どちらが偉大なのか?

初版: 12.31.2005

相対性理論で有名な、20世紀を代表する物理学者アルバート・アインシュタインと17世紀の科学者アイザック・ニュートンと、どちらが偉大か…先頃、ロンドンに本部を置く「ロイヤル・ソサイエティ」が行ったアンケートで興味深い結果が出た。

ニュートン(左)は英国の科学者で、物理、数学など各方面で業績を残した人物。彼の運動理論は今日の物理学の礎となり、また、その記述を数学で記述すべく発展させたのが微分積分であるのはよく知られた話。その一方、錬金術にのめり込んでいたのも有名。

ドイツ生まれのアインシュタイン(右)は「世紀の天才」とも言われており、彼の発表した「特殊相対性理論」、「一般相対性理論」は光と時間の性質を再定義しなおし、それまで絶対と信じられていたニュートンの理論を包含する、よりスケールの大きな理論。「宇宙」や「空間」といった、我々の住む「容器」そのものの構造議論を可能にした。

ただ、特別天才だったわけでもないという話もある。彼は数学者リーマンに数学を教えてもらっていたとも言われている。一般相対性理論はリーマン幾何で記述されている世界。

さて、ロイヤル・ソサイエティは「科学に最も貢献した有名な科学者はだれか」との質問を一般の1300人以上におこない、また、350名のソサイエティ会員に行ったという。その結果、一般ではニュートンが0.2ポイントだけアインシュタインを上回ったのに対し(50.1% 対 49.9%)、ソサイエティ会員の間ではニュートンが約61%と高支持率を得た。

「多くの人々はニュートンとアインシュタインの比較を、りんごとオレンジの比較のようなものだというが、しかし最も重要なことは、両者の巨大な貢献が、世界中に大きなインパクトを与えたことだ」と語るのは、ロイヤル・ソサイエティの会長ペーター・メイ氏。

しかし、双方の支持者の主張合戦は、傍観者には面白い。

ニュートン支持者は、彼こそが近代科学の手法を確立した張本人だと強く主張する。一方、アインシュタインの支持者は、彼はニュートンが主張した時間と空間は別物だという考えが最終的に誤りであったことを明らかにし、更に、宇宙の始まりや、ブラックホールといったものの議論を可能にしたことを称えている。【SpaceDaily 11.24】

…まあ、英国ロイヤル・ソサイエティの会員なら、ニュートンを支持するのもムリはないかなと・・(笑)