スパイ衛星をスパイせよ

初版: 11.17.2002

我々の知らないところで、彼らは監視を続けている…?

地球に接近する小惑星などを監視する「日本スペースガード協会」は先月上旬、超巨大な情報収集衛星の存在を発表した。これはインドネシア付近の赤道上空3万6000kmの静止軌道上に静止しており、パラボラアンテナの直径が約50mに達するとみられる超弩級サイズ。米国が通信傍受などのために打ち上げた極秘衛星の1つと見られている。

彼らはいったい、何を見張っているのか?50mのパラボラでというと何でも捕まえそうだが、実はその常軌を逸した特殊性ゆえ、かなり限られてくる可能性が高い。また、軍事衛星の類は90分で地球を1周するような、地上から数百km程の低軌道を周回する軌道に乗せられることが殆どで、静止軌道に投入されるものは少ない。定点で恒常的に情報収集を行っているということは…地上で使用されている携帯電話や基地間通信といったものの傍受だろうか?

ところで、青森の男性天文マニアが先月20日未明、この衛星の撮影に成功している。10年前ではアマチュアには買うことなどできなかった高性能冷却CCDカメラも、まだ高価とはいえ一般人の射程圏に入るようになり、多くのマニアがこれを用いて天体捜索を行う時代。この男性も仲間同士の情報交換で同衛星の概略位置を知り、見事、2夜目で撮影に成功したのだった。