宵の明星の光と影

初版: 11.28. 2005

しばしば、金星は影を投げかけることができるくらいに明るいと言われる。しかしそれは本当だろうか?金星の影を見たという人は、殆どいない。しかしそれはあるのだ。つかまえどころのない、エネルギーを要する捜し物だが、もしあなたがレアものずきであれば、その目撃はゾクゾクするものになるだろう。

英国のアマチュア天文家ペーテ・ローレンス氏はちょうど2週間前、金星の影を撮影することに成功した。それは、彼が1960年代から続けてきた探求が実ったものだった。

「私が少年の頃、パトリック・ムーア卿が著した本を読んだことがある。そこには、影を投げかけることが天体は、この世には3つしかないと書いてあった。太陽、月は明らかだが、加えて、これは私が惹かれたものであったのだが、金星だ。」

それから40年の歳月が過ぎた。

「全くもって、それは偶然のものだったよ。数ヶ月前、たまたまパトリック卿の自宅を見つけたんだ。そこで話をしていて、金星の影がまだ写真に撮られたことがないことを知ったんだよ。彼は私に、『しっかりとした金星の光の影の写真は殆どなかったはずだ。』と語ったんだ。」

11月18日、彼は14歳になる息子リチャードと12歳のダグラスを連れて、家の近くのビーチへと出かけた。空には稲妻もなく、月もなく、人工の光もなく、ただ金星とその他の星々だけが輝いていた。彼らはその夜とその二日後の夜、カメラの三脚やくりぬいた厚紙、子供の手などの影−金星の光による−を撮影した。

その影は極めて淡いデリケートもので、「僅かな動きが輪郭を損なってしまうほどだったよ。とても難しかった」と氏は語る。
             

(左は氏が撮影した金星。日没直後のようで、まだ薄明が残っている・・勿論、金星光による影は全く生じない。ただ、水面には金星光が写っているが・・これだけでも珍しいものでは・・!?右は、金星の光で醸し出された手の影。かなり淡いが、間違いなく影ができているのがわかる。)

「確かに難しかった、しかし、やってみる価値はある」と、彼はいう。だが、どれほどの人々が、他の惑星の光による影を見ることができるのだろうか…?

(素晴らしい数々のフォトがリリースされています。こちらをぜひご覧下さい→Venusian Shadow)【NASA 11.28】

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