スペース・ニュース

最近の宇宙開発シーンから



米航空宇宙局(NASA)は12日、36年前に打ち上げられた探査機「ボイジャー1号」が、人工物として初めて太陽系圏から脱出したと発表した。

太陽系圏は、太陽と惑星および太陽風と、外の宇宙とを隔てる磁場の境界を指す。ボイジャー計画を率いるエド・ストーン氏は、「ボイジャーは太陽系圏を離れて恒星と恒星の間の宇宙の海の航海に乗り出した」とコメントした。

今後は「恒星間空間の探査という初のミッション」(ストーン氏)に取り組み、太陽風と別の恒星からの恒星風の相互作用についての研究に乗り出すという。

米アイオワ大学などの研究チームが科学誌サイエンスに発表した論文によると、ボイジャー1号は2012年8月25日ごろに恒星間空間に入った。太陽系圏離脱はこれまでにも伝えられていたが、NASAが正式発表したのは今回が初めて。

ボイジャー1号と2号は1977年に打ち上げられた。NASAによると、1号は現在、地球から188億キロ、2号は153億キロの地点にある。

ストーン氏によれば、「太陽系」の定義には遠く離れて太陽を周回する彗星も含まれる。このため厳密に言えば、太陽系を離脱するまでにはあと3万年かかるという。約4万年後には太陽系外の恒星に接近する見通し。

ボイジャーは1号、2号とも、宇宙人と遭遇した場合に備えて地球の画像や音声を記録した金色のディスクを搭載している。2号もあと3〜4年で太陽系圏を脱出する見通しだ。【CNN 09.13.2013】


1971年12月2日、火星へ着陸し火星面から初めて地球へ信号を送り返すことに成功したソ連のマルス3号着陸機および関連物と思われる物体が発見された。これは、NASAの火星周回探査機「マーズ・リコネッサンス・オービター」(MRO)の望遠カメラ「HiRISE」で撮影された画像の中で見いだされた。

ソ連は1971年5月19日と同21日、マルス2号とマルス3号を打ちあげた。共に史上初の火星軟着陸を目指していたもので、同年11月27日、マルス2号の着陸機が火星へ突入したが、突入角が深すぎ大気中で燃え尽きた(ないしは地表へ激突)したと考えられている。一方、3号の着陸機は12月2日、火星面への軟着陸に成功し、信号を地球へ送信してきた。火星面からの史上初のシグナルであったが、しかし、送信開始から15〜20秒足らずで途絶えてしまっている(当時火星大気で生じていた大規模な砂嵐が原因と考えられている)。

着陸地点は南緯45度、東経202度の、プトレメウス・クレーター内と考えられてきた。MROのHiRISEカメラは2007年11月にこの地域の高解像度撮影を行いデータを取得、公開している。この画像をロシアの火星ファンらが解析し、今回の発見にこぎ着けたのであった。

NASA火星探査車「キュリオシティ」の、ネット上のロシア人ファン(Twitter的に言えばクラスター?・・笑)を束ね、SNSで記事を発信しているサンクトペテルブルグのヴィタリー・エゴロフ氏の読者らが捜索を行っていたのである。これに先立ちエゴロフ氏は、「こう見えるのではないか」という推定図を作成し公開している。

彼らは実にほぼ5年にわたる丁寧で根気強い調査の結果、2012年12月31日、それらしい物体を見つけ出した。エゴロフ氏のグループに助言をしているモスクワのベルナドスキー地球化学研究所はHiRISEカメラ部門責任者のアルフレッド・マクエヴェン氏にこのことを伝え、同地域の再撮影が今年3月に実施された。この撮影ではこの地域のカラー画像が取得された。また、71年当時マルス3号計画に携わっていた研究者達にコンタクトを取り、意見を求めたりもした。

