション(ISS)で撮影され、11月1日から全国のテレビで放映される見通しとなった。宇宙航空研究開発機構が21日発表した。

同機構の新産業創出事業の一環として、電通CMプランナーの高松聡氏が設立した「スペースフィルムズ」社が、10月1日に小型高精細度テレビ(HDTV)カメラをロシアのソユーズで打ち上げ、CM撮影などに商業利用する。

日本のHDTVカメラによる宇宙CMは、宇宙機構の前身の宇宙開発事業団と電通の高松氏らが、2001年秋にISSで大塚製薬の清涼飲料「ポカリスエット」のCMを撮影し、02年初めから放映した例があり、今回が第2弾。前回と同様、ロシア人宇宙飛行士らにカメラマンとモデル役を依頼する。

アルマズが来るそうです。モック?…仕事の合間に見に行こうかな。。

10月16日から21日まで福岡市で開かれる国際宇宙会議福岡大会の展示会「宇宙フェア」に、旧ソ連が有人飛行に使った宇宙船が出展され、船室を来場者に開放することになった。同大会の開催地組織委員会(会長・梶山千里九州大学長)などが20日、発表した。

宇宙船はロシア語でダイヤモンドを意味する「アルマズ」。宇宙ステーション建設を目的に、1970年代後半から80年代にかけ打ち上げられたものの一基。高さは約5メートルで、船室は縦横とも約2メートル。宇宙飛行士3人が搭乗できたという。

展示会には、宇宙服試着コーナーや世界最大級のプラネタリウムなども設けられる。会場は福岡市博多区沖浜町のマリンメッセ福岡。入場料大人1000円、学生500円。

国際宇宙会議は、国際宇宙連盟などが毎年世界各地で開催、福岡大会には各国の研究者ら2500人以上の参加が見込まれている。【西日本新聞 09.21】

…関連サイトは http://www.iac2005exh.org/

カザフスタン・バイコヌール宇宙基地で、10月1日に国際宇宙ステーション(ISS)へ打ち上げが予定されているソユーズTMA-7のチェックが始まった。

打ち上げられるのは第12次ISSクルーで、米国人ウィリアム・マッカーサー飛行士とロシア人ワレリ・トカレフ飛行士、自身が科学者でもある“宇宙旅行客”の米国人グレゴリー・オルセン氏の3人。オルセン氏は史上3人目の宇宙旅行客で、約1週間の滞在予定。【RIA Novosti 09.21】

国際宇宙ステーション(ISS)に来月、ロシアのソユーズ宇宙船で向かう予定の米国人、ビル・マッカーサー飛行士(54)は、そのミッションにて15年の宇宙飛行士歴に終止符を打つことになるが、現段階では、実は、彼の帰還手段が整っていない(^^; 

というのも、シャトルの飛行が再び延期になっているから。マッカーサー飛行士はソユーズでISSへ向かうが、ロシアの宇宙船が米国人飛行士を運ぶ協定はこれが最後になる。本来ならばシャトルが彼を連れ戻すことになるが、シャトルの様子は承知の通り。また、米は現行のままでは法律により、ロシアからソユーズを買う(搭乗権を買う、ということかな・・)ことができない。

後は、「ロシア人の好意にまかせるしかないかな」とCNNは伝えている。【CNN 09.】

ロシアのソユーズ宇宙船の打ち上げ回数を、2009年までに現在の倍にしたいと、製作・打ち上げを担当するエネルギア社のセバスチャノフ社長が述べた。

同社長は「現在ソユーズ宇宙船は年2回の打ち上げを行っている。だがもし、米シャトルのフライトが減少するようであれば、年4回に(ソユーズ打ち上げ)増加させることもありうる」と語る。【RIA Novosti 09.11】

ロシア宇宙庁とロシア宇宙関連企業が、1つの連合体を形成する構想を持っていることが明らかになった。1日、ロシア宇宙庁のスポークスマンが語った。

「合意と連合体設立の文書の提出が9日に予定されている」と報道官。その企業体だが、具体的には「RSC Energia, NPO Energomash, OAO Kvant, KB Khimavtomatika, NPO Lavochkin をはじめとする各企業」という。【RIA Novosti 09.01】

…これが企業連合体なのか合併なのかはわかりませんが(たぶん、連合組合みたいなものでしょう)、うちを固めつつあるようで・・でも、かえってもめたりして(?)

6月に打ち上げられ失敗した宇宙帆船試験機「コスモス1」に関して、興味深い推察がSpace.com紙に掲載されています。

これはロシア海軍のミサイル原潜より「Volna」ロケット(元・核ミサイル)の弾頭に詰められて打ち上げられたものですが、信号が弱いながらも軌道を回っていることが確認されていました。とりあえず、打ち上げは成功していたようです。

ところがロシアは、「ロケットの第一段の故障で83秒後に機能停止、墜落した」と主張していましたが、これは上の事実と大きく食い違っています。これがなぜなのか、という推察なのですが・・続きはこちらへ(すみません、疲れて要約する気力が・・)

カザフスタン・バイコヌール宇宙基地から、日本時間8日午後10時7分54秒、国際宇宙ステーション(ISS)へ向けてプログレスM-54貨物宇宙船が打ち上げられた。

打ち上げから9分後、予定通りの軌道に乗ったことが確認された。2日後、ISSへドッキングする。
【Spaceflight Now 09.08】

ロシア宇宙庁は1日、国際宇宙ステーション(ISS)へ向けて貨物宇宙船「プログレスM-54」を8日午後10時8分(日本時間)に打ち上げることを発表した。ISSへは10日午後11時49分(日本時間)に接舷の予定。

今回の打ち上げでは燃料や資材、食料などが運ばれ、総重量は2.5トンに達する。現在、バイコヌール宇宙基地での詰め込み作業などが進められている。

なお、7日、ISSに現在接舷されている「プログレスM-53」貨物船が廃材を積んで切り離され、大気圏突入、投棄される。(画像は組み立て工場のプログレス貨物船。ちょうど燃料の詰め込みが終わったところで、クレーンでつり下げられて移動させられている…落っことすなよ〜コワ〜(笑)。手前に見える筒がシュラウド(フェアリング)と呼ばれる覆いで、この中に挿入され、ソユーズ打ち上げロケットの先端に装着される)【RIA Novosti/Energia 09.03】

そのソユーズについて・・記録達成です!

