告知: 宇宙の傑作機15「ルナ月探査機」

【訂正 01.17.2011】

次のようなご指摘がありましたので、訂正と説明をさせていただきます。

「「ルナ月探査機」を購入し拝読しました、明らかに間違いだろう箇所を指摘させて戴きます。
1.P32の下、パルス幅変調の所です、まずパルス幅変調はデジタルではありません、計測したアナログ値をパルスの幅にして伝送する方法です。ですので現在の携帯電話などのデジタル信号の伝送方式と大きく異なります。ICが実用化される以前である当時の電子技術では、計測値を数量化(デジタル化)するためには、巨大なトランジスタ回路が必要になります、ちなみにアポロ計画での映像電送もアナログの伝送でした。
2.P33のアンテナの写真のキャプションですが、写真から見ると、ヘリカルアンテナの多段スタックですね[空中線が螺旋を描いている)、ダイポールでは無いですね。

同じ「宇宙の傑作機」シリーズの「アポロ誘導コンピュータ」を読みますと、電子技術では数十年先を行ってたアメリカでさえ、宇宙機搭載の電子機器に苦労している様子が伺えます。
文字を符号化して送るテレタイプは1930年代には実用化されていましたが、1秒間に50文字程度の大変に遅い物であくまで押されたキーに対応する符号を送りだす物です、計測した値をデジタル化し、データ伝送が本格的に可能になったのはアメリカや日本でさえ1980年代以降です。」

…ご指摘ありがとうございました。まず1の件につきましては、筆者の不勉強でした。パルス幅変調はデジタルのひとつという認識でおりましたが、アナログなのですね。きちんと確認してみます。

また、2の件につきまして、実は本サイトに掲載しております初版(こちらです)では「ヘリカルアンテナ」と記しており、この執筆当時はご指摘のものと同じものと認識しておきました。今回本書を執筆するにあたり、改めていろいろと資料をみておりますと、「これはダイポール」という既述を見かけ、「このような形のダイポールがあるのかなぁ…」と思いつつも、そのものとして書き込んだ次第です。実はこの点はかなり考え込んだのでした…半波長ダイポールをたくさん植え並べたものかな?等…要はしっかり判断が付かなかったわけですが、このことも一言触れておくべきでした(言い訳がましくて申し訳ございません)。

以上、次回改訂等がある際には、書き直しを入れようと思います。この度はご指摘を下さり誠にありがとうございました。


【告知】宇宙の傑作機15「ルナ月探査機」を風虎通信さんより出させて頂きます。

2010年夏コミにて頒布・宇宙の傑作機シリーズ14「ルノホート」に続きまして、今回、「ルナ月探査機」を出させて頂くことになりました。

1950年代末、スプートニクを成功させたソ連と、それに刺激を受けた米国が熾烈なロケットレースを繰り広げました。パワーをどんどん強くして、ついには地球の重力圏を振り切って、外宇宙へ…彼らは手始めに、月を選びました。地球からはその裏側を見ることができないという魅力といい、大いにそそられる対象です。

月面に最初に衛星を命中させ、しかも裏側の撮影と電送を初めて成功させたのはソ連でした。本書はそれを達成させた衛星「ルナ1〜3号」に焦点をあて、解説を試みています。衛星開発に関わった人々や計画が実現化するまでの経緯、衛星そのもの、そして実際のミッションの様子をまとめております。また、当時の報道ぶりを垣間見ることで、宇宙開発に対する人々の興奮に触れています。

ちなみに当サイトには既に関連話がありますが、ルノホート本と同様、それを全面的に見直し、ボリュームを増したものとなっております。(目安として、文量はルノホート本の5割増)

このような方には特にお勧めです。

宇宙開発(特にロシア方面)に興味のある方
宇宙機全般に興味のある方
ルナ1号と2号の違いは何?という方
ルナ1〜3号、地味な印象だけど面白いの?という方
詳細をまとめて一冊で知りたい方
...etc

どうぞ宜しくお願いいたします。

[頒布場所]
コミックマーケット79 in 東京ビッグサイト
3日目(12/31) 東-ハ06b 風虎通信

【管理人 12.17.2010】