下の画像が、2007年および今年3月に撮影された画像を並べたもの。最も特徴的なのはパラシュートと思われる円状の物体。直径7.5メートルで、もし最大に展開していたら11メートルになるものであったため、サイズの合い具合は悪くない。火星というと砂嵐が一般的で、このような膜状のものは砂に埋もれてしまうと考えるのが自然だが、これまでの年月の中で、砂が取っ払われたタイミングに出くわしていたのかも知れない。

 

マルス3号のパラシュートの先には逆噴射ロケットを備えた降下ステージがぶら下がり、更にその下に着陸カプセルがチェーンで宙づりになっていた。画像では、降下ステージと着陸カプセルらしきものが確認されている。降下ステージには一筋の線状のものが見えるが、これはチェーンと解釈することもできる。また、カプセルには4枚のペタル(花弁状カバー)がついているのだが、目を凝らすと、それが見えるような気もする(?)。(下はマルスの着陸シーケンス)

 

降下ステージから伸びるのは、チェーン(?)。右下の着陸カプセル、目を凝らしてみると、4枚のペタルのうち2枚、上と左にそれっぽいものが見えなくもない。
       

現段階ではまだ「候補」としか言えない段階であり、今後さらに詳しく検討する必要性があるとのこと。詳細や大きい画像はこちらこちらへ【NASA 04.11.2013】

…まだ候補の段階ですが、かなりそれっぽいものが見つかり、ロシア宇宙ファンにはたまりませんね^^!ついに見つかったか、マルス3!笑


ソユーズロケットの組み立てから射点への移動、発射までを早送りでまとめた動画を見つけました。ソユーズは射点へ立てられた後、180度回転するのですが、それを映した動画は初めてのものかと…。グルグル回るシーンが数秒ですがありますが、圧倒です:-) こちらへ


日本時間19日21時12分、カザフスタン・バイコヌール宇宙基地より国際宇宙ステーション(ISS)へ向けて交代要員を載せたソユーズTMA−07M宇宙船が打ちあげられました。
 

宇宙船は2日後の21日に無事、ISSに到着しました。

下は搭乗クルーのクリス・ハドフィールド(フライトエンジニア・カナダ)、ロマン・ロマネンコ(船長・ロシア)、トム・マーシュバーン(フライトエンジニア・NASA)の3飛行士。これまでの光景と大きく異なるのは、彼らが防寒コートを着ている点。解説によると、耐寒性の高いスペシャルなコートなのだそうで。ちなみに普通のミッションでは宇宙服内部に風を送る弁当箱のような送風機をクルーは手にしていますが、それも持っていません。夏場はそれがないと滝汗が出るのだそうですが、それを考えると極寒では必要ないですね。(大きいサイズ
 

【photo: NASA】


地上から約400キロの国際宇宙ステーション(ISS)に約4カ月間滞在した星出彰彦宇宙飛行士(43)は日本時間19日午前10時56分、米露の宇宙飛行士2人と共に、ロシアのソユーズ宇宙船「TMA−05M」でカザフスタン中部の雪原に着陸した。星出さんは報道陣に「楽しい4カ月でした。日本の皆さん、応援をありがとうございました」と笑顔で語った。

星出さんは同日未明、ISSに残る米露の3飛行士に別れを告げ、米国のサニータ・ウィリアムズ飛行士(47)、ロシアのユーリ・マレンチェンコ飛行士(50)とISSに接続されていたソユーズに乗り込んだ。

午前7時26分にISSから離脱したソユーズは、午前10時ごろ、周回軌道から離脱して高度を下げるためエンジンを噴射。ソユーズは三つに分離され、それぞれ黒海上空約100キロで大気圏へ。星出さんら3人が乗るソユーズの「帰還カプセル」は、大気圏に入ると機体の表面温度が約2000度まで上昇して「火の玉」のような状態になるが、表面の耐熱材を蒸発させることで熱を発散し、内部は常温を保つ。

帰還カプセルは、高度約10キロでパラシュートを開き、降下速度を毎秒7〜9メートルまで減速。着陸直前に逆噴射、衝撃を和らげて着地する。現地の気温は氷点下約10度で、雪が積もっている。