2日、ロシアは旧ソ連時代から通算1700機目のソユーズロケットの打ち上げに成功した。

このロケットは2日午後6時50分(日本時間)、カザフスタン・バイコヌール宇宙基地より打ち上げられた。搭載衛星はロシア軍の偵察衛星と見られ、「コスモス2415」と名付けられている。

なお今回の打ち上げは、連続34回目の成功であり、今年7機目のソユーズであった。【Spaceflight Now 09.03】

…ロシアの宇宙開発は、資金難とはいいつつ、地道に成果を積み重ねてますねぇ。。

宇宙とは関係ありませんが…チェスの話題です

チェスの世界ランキング1位のガリ・カスパロフ氏(41)=ロシア=が11日までに、スペイン・リナレスで行われたトーナメント終了後に記者会見し、今後はチェスの公式試合に出場せず、引退すると表明した。インタファクス通信などが伝えた。

チェスの世界王者として長年君臨し、スーパーコンピューター「ディープブルー」と死闘を繰り広げたことで歴史に名を残したカスパロフ氏は引退の理由について「チェスの世界で現実的な目標が見えなくなった」と説明。ただ引退後も娯楽目的などの非公式試合には出場し、執筆活動も行うと表明した。

カスパロフ氏は旧ソ連アゼルバイジャンで生まれ、史上最年少の22歳で世界王者に。

…ロシアの宇宙飛行士達の暇つぶしの1つが、チェスでした(今もかな?)。地上管制部との対局などで用いられた、たくさんの棋譜が残っているのだとか。

ついに来たか!激震?です・・赤字だらけですみません

米航空宇宙局(NASA)のグリフィン長官が、国際宇宙ステーション(ISS)の建設を大幅縮小する計画を近く発表する。

米国宇宙開発関係者が30日明らかにした。スペースシャトル打ち上げの延期で建設資材輸送のめどが立たないため。「政府主導の計画維持は困難」と判断し、民間ロケットによる物資や人員の輸送を導入するほか、観光客の受け入れなどISSの商業利用に活路を求める。

ISSの建設は当初計画の半分程度しか終了しておらず、日本の実験棟「きぼう」は部品さえ打ち上げられていない。

新計画は、日本政府などと合意された当初計画について「大半は未完となる」との見解を示すことになる。大型資材を必要とする施設や優先順位の高くない実験用設備などが見直しの対象となり、日本の施設も一部削減・縮小が避けられない見通しだ。

資金難にあえぐロシアはソユーズロケットに一般の観光客を搭乗させ、ISSに滞在させる事業を開始しているが、NASAもこれに追随し、民間による宇宙観光目的の利用を認める

縮小されるISS建設には、民間ロケットを活用し、シャトルの有人後継機「CEV」や、同時に開発される無人の重量物資輸送ロケットは利用しない。長官の新提案は、米政府の宇宙開発が、シャトル飛行やISS建設から、月や火星への有人飛行を目指す新宇宙政策の実現に重点を移したことを示しており、ISS計画に約6200億円を投じてきた日本の宇宙開発も再考を迫られそうだ。【読売 08.31】

…まだしっかりとした公式発表がありませんから我々ギャラリーにはわかりませんが、シャトル退役までは可能な限り資材を運んでもらいたいですよね。

そのシャトル退役が2010年に予定されていますが、じやあその後はどうやって人員を運ぶのだろう・・民間の宇宙船はまだないし・・ロシアのクリッパーしかないじゃん!?ひょっとして米露はこの件で既に何か話をしてるとか・・?

民間でできるところは民間でやるというのはあらゆる意味でよいとは思いますが、国家間の約束は、全部がムリだとしても、精一杯のことはやるという誠意を見せて欲しいですよね・・戦時下の条約破棄ならいざ知れず、平和時の一方的な反古は反対です。。

ロシア宇宙庁のペルミノフ長官は19日、中国初の宇宙飛行士となったヤン・リーウェイ飛行士に対し、「ガガーリンメダル」を贈ることを発表した。同飛行士はロシアを初めて訪問することになり、非常に喜んでいるという。【RIA Novosti 08.19】

ロシアが次期主力宇宙船として開発を続けている「クリッパー」(写真)の無人初飛行が2011年に、有人初飛行が翌2012年に設定された。

ロシア・エネルギア社の副社長ニコライ・ブルハノフ氏が「ビジネス・トゥディ」紙に語ったところによると、クリッパーは現行のソユーズに取って代わる、ロシアの主力宇宙船になるという。

クリッパーはシャトル型の宇宙船で、Gを2ないし2.5に押さえることができるという。【SpaceDaily 08.18】

ロシア宇宙庁は、ソユーズ宇宙船と打ち上げロケット、その手続きなど一式を米国へ6500万ドルで売る用意があると明らかにした。ロシア宇宙庁高官が語った。

ロシア宇宙庁有人飛行プログラム主任のアレクセイ・クラスノフ氏によると、現在行われている同国のソユーズ宇宙船による米国人飛行士のISSへの連絡は2006年春で期限切れとなる見込み。これは06年4月のソユーズ打ち上げに際しては、3つの座席のうち2つをロシア人が占め、1席を欧州宇宙機構(ESA)の飛行士ないしは代金を支払った“旅行客”が占めることを意味するという。

現在米のシャトル運航は不安定な状態が続いているが、このロシア宇宙庁の申し出は、来年春以降ソユーズが必要ならば売りますよということをアピールしている。

ただ、現在の米国法では、他国の宇宙船を買うことができないと定められている。【RIA Novosti 08.18】

JTBと米宇宙旅行会社のスペースアドベンチャーズ(SA)は18日、両社が業務提携し、SA社が取り扱う宇宙旅行を、JTBが10月から日本国内で独占販売すると発表した。ロシアのソユーズ宇宙船に搭乗し、月の裏側を飛行するツアーは約110億円。ただし、月旅行はソユーズの改良と試験が必要なため、08年以降になる予定。

ソユーズには2人の旅行者搭乗が可能。「高度な訓練を受けた宇宙飛行士が操縦し、安全性は問題がない」(SA社)という。また、国際宇宙ステーション(ISS)での滞在や、無重力を体験できる弾道飛行メニューもそろえた。商品によっては出発前にガガーリン宇宙センターなどで訓練を行う。

JTBは当初1年間で、地球を周回する国際宇宙ステーション滞在に1人、高度100キロまで一気に上昇する弾道飛行に10人、超音速ジェット機に搭乗するツアーなどに30人の参加申し込みを見込み、総額24億円の販売を目指す。

