オランダの画家ファン・ゴッホの作品「Moonrise」(月の出)。彼は記憶に頼らず、見たありのままをほぼ忠実に描写した画家なのだが、この度、この絵が描かれた場所と日時を、米国の研究者が突き止めた。発表された内容によると、ゴッホはこの絵を1889年7月13日、フランス南部サン・レミ・ド・プロヴァンスのサン・ポール修道院で、夜9時8分の月を見て描いたという。
ゴッホがこの絵を描いた日時と場所を特定したのは、米サウスウェスト・テキサス州立大学のドナルド・オルソン教授。オルソン教授は、妻であるマリリン・オルソン教授、並びにラッセル・ドーシャー教授とともに、ゴッホの手記や彼が弟と交わした手紙、月齢表、現地調査の結果などを詳細に研究。その結果、描かれた日時と場所を特定したという。
これらは長年、美術史の謎の1つとされてきた。同教授は2001年にも、ゴッホの別の作品が描かれた日時を特定しており、「この日以外では、月の見え方は絵のようにはならず、この絵が描かれたのはこの日以外にあり得ない」と話している。【CNN/
Reuters】