星出さんは今年7月15日、カザフスタンのバイコヌール宇宙基地からソユーズで打ち上げられ、同17日からISSでの滞在を始めた。計3回の船外活動(宇宙遊泳)に臨み、ISS外部の電力供給装置を修理するなどした。星出さんの船外活動時間は計21時間23分で日本人最長となった。また日本実験棟「きぼう」からロボットアームを操作し小型人工衛星5基を宇宙空間に放出するなど多くの実験に取り組んだ。【毎日 11.19】


ロシア通信(RIA)は14日、モスクワ近郊の電気ケーブルの故障により、同国民間宇宙衛星および国際宇宙ステーション(ISS)のロシア区画への指令送信ができなくなっていると報じた。

同通信によると、ロシアの宇宙分野関係者は「民間衛星をコントロールする能力を失うとともにISSのロシア区画に指令を送れなくなっている」と述べた。

19日に予定されている星出彰彦さんらISS滞在中の宇宙飛行士3人の帰還が遅れる可能性がある。【時事 11.15】

…別の情報によると、付近の高速道路工事の業者が誤ってケーブルを切ってしまったとか。なんでもアリのロシア。^^;


世界最大級のドキュメンタリーチャンネル「ディスカバリーチャンネル」は、実物のジェット旅客機を実際に墜落させる大規模実験を行なった番組「好奇心の扉:航空機事故は解明できるのか?」(2時間)を、11月6日夜10時から日本初放送する。

今までは事故後のデータしかないため推測しかできなかった航空機が墜落するメカニズム。番組では、そのデータを得ることにより、航空機の安全性を高めることを目的に、ジェット旅客機「ボーイング727」を、メキシコの砂漠に墜落させるクラッシュテストを行なった。機内には、衝突試験用のダミー人形をはじめとする実験器具とともに、約40台のカメラやセンサーを設置して、墜落の一部始終を記録した。

実験機に搭乗した人数は6名(飛行要員3人とそれぞれのスカイダイバー)。墜落の30分前に副操縦士と航空機関士がパラシュートで脱出。通常の旅客機はエンジン近くに脱出ハッチがあるが、この機体は後方にあるため、脱出が安全だ。パイロットは、追跡飛行していたセスナ機による遠隔操作に操縦を交代し、墜落3分前にスカイダイバーと脱出。その後、遠隔操作で所定の位置に墜落させた。

1984年にNASAが入念なリハーサルを行ったにも関わらず、墜落時に予想を上回る炎上が起きて失敗したように、墜落後に機体が燃えてしまうとデータが手に入らないため、データを取得できる状態での墜落を目指した。84年のNASA以降、航空機を使った大規模な実験は、予測不能で危険すぎ、費用もかかるという理由で行なわれてこなかった。続きはこちらへ【RBB TODAY】


国際宇宙ステーション(ISS)で、3回目の船外活動に挑んだ星出彰彦宇宙飛行士(43)は2日未明(日本時間)、6時間38分で予定の作業を終えた。

通算の船外活動時間は計21時間23分となり、野口聡一宇宙飛行士(47)が、同じ3回の活動で記録した計20時間5分を超えて、日本人飛行士としては最長となった。

星出さんは1日午後9時29分、米国の女性飛行士、サニータ・ウィリアムズさん(47)とペアを組んで船外活動を開始。ISSに電気を供給する太陽電池関連装置で、冷媒のアンモニアが漏れている可能性がある放熱器につながる配管を、予備の放熱器につなぎ替えた。凍結したアンモニアの粒がヘルメットにあたるアクシデントもあったが、2日午前4時7分、無事に作業を完了した。【読売 11.02】


日米欧が2008年に打ち上げた天文衛星「フェルミ・ガンマ線宇宙望遠鏡」による観測で、宇宙初期に形成された星や銀河が放出した光の総量を間接的に捉えることに、広島大や早稲田大、米スタンフォード大などの国際研究チームが初めて成功した。米科学誌サイエンス電子版に2日発表した。