月旅行は、ロシアのソユーズ宇宙船で出発、片道3日で月まで到達する。高額な料金ながら、既に日本人を含む数人の希望者がいるという。

地球周回飛行もソユーズで出発し、国際宇宙ステーションに滞在、地球周回を楽しむ。【各種報道 08.18】

ロシア宇宙管制センターによると、国際宇宙ステーション(ISS)に搭乗しているロシア人の宇宙飛行士セルゲイ・クリカリョフ氏(46)が16日、宇宙滞在で世界記録の747日14時間14分11秒を更新した。

タス通信によるとクリカリョフ飛行士は、モスクワ時間の同日午前10時42分(日本時間同午後3時42分)、6年前にロシア人のアブデーエフ飛行士が達成した記録を塗り替えた。クリカリョフ飛行士は10月までISSに滞在予定で、世界記録はさらに更新される見通し。

同飛行士は旧ソ連以来、有数の飛行士として知られ、2001年に廃棄されたロシアの宇宙ステーション「ミール」にも長期間滞在。米スペースシャトル「ディスカバリー」にも、ロシア人宇宙飛行士として初めて乗り込んだ。【西日本新聞 08.17】

…クリカリョフ飛行士は、ロシアでも最も経験豊富、そして帰還延期の憂き目にあわされた飛行士。1991年5月18日、ソユーズTM12に搭乗し、今はなきミールに第9次滞在クルーとして向かったクリカリョフ飛行士は、そもそも滞在3ヶ月の予定であったが、予算不足でその後のソユーズが1機減らされたため、滞在延期。

ところが同年12月のソ連邦自体の沈没で独立したカザフが、ソユーズの着陸拒否を言い出したため、更に延期。しかも予算は破産寸前で、補給船プログレスもままならぬ状態で、取り残されることついに10ヶ月。1992年3月25日、320日間の飛行を終え、カザフの草原に帰還した。運行を管理するロシア・エネルギア社はカザフに対し、15000ドルを支払ったといわれる。

また、国際宇宙ステーション(ISS)の第一次クルーとして2000年10月に乗り込んだクリカリョフ飛行士は、2001年2月15日に打ち上げられるシャトル・ディスカバリー号で帰還予定であったが、ディスカバリー号の不調改修のため、2週間延期になった。

10月から国際宇宙ステーション(ISS)に乗り込む第12次クルーの訓練が始まった。米国人飛行士 Bill McArthur 氏とロシア人飛行士 Valery Tokarev 氏の二人で、ロシアのソユーズロケットで打ち上げられ、現在の第11次クルーと交代する予定。【Space.com 08.13】

ロシア宇宙庁のペルミノフ長官は水曜、国際宇宙ステーション(ISS)は(米が目標としている)2010年までに建設を終えることはできないだろうと述べた。

長官はまた、シャトルが退役する2010年以降もロシア宇宙庁とNASAとの協力関係を維持していく意志があることを表明している。

一方、ロシアが打ち出している新型宇宙船・クリッパーについて、同船は(その輸送能力から)米のスペースシャトルに取って代わることはできないと語った。と同時に、ロシアはシャトルの使用を止めることはできないと付け加えている。【RIA Novosti 08.10】

宇宙旅行をあっせんしている米国のスペース・アドベンチャーズ社は10日、民間人を対象にした月への宇宙観光旅行を計画していると発表した。募集は2人で、参加費用は1人当たり1億ドル(約110億円)。早ければ2008年ごろの実現を目指す。

民間人を対象にした宇宙旅行は徐々に始まっているが、国際宇宙ステーション(ISS)までにとどまっており、月への旅行が実現すれば初めてになる。

同社によると、ロシア宇宙庁と契約し、旅行には宇宙船ソユーズを使用。船長はロシアの宇宙飛行士が務める。宇宙船とは別に打ち上げられたロケットと地球の周回上でドッキングし月に向かう。【時事 08.11】

ロシア・エネルギア社の社長ニコライ・セバスチャノフ氏は「我々はシャトルの成功を信じている」と言うことに続けて、「しかしもし、救援が必要なのであれば、我々のソユーズ宇宙船がサポートに入る準備はできている」と語った。RIAノーボスチ通信が伝えた。

ただ、「救援が必要かどうかは、米国側の判断にかかっている」と、ロシア側は要請があれば動くという立場を明言している。

最悪の場合、3機のソユーズ宇宙船で9人のクルーを来年1月から2月にかけて順次帰還させる形になるという。【RIA Novosti 07.29】

ロシア宇宙庁の副長官ニコライ・モイセイエフ氏は、ロシア宇宙産業界は年7億ドルの受注を受けていると述べた。

「我々はこのロケット市場を発展させなければならない。まずCIS諸国内で、次に近隣諸国においてだ」とも語る。ロシアは現在、世界市場の7%を占めている。

「我々は通信衛星打ち上げビジネスでシェアを増やさねばならない。このビジネスは世界の衛星打ち上げ全体の7割を占めているのだ」

ロシアは2006−2025年の宇宙予算として最近3050億ルーブル(約106億ドル)が承認されている。モイセイエフ氏はこの間、軌道を周回するロシアの民間衛星の数を現在の37から70ないし80へ増加させることも明らかにしている。【RIA Noveosti 07.28】

ロシア宇宙庁は新たな宇宙旅行プランとして月周回観光を打ち出し、その実現のための技術的研究を始めたことを明らかにした。副長官ニコライ・モイセイエフ氏が語った。

このプロジェクトはロシア・エネルギア社が打ち出したもので、期間は約2週間・料金1億ドル(約110億円!)という宇宙旅行。プランは月周回と国際宇宙ステーション(ISS)への滞在というもの。【RIA Novosti 07.26】

ロシアは、ソユーズ並びにアンガラロケットに搭載される予定の次世代型ロケットエンジンRD-0124のテスト噴射に成功した。

このエンジンはロシア・フランス合弁のロケットプロジェクトで使用される予定。この事業はロシアの打ち上げ施設とほぼ同型の施設を仏領ギアナの打ち上げ基地にも建設し、そこでもソユーズロケットを打ち上げるというもの。【RIA Novosti 07.18】

ロシアが開発中の新型宇宙船・クリッパーのプロトタイプの座席に、旧ソ連時代に開発されたソ連版シャトル「ブラン」の座席が用いられることになった。

打ち上げ時の緊急脱出用の機構として、クリッパーでは射出座席を用いず、ブランで用いられたコックピット全体を切り離して飛び去るタイプの機構が用いられる予定。ブランの脱出機構では、マッハ3で飛行している状態から600メートルの距離まで離れることができたと言われる。【SpaceDaily 07.25】