広島大の深沢泰司教授は「今後観測データが増えて光の総量の精度が上がり、星や銀河の数と放出される光の対応関係に関する理論研究が進めば、初期の星や銀河がどのように形成されたかを推定できるようになる」と話している。【時事 11.02】


星出彰彦宇宙飛行士(43)が長期滞在中の国際宇宙ステーション(ISS)で、日本とロシアのメダカを約2か月間、飼育する実験が26日から始まった。

ロシアのソユーズ宇宙船に積み込まれた32匹が同日、ISSに到着した。

宇宙で魚やカエル、エビなどの水生生物を飼育する実験はスペースシャトルで行われたことがあるが、最長でも2週間程度だった。初めての長期飼育を通じて、宇宙の微小重力で骨が弱くなる仕組みを詳しく調べる。メダカは、骨を作ったり、壊したりする細胞が光るように、遺伝子組み換えされている。

到着したメダカは、星出飛行士らが早速、専用水槽に移した。専用水槽は水がこぼれないように密閉構造で、餌も自動的に投入される。メダカは成長と産卵の周期が早く、1〜2か月で世代交代する上、遺伝的な情報も解明済みで、実験生物として扱いやすい。【読売 10.26】


ロシアの有人宇宙船「ソユーズTMA06M」が23日、カザフスタンのバイコヌール宇宙基地から打ち上げられ、地球周回軌道に入った。ロシア人2人と米国人1人が搭乗しており、25日に国際宇宙ステーション(ISS)とドッキングした後、長期滞在中の星出彰彦さん(43)ら3人と対面する。

7月からISSに滞在している星出さんは、11月1日に今回の任務中最後となる船外活動を実施。その後、到着した3人に任務を引き継いだ上で、自分たちが乗ってきた「ソユーズTMA05M」で同月19日にカザフスタン領内に帰還する。【時事 10.23】

地球からそう遠くない恒星系に「ダイヤモンドの惑星」が存在するとした仏米合同チームの論文が、11日の英学術誌「Astrophysical Journal Letters」で発表された。

「かに座55番星e(55 Cancri e)」と呼ばれるこの惑星は、地球からわずか40光年の距離に位置し、その大きさは地球の約2倍、質量は8倍に上るという。2011年に初めて観測され、これまでは地球と似た化学構造をしていると考えられていた。

だが詳しい分析の結果、その構造は地球とは全く異なることが分かった。研究を率いた米エール大学(Yale University)の博士研究員ニック・マドゥスダン(Nikku Madhusudhan)氏は、「この惑星の表面は水や花崗(かこう)岩ではなく、グラファイトとダイヤモンドで覆われている可能性が高い」と述べている。また水は全く存在しないとみられ、総質量の最大3分の1がダイヤモンドで構成されている可能性もあるという。

「ダイヤモンドの惑星」は過去にも発見されているが、太陽に似た恒星の周りを公転し、詳細な化学構造が特定された惑星は初めてとなる。研究チームは、恒星の前を横切る惑星の観測データからその半径を算出し、また質量の推定データと合わせて惑星の構成要素を割り出した。

かに座55番星eの公転速度は非常に高速で、地球が太陽を1年かけて公転するのに比べ、この惑星はわずか18時間で親星の周りを一周する。また、恒星との距離が非常に近いため、地表の平均温度は摂氏2148度にも達し、生命の維持には全く適していないという。

今回の発見により、宇宙には当初考えられていたよりもはるかに多種の惑星が存在することを示す証拠がまた1つ増えたとされた。【AFP時事 10.12】


米航空宇宙局(NASA)は11日、火星探査車キュリオシティー(Curiosity)が火星で初めて採取した岩石を分析した結果、地球の火成岩と類似していることが分かったと発表した。