ロシアは、同国が保有する大陸間弾道ミサイルUR-100N(SS-19 Stiletto)を国際的な宇宙市場である“Rokot”に安価での供給をより強化しようとしている。

RIAノーボスチ通信によると、これまでにロシア北方・プレセツク宇宙基地における過去5度の民需打ち上げが行われ、合計13基の衛星を上げることに成功している。

ロケット1基の打ち上げコストは1200万ドルないし1400万ドルで、他のICBMを転換した打ち上げロケットよりも遙かに安価という。【SpaceDaily 07.24】

いまから30年前の1975年の7月19日、宇宙では冷戦が終わろうとしていました・・米国のアポロ宇宙船と旧ソ連のソユーズ宇宙船が地球周回軌道上でドッキングを果たしたのです。

「アポロ・ソユーズテストプロジェクト」(ASTP)と呼ばれたこのミッションを振り返るコンテンツがNASAのサイトにUPしてあります。→ASTPミッション 【NASA 07.17】

…ASTPミッションに関しても、ロシア宇宙開発史で簡単に扱ってみようと思っています。“米ソ・ムーンレース”の話をまとめつつあるところですので、その後にでもと考えていますが、どうなることやら(^^; 月レース、ややこしすぎてなかなかまとまりません。。

ロシア宇宙庁の今後10年間の予算が明らかになった。その額は約3000億ルーブル(約110億ドル)という。

ロシアがいま力を入れているのは次世代再帰還宇宙船・クリッパーであり、これを現行のソユーズ宇宙船の後継機としようと考えている。ロシア宇宙庁長官アナトリー・ペルミノフ氏は「ロシアのスペースインダストリーは停滞を脱し、推進には自信がある」と語る。

ただ、このロシア宇宙開発10年間の予算は、米国NASAの単年度予算(160億ドル)を遙かに下回る額。しかもロシアは、シャトル・コロンビア事故後今日まで、国際宇宙ステーション(ISS)に対する人員と物資の輸送を引き受けており、この経費が圧迫しているのも事実。

ロシアはかつて米国との冷戦の最中、宇宙開発でもデッドヒートを続け、そのテクノロジーもいい勝負をしていた。しかし旧ソ連崩壊に伴う経済危機が、その大部分を奪ってしまったのも事実。ロシア首相ミハイル・フラコフ氏は工業力の弱体化を警告する。

「いまやっと、失ったものを取り返したレベルに追いついた。更なる進歩はこれからだ。だれもがかつて、我々がどのようなレベルのものを所有していたかを覚えている。そしてそれはなお、我々の手にあるべきこともだ」と。

ロシア宇宙工業界に携わる人々の平均年齢は、近年は48歳に達するといい、給与が安いため若い人たちが魅力を示さないとされている。

「もし若い人たちがこのまま入らなければ、全てを失ってしまう。投資の魅力も無くなるということだ」と首相は語る。【CNN 07.17】

ロシア航空宇宙局は6日、米国の富豪、グレゴリー・オルセン氏と宇宙旅行契約を結んだと発表した。10月にロシアのソユーズ宇宙船に搭乗し、国際宇宙ステーション(ISS)に滞在する。旅程は8日間で、旅費は2000万ドル(約22億円)とされる。【時事 07.07】

AP電が報じたところによると、民間団体の米惑星協会(本部:パサデナ)は22日、太陽光の力を動力に宇宙空間を進む太陽帆船「コスモス1」を前日に打ち上げ、船体の位置などがつかめないでいることに触れ、「プロジェクトは事実上、失敗した」との認識を示した。コスモス1は2001年にも打ち上げに失敗している。

位置を特定する作業は続けているが、その望みは「1%」の確率、とも認めた。ただ、「後悔はしていない。将来の事業につながるものだ」と意義を強調している。

コスモス1はロシアで製作、打ち上げ事業費は約400万ドル(約4億3000万円)。宇宙プロジェクトでは異例の低コストになっている。

船体は21日、北極圏バレンツ海にいるロシアミサイル原潜から打ち上げられた。協会は、6時間にわたり船体との交信はなかったとし、失敗説が強まったが、さらに分析したところ、信号を送っていたことをつかんだ、と述べていた。ただ、当初の予定より低い軌道を飛行している可能性があるとし、位置は不明とも述べていた。【CNN/他 06.23】

…写真は2001年に打ち上げ失敗したボルナロケットが潜水艦に搭載されようとしているところ。ボルナロケットは原潜発射型核ミサイルを改造したもの(要は、民需転換)で、核弾頭の代わりにコスモス1が搭載されている。でも、こうも失敗続きだと、ボルナの信頼性自体が揺らぎますね。。

ちなみに、私はミリタリーに詳しいわけではないのですが、潜水艦のハッチや発射口は重要機密だと聞いたことがあります(写真では丸出しですが・・)。潜水艦の最大深度はハッチの構造や厚さできまるとのことで、専門家が見たらどの程度まで潜れるのか一発でわかるのだとか・・まあ確かに、耐水圧のファクターは、ハッチの強度で決まるというのはわかりやすいですね。

いつでしたか、テレビ局の取材で、海自潜水艦のハッチの撮影はモザイクがかかっていたのを見た覚えがあります。

ロシアのプーチン大統領は、ロシア・カザフ両国がバイコヌール宇宙基地の有効活用に関して協力し合うことを定めた批准書にサインをした。

この法は先月25日にロシア下院を通過し、今月8日に上院が承認していた。【RIA Novosti 06.22】

ロシア宇宙庁のペルミノフ長官は、ロシアのソユーズ宇宙船に米国人飛行士が搭乗する際の“料金”に関して、今年末までに決めたいと述べた。

長官はモスクワで行われた記者会見で「NASAのグリフィン長官と、今年9〜10月に会談を行う予定である」と語っている。

ロシアは、現在打ち上げが再開されようとしている米のスペースシャトルが、もし、今年度中に飛行再開されなかったら、米国人飛行士をISSへ商業ベースのスタンスで送り届けるということを表明している。【RIA Novosti 06.21】

冷戦時代に米国が最も恐れたロシアの兵器の1つである、「核ミサイル搭載列車」の最後の36両が廃棄された。理由は、老朽化と信頼性の低下とのこと。

これはBZHRKシステムと呼ばれてきたロシアの主力兵器の1つで、同国のトーポリやブラワミサイルよりも優れていた(トーポリは車両移動型弾道ミサイルで、ブラワは潜水艦発射型ミサイル)。

この兵器の最大の特徴は、列車であるので、偵察衛星など上空からの偵察に強いという点。他の無数の列車と区別がつきにくいので、米国など西側諸国には、どこへ移動したのか、どこにあるのか、判断が困難なシロモノ。それゆえペンタゴンが恐れをなしていたのも間違いなく、多くの偵察衛星はこの車両の発見にあてられていたのも事実。

BZHRKトレインは4両で1編成であり、1両は指揮系統を管轄、残りの3両にSS-24弾道ミサイルが1発ずつ搭載されている。基本的に、列車がどこにいても発射可能といわれる。

冷戦が崩壊した1990年代、米国はロシアとの間に、BZHRKトレインの移動を凍結する約束を結んでいた。【RIA Novosti 06.21】

17日にカザフスタン・バイコヌール宇宙基地より国際宇宙ステーション(ISS)へ向けて打ち上げられた補給船プログレスは19日、ISSへ無事接舷した。しかしこのドッキングは、プログレスへのコマンドミスにより手動で行われた。

プログレスには自動ドッキング装置が搭載されているが、ロシアの地上管制部がミスコマンドを送信したため、機能不能になったという。そのため、ISSへ搭乗しているクリカリョフ飛行士がサブとして備えられた手動ドッキング装置(TORUシステム)を操作し、プログレスを無事に接舷させたという。

このTORUシステムは、プログレスの先頭に取り付けられたテレビカメラの画像をモニターで見ながら、プログレスを操るというもの。1997年、宇宙ステーション・ミールで同システムをテスト中、プログレスを衝突させてしまうという非常事態が起こっている。

「ドッキング成功、おめでとう」という地上管制部の声に対し、「ベストを尽くしたよ、ありがとう。全くもって、TORUのトレーニングが活かされたよ。TORUのインストラクターにありがとうと伝えておいてくれ」と同飛行士は答えている。

プログレスは2トンの貨物を積んでいる。内訳は179キロの燃料、109キロの酸素、433キロの水とその他諸々。中には40本の「酸素ロウソク」が含まれる。これは非常用の酸素カートリッジで、消費は乗員2人で一日2本の割合。既にある分とあわせると合計82本(41日分)になるという(「ロウソク」に関しては「ロシア宇宙開発史」の“サバイバル”にて記載予定です)。【Spaceflight Now 06.19】

ロシアと米国が、月や火星へ向けて飛行する宇宙船のロケットエンジンを共同で開発する可能性を考慮に入れていることが明らかになった。19日まで開催されていたパリ航空ショーにて、ロシア宇宙庁のペルミノフ長官が語った。

長官によると、ロシアのエンジンRD-180を米のアトラスロケットのために供給するプログラムに関して討議したという。【RIA 06.19】

ロシアと欧州宇宙機構が共同で打ち上げた生物科学調査カプセル「FOTON-M2」が16日、カザフスタンの草原に帰還した。飛行期間は16日間であった。

FOTON(フォトン)カプセルはガガーリンら、ロシアの最初の6飛行士が搭乗した「ボストーク」宇宙船をベースに開発された科学実験用の無人宇宙カプセル。ボストークと異なるのは、約半月にわたって各種観測器機を稼働するための大型電池がカプセルの先端に搭載されているところ。

初飛行はロシアがまだ旧ソ連だった1985年で、微少重力下における物理現象などの研究プラットホーム。このFOTONと極めて類似の無人宇宙船に「BION」というものがあるが、こちらは生物科学の実験プラットホーム。後年、BIONの内容はFOTONと統合されている(確か、BIONカプセルのホンモノが日本にあったはず・・バブルの頃にどっかの自治体が買ったという話があったような?)。

FOTONミッションはこれまで14回行われ(1回は失敗)、うち最初の4回は純粋にソ連単独のミッション。欧州宇宙機構が製作した実験プラットホームが最初に搭載されたのは1991年で、以後これまで、両者は深く関わり合ってきた。

今回のFOTONーM2カプセルは総重量385キロで、流体物理や生物学、水晶の結晶成長や微少隕石などに関する総計39の実験・観測装置がゴテゴテと搭載されている。生物としては、イモリやサソリなどが格納されていた(無重力に慌てた?でしょうねぇ・・(笑))。

(写真は搭載されていたESA製作の科学プラットホームの1つ。弁当箱のような感じで、ニートに詰め込まれたデザインが好きです・・)

FOTONーM2は高度300キロの軌道を16日間飛行後、逆噴射エンジンを45秒噴射、その30分後に大気圏へ突入し地上へ帰還した。次回のミッションは来年が予定されている。【Spaceflight Now/ ESA 06.17】

ロシアの火星探査機に搭載されてあったエアバッグと同型のものを、高層ビルの上階に取り残された人を救出する際の脱出装置として使えないか、開発が進められている。ロシア宇宙庁のサブブランチであるラボーチキン協会の対外部局長アーテム・イワンコフ氏が現在開催中のパリ航空ショーで語った。

「レスキューパックとして有効で使いやすいものだ」と同紙は語る。非常の際このパックを背負い、背中を下にして飛び降りる。即座に7メートル大の“傘”が展開し、人を乗せたまま滑空、最後の着地は小型エアバッグが衝撃を和らげる。(まあ、探査機の代わりに人間が大気圏突入するイメージですか・・)

「15〜100メートルの高度から、重さ40キロの物体を装着しての落下テストを行っている」と同氏。しかしこの重さは子どもサイズであり、倍の重さはある大人の場合は、姿勢にもよるが、それなりの衝撃は伴うことになる。この点に関しては今のところ何もコメントはない。

この開発中のエアバッグは、火星探査機「マーズ96」に積まれていたものが原型。マーズ96計画はロシアが主導した火星探査計画で、火星を周回しながら各種物理観測を行い、また、小型着陸機を搭載、火星の地表へ刺さり土壌測定を行うペネトレーターも含まれていた。エアバッグは、この着陸機の大気圏突入の際に使用されるものであった。

マーズ96はロシアのプロトンロケットで打ち上げられたが、プロトンのエンジントラブルで地球周回軌道を離脱することができなかった。【SpaceDaily 06.15】

ロシアがまた大きく出た!…か?ロシア流の挑発が続きます・・

ロシア宇宙庁(Roskosmos)副長官であるアレキサンダー・メドベチコフ氏は先頃、「もし何か不測の事態が生じ、米国が国際宇宙ステーション(ISS)から撤退することになっても、ロシアは用意ができている」と意味深な発言をした。ロシア・RIA通信が伝えた。