ミッションの共同調査担当者で米カリフォルニア工科大学(California Institute of Technology)のエドワード・ストルパー(Edward Stolper)氏によると、NASA技術者の名前から「ジェイク・マティアビッチ(Jake Matijevic、通称ジェイク)」と名付けられたこの石の化学成分は、地球の火山帯でみられる火成岩と非常によく似ていた。火星の岩石としては珍しく、造岩鉱物の長石を多く含む一方、マグネシウムや鉄分の含有度は低いという。

NASAの声明によると「ジェイク」と似た化学成分を持つ地球上の岩石の多くは、水分を多く含むマグマが上昇して地殻下のマントルで結晶化したもの。ストルパー氏は「たった1つの火星の石だけでは、地球の火成岩と同じ経過で形成されたものだと判断するのは難しい」と指摘した上で、起源を考察するきっかけにはなると述べた。【AFP時事 10.12】


第2次世界大戦勃発前夜の1938年、秘境だったチベットに足を踏み入れたナチス・ドイツの探検隊が発見した約1000年前の仏像は、宇宙から飛来した隕石(いんせき)を彫刻して制作された極めて異色の作品だったことが分かった。ドイツの調査チームが鑑定結果を26日、学術誌に発表した。

この探検隊は、ナチス親衛隊(SS)長官ハインリヒ・ヒムラーの支援の下で派遣されたもので、「アーリア人の優越」というナチスの人種イデオロギーの裏付けを探るためにチベットに送られた。ヒムラーはアーリア人の起源はチベットにあり、その優越性の証拠が同地で見つかると信じていたとされる。

探検隊が持ち帰った仏像は毘沙門天の座像で、高さ24センチ、重さ10.6キロ。「鉄の男」と呼ばれていた。

化学的に分析したところ、約1万5000年前にシベリアとモンゴルの境界付近に落下したチンガー隕石の一部を加工研磨して作られたと断定された。ナチスのシンボルであるかぎ十字とは逆向きの「まんじ」が胸に描かれ、探検隊が興味を持ったと言われている。【時事 09.27】

国際天文学連合(International Astronomical Union、IAU)は21日、天文学で用いられる距離の単位「天文単位(Astronomical Unit、AU)」の長さとして新たな数値を採用したと発表した。

天文単位は太陽と地球との平均距離で、天体間の距離を表すために使われる。これまで天文単位はモデルや観測などに基づいて経験的に決められてきたが、3メートルの誤差があったという。

今回のIAU決定により、天文単位の長さは1億4959万7870.7キロメートルになった。北京(Beijing)で8月20〜31日に開かれたIAU総会で承認された。【AFP時事 09.24】


宇宙航空研究開発機構は14日午後2時半ごろ、国際宇宙ステーション(ISS)に実験装置などを運んだ無人補給機「こうのとり」3号機を大気圏に再突入させた。機体は南太平洋上空で、ほぼ燃え尽きた。

3号機は分解の過程を連続撮影し、温度や加速度を測定する耐熱球形観測装置「アイボール」を初めて搭載。高度約65キロでこうのとりから放出され、パラシュートを開いて南太平洋に着水した。衛星電話回線でのデータ送受信に成功し、こうのとりが燃え尽きる様子を撮影した写真を地上に送った。

記者会見した宇宙機構の小鑓幸雄プロジェクトマネジャーは「3号機ということで成功の重圧もあった。ISS離脱時には予定外の軌道への投入があり、やきもきしたが、良いデータが取れた」と振り返った。

こうのとりは現在使い捨て型だが、宇宙機構はISSで実験した試料などを入れる耐熱カプセルを開発し、日本近海に落下させて回収する計画を進めている。機体の一部が燃え尽きずに海上に落ちる範囲を狭くする必要があり、分解の写真は機体改造に役立つ。【時事 09.15】


宇宙航空研究開発機構は13日、国際宇宙ステーション(ISS)に物資を運んだ日本の無人補給船「こうのとり(HTV)」3号機が、ISSからの分離時に衝突を回避するため、予定とは異なる軌道に入ったと発表した。