ロシアは新型宇宙船・クリッパーでISS開発を援助することができるであろう、と副長官は述べている。また、「米国はシャトルをもう、使うつもりはない。非常にコストパフォーマンスが悪く、そして古い」とも付け加えている。【SpaceDaily 06.13】

欧州宇宙機構(ESA)は先週金曜、ロシアの新型宇宙船「クリッパー」の実現化を支持することを表明した。

ロシアのイタル・タス通信が伝えるところによると、ESAの有人宇宙開発部門統括のダニエル・シャコット氏は、(彼の部門は)クリッパーの開発をサポートする“であろう”と述べたという。【SpaceDaily 06.13】

旧ソ連時代以来、人類初の宇宙飛行士ガガーリンの乗ったボストーク1号の打ち上げなど、宇宙開発で世界をリードしてきたバイコヌール宇宙基地が2日、開設50周年を迎えた。カザフスタンの砂漠地帯にある基地では、新世代のロケット発射台の起工式をはじめ様々な記念式典が繰り広げられた。

(写真:右端はロシア宇宙庁・ペルミノフ長官、その左がロシア・プーチン大統領、さらにその左がロシア・イワノフ国防相。左端がカザフ・ナザルバエフ大統領【SpaceDaily】)

新世代の発射台は、ロシアの主力大型ロケット「プロトン」の後継である「アンガラ」を使って大型衛星などの打ち上げを目指し、燃料による環境汚染の防止にも配慮した施設となる。起工式には地元のナザルバエフ大統領に加え、基地を使用するロシアからプーチン大統領も出席し、「バイコヌールは発展を続ける」と強調した。

基地は91年のソ連崩壊後、ロシアがカザフから借用する形となり、昨年にはロシアが年額1億1500万ドルを払って2050年まで借用を続けることで合意した。今後、ロシア、ウクライナ、カザフの3国共同でかつての大陸間弾道ミサイルSS18を利用した小型宇宙ロケット打ち上げ施設の整備や、宇宙旅行を含む国際的な観光拠点化にも力を入れるという。

ソ連時代の55年に開設後、基地はボストーク1号のほかにも、57年の人工衛星スプートニク1号打ち上げ、63年の女性宇宙飛行士テレシコワさんの飛行といった世界初の栄光を刻み続けた。打ちあげたロケットは宇宙用と軍事用を合わせて約2500にのぼり、軌道ステーション「ミール」を始めとする3千以上の宇宙船や衛星、さらに130人余りの各国飛行士を宇宙に送ってきた。

イタル・タス通信によると、昨年ロシアは世界全体の43%近くにあたる宇宙ロケットを打ち上げたが、このうち74%をバイコヌールが占めている。【朝日 06.04】

東大の学生らが作り、宇宙航空研究開発機構が新型太陽電池パネルの搭載実験を行う超小型衛星「サイ5」のロシアのロケットによる打ち上げが、6月末から8月25日に延期された。学生を指導する中須賀真一教授が3日、明らかにした。【時事 06.04】

ロシア政府は、カザフスタンにあるバイコヌール宇宙基地の租借を2050年まで延長する協定をカザフ政府と締結した。

バイコヌール宇宙基地は旧ソ連が建設した世界最古の宇宙基地で、世界初の人工衛星・スプートニクや初の有人宇宙船・ボストーク1号が発射された地。ソ連崩壊とともにカザフスタンが独立、その際カザフ政府に引き渡され、現在はカザフから租借する形でロシアが使用している。租借料は年1億1500万ドルという。【SpaceDaily 05.27】

宇宙航空研究開発機構は19日、神奈川県相模原市の宇宙科学研究本部で、オーロラ観測を行う小型科学衛星「インデックス」を公開した。今年8月にカザフスタン・バイコヌール宇宙基地から、ロシア・ウクライナのロケット「ドニエプル」で、光衛星間通信実験衛星(OICETS)と一緒に打ち上げる。

ロシア北方のプレセツク宇宙基地の周辺では、ロケットの残骸が貴重な生活資源となっている。

北極圏にあるプレセツク宇宙基地は約40年前に建設されたが、それ以来、周辺住民はロケットの打ち上げの度に、残骸を回収しているという。

打ち上げロケットの第一段部分は大気圏内で燃焼を終え、地上に落下してくる。これは当然ながら危険で、打ち上げの数日前には、ハンティングやキノコ狩りをしないよう、住民らに通報が行われてきた。

しかしこの残骸は、建築材料や金属資源としては貴重なもので、打ち上げ後、地上に散らばった金属屑を探しに住民らが散らばる光景が見られている。

集められた金くずは家の補強材やトラック、カヌーボートなどに生まれ変わる。また、バッテリーなど再利用が可能なものも回収されることがあるという。

特にソユーズロケットは、燃料が無害なケロシン(灯油)であるので、安心して住民らは収集するのだとか。【SpaceDaily 05.17】

ロシアの宇宙企業「エネルギア」社は年次株主総会を今月28日に控え、同社の社長であるユーリ・セミョーノフ氏をニコライ・セバスチャノフ氏に交代すべきという動きが出ている。ロシア連邦政府はこれを指示している模様であると、ロシアの新聞が伝えている。

セミョーノフ氏は1991年から同社を率いてきたが、ここ3年間同社は赤字続きで、この責任を追及してのことだという。セバスチャノフ氏はセミョーノフ氏の側近の一人。【SpaceDaily 05.14】

ロシアの宇宙船で育てた酵母を使い日本酒を造ろうとする準備が、高知県内で進められている。

宇宙酒は、県内の企業や大学などでつくる県宇宙利用促進研究会と、県酒造組合連合会が共同で、土佐酒の知名度をアップさせようと計画。約1200万円の打ち上げ費用を双方で分担し、今月末にもロシア側と正式契約する予定だ。

計画では、県工業技術センターで開発した酵母6種類をケースに密封。9月下旬、ロシアのバイコヌール宇宙基地からソユーズで打ち上げ、国際宇宙ステーションで約2週間宇宙に滞在させる。

密封する際の酵母は、乾燥状態と寒天培養の2つの形式を取る。冷蔵された寒天培養の酵母は、ちょうど宇宙で常温に戻り、増え始める計算で「地上にない酵母に変質する可能性もある」とみている。帰還した酵母は、培養して19の蔵元に配布。出来上がった吟醸酒を、来春にも「宇宙酒」として店頭に並ばせたい考えだ。【Zakzak 05.12】

…いっそ、宇宙で酒の醸造はできないのですかねぇ?ISSの倉庫に眠らせておくとか。あ、飛行士達が飲んでしまうかも(笑)