星出彰彦宇宙飛行士が滞在しているISSやHTVの安全性に問題はなく、予定通りに14日午後、大気圏に突入するという。

宇宙機構によると、HTVはロボットアームで切り離される際に勢いがつき、ISSに接近しすぎる可能性があった。HTVは異常を自動検知、急きょ安全な軌道へと移動したという。今後、当初の軌道に戻る。

今回、初の試みとして、特殊なカメラ「アイボール」で機体の最後の様子を撮影する。HTVは高度120キロ・メートルで大気圏に突入後、高度78キロ・メートルで機体が大きく壊れる。同65キロ・メートルでHTV内部に搭載した直径約40センチ・メートルのアイボールが飛び出し、HTVが燃え尽きる姿をとらえる予定。

アイボールはパラシュートを開いて南太平洋に着水し、温度変化や撮影のデータなどを衛星通信で送る。データは地球に荷物を持ち帰る往還機などの開発に役立てる。【読売 09.13】

…自動検知がしっかり機能したということはよいことですね。アイボールがとても楽しみです。さてどんな映像が…。


8日、火星探査車「キュリオシティ」のロボットアーム先端に取り付けられたカメラ「MAHLI」のレンズカバーが開かれました。その後何枚か撮影が行われましたが、画像はその中の一枚。車輪を撮影していますが、とてもクリアな映像ですね(驚)。(大きいサイズ

 

【photo: NASA】


1969年に米宇宙船アポロ11号の船長として人類初の月面着陸に成功し、先月82歳で死去した米宇宙飛行士のニール・アームストロング氏が、海に水葬されることが決まった。

遺族の代理人が6日発表し、ロイター通信などが報じた。米海軍のパイロット出身だった故人の遺志だという。

今月13日に首都ワシントンの大聖堂で葬儀を行った後、水葬されるが、海域は明らかにされていない。アームストロング氏は月面着陸の際「一人の人間にとっては小さな一歩だが、人類にとっては大きな飛躍だ」との有名な言葉を残した。先月25日、心臓血管手術後の合併症で亡くなった。【読売 09.07】


火星探査車「キュリオシティ」、順調にウォーミングアップを続けています。着陸から29火星日(9月4日)までに109メートルを走行し、各種分析機器の立ち上げも行われています。下は火星周回探査機「マーズ・リコネッサンス・オービター」(MRO)が撮影した着陸地点(大きいサイズ)。目指すは右の赤く示された“Glenelg”と命名された場所。

 

下はロボットアームの先端についている分析カメラ(MAHLI)と研磨機器。カメラには透明ダストカバーがつけられており、着陸時に舞い上がった地表の砂ホコリでピンク色に色づいています。カメラ使用時はこれがパカッと開いて使われるわけですね。それにしても鮮やかな映像です。(大きいサイズ

 

そのMAHLIカメラのキャリブレーションターゲットがこちら(下)。ロボットアームの“肩”の部分に取り付けられています。1ペニーコインが貼り付けられており、資料の大きさ比較に使われます。(大きいサイズ



下は24火星日(8月30日)に撮影された一枚(大きいサイズ)。ジョイスティックのようなものは日時計/カラーキャリブレーションパターンで、その直上に見える酒ボトルのようなものは交信アンテナ。右側にはRTG原子力電池が見えます。

荒野についたできたての轍も印象的。米メディアでは、オポチュニティやスピリット関連記事で、挿絵として轍の写真が掲載されていることがしばしばありました。このようなアングルが好きなのかも知れませんねぇ。西部開拓精神を彷彿とさせるのでしょうか。

 