2006年以降、ロシアは米国人飛行士をソユーズ宇宙船に乗せない予定であることを、ロシア宇宙庁は明らかにした。モスクワのビジネス紙が伝えた。

この表明は、ロシアが米国にプレッシャーをかけたものと見る観測もある。ロシアは国際宇宙ステーション(ISS)へ参加する重要なパートナーであるが、このような非協力的とも取れる発言を繰り出すことで、資金面でのうまみを引き出そうという考えが働いているのではないかという憶測である。

「日本や欧州各国といった(米国以外の)他のISS協力国と共に、米国に協議を持ちかけるべきだ」と同紙は結んでいる。

「米国以外、ISSから得たものは何もない」「米国は(ISSに備えておく)7人乗り緊急用ボートの開発を担うはずだったが、とうに放棄している」と手厳しい。【RIA Novosti 05.05】

…そういえば、先日ISSから帰還したロシアのシャリポフ飛行士は会見で、ISSにアルコール持ち込みを認めるべきだと語っていました。やっぱりロシア人にウォッカはつきものなんですねぇ(^^; 

「地球はスモッグに覆われ、写真撮影するのも難しかった」−。国際宇宙ステーション(ISS)からこのほど地球に帰還したロシアのシャリポフ宇宙飛行士は27日、同じく帰還した米国とイタリアの宇宙飛行士との共同記者会見で、地球環境保全の緊急性を訴えた。

モスクワ郊外の宇宙施設「星の街」で会見したシャリポフ氏は「自然を汚す工場の煙で覆われた地球を見るのは悲しいことだ」と述べた。工場からのスモッグが特に深刻なのが東アジアで、この地域は「写真撮影することすら困難なほどのスモッグで覆われていた」という。

同氏は「宇宙に行って初めて私たちの地球がいかに壊れやすいものか理解できた。私たちは一刻も早く環境保護に努めなければならない」と警鐘を鳴らした。

ISSで活動していた三人の宇宙飛行士たちは今月25日未明、ロシアの宇宙船ソユーズで無事カザフスタンに着陸した。【産経 04.29】

中国と米国のロケットの残骸が軌道上で衝突していたことがわかった。

この衝突は今年1月17日、南極上空885キロの周回軌道上で発生した。米国のサーベイランスネットワークがこの衝突を探知、NASAが発行する“Orbital Debris Quarterly News”に発表した。

レポートによると、衝突したのは米が1974年に打ち上げたロケットThor Burner 2Aの上段部分と、中国が2000年3月に打ち上げたロケットCZ-4の第3段部分の破片。

同レポートは他の衝突事項も紹介しており(ロシアのコスモス衛星どうし、等)、近年、ロケットや衛星の残骸どうしの衝突が増えているとしている。

地球の周囲にはこのような大量の“デブリ”(ゴミ)が周回しており、宇宙船への衝突などが懸念されている。【Space.com 04.18】

15日に打ち上げられたロシアの宇宙船ソユーズTMA6が米東部時間の16日深夜(日本時間17日午前)、国際宇宙ステーション(ISS)とのドッキングに成功した。

米ロの飛行士2人は、これまでの滞在要員と交代して10月までの約半年間滞在し、米航空宇宙局(NASA)が来月の打ち上げを目指す、野口聡一さん(40)らを乗せた米スペースシャトル「ディスカバリー」を迎えるのが大きな任務になる(写真はソユーズのカメラが写しだしたISS)。

2人は、ディスカバリーがISSとドッキングする約180メートル手前で機体を回転させる際に、耐熱タイルに損傷がないかどうかを複数の望遠レンズを使って撮影することになっている。【共同 04.17】

ロシアはモスクワ時間15日未明(日本時間同日午前10時20分)、中央アジア・カザフスタンのバイコヌール宇宙基地から、国際宇宙ステーション(ISS)の交代乗員ら3人を乗せた有人宇宙船ソユーズTMA6を打ち上げた。

搭乗しているのはロシア人、米国人、イタリア人の飛行士で、米露の飛行士が今後半年間、ISSに滞在する。イタリア人飛行士は10日間だけ滞在して、帰還する。

2003年2月に起きた米スペースシャトル空中分解事故で、スペースシャトルが利用できなくなっているため、代替措置として、ISSの乗員交代はロシアのロケットで行われている。【共同/Energia】

…現地は早朝で、朝焼けに彩られた暁の発進だったようです。非常に美しい光景ですね。

右手前に立っている人は、写真を撮っているのでしょうか…退避区域とかじゃないのかなぁ(^^;

なお、発射に先立つ深夜、宣誓式などが行われました。これは慣習に則って行われるもので、そこ1分程度で終わるものです。周囲を関係者や家族、それに多くの報道陣が囲みます。一斉に焚かれるフラッシュの中に立つこの時こそ、彼らが待ち望んでいた瞬間でもあるかもしれません。

飛行士達が左手に抱えている犬を入れるケージのようなものは送風機。これがないと、滝のように汗が流れるのだとか。あと、彼らが履いているブーツは、宇宙船に乗り込んだ後に係員が脱がせてくれるそうで…。

                 

12日、「宇宙飛行の日」を迎えたロシアで、市民に対する同国の宇宙開発に関するアンケートが行われた。その結果、大多数の人がロシアは今後も宇宙開発分野でリードし続けるべきだと答え、一方、もっと別の問題に目を向けるべきだという答えも得られたという。

調査は全ロシアパブリックオピニオン研究所によって1600人を対象に行われた。その結果、3分の2の人が今後も宇宙開発に力を注ぐべきと答えた一方、22%は今のロシアには負担が大きすぎると答えている。また、50%がロシアは宇宙開発シーンでどうにかリードしていると答え、41%がもはやそうではないと回答している。

一方、なぜロシアには宇宙開発が必要かとの問には、52%が「科学技術の発展に貢献」、44%が「防衛力の向上」、17%が「世界におけるロシアの威信の誇示」と答えた。

なお、85%が、ガガーリンの初飛行とその後の宇宙開発はロシアの誇りだと考えているという。【Mosnews 04.13】

…日本はペンシルロケット発射50周年を迎えますが、この際、市民の宇宙開発に関する理解と認知度をアンケートしてみるといいのではと思いますが、いかがでしょう…

ロシア宇宙庁とフランス・アリアンスペース社は11日、共同で南米・仏領ギアナのクールー基地にソユーズロケットの打ち上げ施設を建設することで合意した。

この計画は以前から進められてきたもので、ロシアが技術や資材を提供し、フランスが資金を提供することで、アリアン社の請負ロケットにソユーズを加えるというもの。

クールー基地は赤道に近いため、打ち上げの際、現行のカザフスタン・バイコヌール宇宙基地からの発射に比べ地球の自転を遙かに有利に活用できる。また、ソユーズロケットもハード面を大幅に改良したものを投入するため、打ち上げ能力も格段に上がることになる。

建設は直ちに始まり、2008年には第一号機を打ち上げる予定という。
【Arianespace 04.12】

ロシアの宇宙ロケットに、日本酒の酵母を乗せ、帰還後にその酵母を使った「宇宙酒」を造る計画が高知の酒造組合などで進んでいる。産業活性化のため、宇宙利用を検討中に浮上した。今秋にも打ち上げ予定で、酒豪の多い高知らしい試みに、関係者は「夜空を見上げながら、宇宙酒で宇宙酔いをしてみたい」と夢を膨らませる。【毎日 04.10】

欧州宇宙機関(ESA)はこのほど、ロボット探査車を使って火星の地表近くで生命を探す計画を表した。探査車で穴を掘り、生命存在の証拠あるいはその痕跡を見つけ出すことを目指す。2013年6月に火星表面で実際に探査を行なう計画(詳細はこちら・アニメーションあり)。

ESAの長期的な火星探査計画『オーロラ』の一環。現在有力なプランでは、地表から2メートルの深さまで掘れるドリルを探査車に搭載し、水の有無や土壌の化学組成・垂直分布などを調べるという。探査車と地球とのデータ通信には、米航空宇宙局(NASA)の火星周回衛星を利用する。

ロシアの『ソユーズ』ロケットで2011年6月に打ち上げる計画。オーロラ計画ではこれに続き、2016年には火星表面で採取したサンプルを地球に持ち帰るミッション、さらに2030年代には有人探査機を火星に着陸させる構想を持っている。

15日にカザフスタン・バイコヌール宇宙基地より打ち上げ予定のソユーズTMA−6宇宙船の最終チェックが完了し、全体がシュラウド(保護カバー)内に納められました。

写真がその格納シーンですが、後方から挿入されるのがソユーズ。これ全体がロケットの先端に装着されて打ち上げられます。

見ているだけで、丁寧に建造されているのが伝わってきます。エンジニア達の気持ちのこもった“作品”という雰囲気が熱く感じられます。【photo: Energia】

コロンビア事故から2年3か月ぶりに打ち上げが再開される米スペースシャトルに搭乗する日本人宇宙飛行士・野口聡一さん(39)は8日、米テキサス州ヒューストンの米航空宇宙局(NASA)ジョンソン宇宙センターと東京・丸の内の宇宙航空研究開発機構とを結んだテレビ会議システムで記者会見に臨んだ。

その中で、野口さんは、松井秀喜選手やイチロー選手など米球界で活躍する日本人7選手がサインを寄せてくれた野球ボールを披露。「コロンビアの事故で亡くなったウィリアム・マックール操縦士は野球が好きだった。一緒に訓練した思い出を込めて宇宙へ持っていきたい」と話した。

また、宇宙航空研究開発機構とテレビ局の共同企画として野口さんに特製宇宙食カレーを作ったアイドルグループ「SMAP」の香取慎吾さんらも出席。「宇宙から地球を見るときに聴くのは、誰の音楽がベストか」と質問し、乗組員の1人が「『3B』のベートーベン、バッハ、ビートルズだ」と答える一幕もあった。【各種報道 04.08】

ロシア宇宙庁(Roskosmos)はロケット産業に従事するロシア企業に対し、ロケットを安く世界に提供することを阻止する構えであることを明らかにした(つまり、「価格破壊」をするなってことですかねぇ?)。

ロシア宇宙庁は「近年、ロシア企業は外国顧客の衛星打ち上げを、世界相場よりも安く提供している」とし、特に、ドニエプルロケットを用いた打ち上げがそうだと指摘している。【Mosnews 04.06】

…ドニエプルロケットは弾道ミサイルを民需転換したもので、日本の衛星の中にもこれで打ち上げ予定のものがあります。なおドニエプルロケットは、ウクライナが製造しているものです。【管理人】

大ピンチ!?

イランの核開発などを阻止するために米政府が制定した「イラン不拡散法」の影響で、国際宇宙ステーション(ISS)に将来、米国や日本の飛行士が滞在できなくなる恐れが出てきた。

イラン核開発の支援国としているロシアへの資金拠出を同法が禁じているためだ。来春以降、ロシア宇宙船「ソユーズ」を、日米は使えなくなる。

米議会事務局は、同法の修正などを提言した報告書を今月まとめ、早急な検討を議会に促した。

現在のソユーズを使った乗組員の無償輸送は1996年の米露合意に基づいており、その運用は今秋まで。来年春以降は、米側もソユーズの打ち上げ費用を負担する必要が生じる。

ところが同法は、イランに対するロシアの核・ミサイル技術拡散の疑いがある限り、ISS建設に関する対ロシア資金援助を禁止している。同法が制定されたのは2000年だが、その後、米国のISS予算削減やスペースシャトル事故によって、ソユーズへの依存度は高まってきた。滞在する乗組員の緊急脱出用のほか、スペースシャトルが使えない場合の人員輸送でも、ソユーズはISSの維持に不可欠となっている。

最近のロシアは、イランの核開発に理解を示しており、ブッシュ米大統領が同法の適用を止める考えはないと見られている。

米国は、10年にシャトルが退役してから後継機が導入される14年まで、自前の人員輸送手段がない。日本人飛行士の滞在が始まるのは早くても09年とみられ、シャトル退役に間に合わなければ、ソユーズが唯一の頼り。

日本人飛行士の活動は日米間の契約に基づいているため、文部科学省は今のところ「ロシアと交渉する考えはない」として、米国の対応を見守っている。【読売 03.23】

宇宙旅行を手がける米スペースアドベンチャーズ社は12日、元ライブドア取締役の榎本大輔さん(33)が今年10月、ロシアのソユーズ宇宙船で国際宇宙ステーションに行き、1週間滞在する見通しであることを明らかにした。

旅行代金2000万ドル(約20億8000万円)の一部は手付金として払われている。ロシア側の最終判断を待ち来月にも正式決定する。

民間人の宇宙ステーション滞在は、2001年の米実業家、02年の南アフリカの実業家に次いで3番目。日本人では初の個人旅行者になる。榎本さんは現在、IT企業への投資活動を行っている。昨年11月に申し込み、米露で健康診断などを受けてきた。【読売 03.14】