もう一枚…MROが撮影したパラシュートとバックシェルの最新画像。(大きいサイズ
 

【photos: NASA】


宇宙航空研究開発機構は6日、日本の無人補給船「こうのとり(HTV)」3号機が13日に国際宇宙ステーション(ISS)を離れ翌夕にも大気圏に突入すると発表した。

こうのとりは7月21日、食料や実験装置などを積んで打ち上げられた。本来は7日にISSを離れる予定だったが、星出彰彦宇宙飛行士らが日本時間の5日夜から6日未明にかけて船外活動に再挑戦したため、延期された。

大気圏突入時には、内部に積んだ特殊なカメラを使い、燃え尽きる様子を撮影する。【読売 09.06】


国際宇宙ステーション(International Space Station、ISS)に滞在中の星出彰彦(Akihiko Hoshide)さんら2人の宇宙飛行士が5日、前週に続いて船外活動を行い、電力切り替え装置の交換に成功した。米航空宇宙局(NASA)が発表した。

星出飛行士は米国のサニータ・ウィリアムズ(Sunita Williams)飛行士と共に、前週の船外活動で完了できなかったボルト締め作業に取り組んだ。

ISSには太陽電池パドルからの電力を分配する「メインバス・スイッチングユニット(Main Bus Switching Unit、MBSU)」という重さ100キロの電力切り替え装置が4つある。そのうちの1つが故障したため、8枚あるパドルのうち2枚からの電力供給がストップし、宇宙ステーション内の機器の一部を止めざる得ない状況になっていた。

NASAによれば、今回の船外活動は6時間半近くに及び、日本時間の6日午前2時34分に終了した。

NASAのISSプログラム・マネージャー、マイク・サフレディーニ(Mike Suffredini)氏は、米ヒューストン(Houston)のジョンソン宇宙センター(Johnson Space Center)で開かれた記者会見で「ISSは良好な状態に戻った」と述べた。

今回が自身6度目の船外活動だったウィリアムズ飛行士は船外活動の累積時間を44時間に伸ばし、これまで米国のペギー・ウィットソン(Peggy Whitson)飛行士が保持していた女性宇宙飛行士の最長記録を更新した。【AFP=時事 09.06】


国際宇宙ステーション(ISS)に滞在中の星出彰彦さん(43)が日本時間5日夜に、ISSを修理するための船外活動に再挑戦することが3日、分かった。前回と同様、米国人女性サニータ・ウィリアムズさん(46)とペアで6〜7時間程度作業する予定という。

宇宙航空研究開発機構によると、船外活動は5日午後8時15分に開始予定。先月30日夜から31日未明にかけての船外活動では、ISSに予備の配電盤を取り付ける際にボルトが締まらず、修理は時間切れとなっていた。作業時間は史上3番目に長い8時間17分にわたったが、星出さんの体調に問題はないという。 【時事 09.03】


宇宙飛行士の星出彰彦さん(43)は日本時間の8月30日夜から31日朝にかけ、国際宇宙ステーション(ISS)で船外活動を行い、主要任務だった電源装置の交換作業をしたが、装置を固定するボルトが正常に回らず、作業は失敗した。ISSの当面の運用に影響はないという。

星出さんは30日午後9時16分に船外活動を開始。ロボットアームの先端に足を固定し、故障した電源装置の2カ所のボルトを電動工具で外そうとしたが、いずれも固く、取り外しに約2時間を要した。その後、新品の取り付け作業を始めたが、やはりボルトが固くて回らず、締められない状態が続いた。

星出さんは宇宙服内の酸素残量の制約から作業を断念。新品装置をロープで仮止めし、ペアを組んだ米国飛行士とともに31日午前5時33分、船内へ戻った。6時間半の予定だった船外活動は8時間17分に及び、史上3番目の長さとなった。

宇宙航空研究開発機構(JAXA)によると、ボルトや工具などの不具合が原因とみられる。対策のめどがつけば9月上旬にも交換作業を再開する見通しだが、星出さんが担当するかは決まっていない。【産経 08.31】


米航空宇宙局(NASA)は29日、火星に着陸した無人探査車「キュリオシティ」が、最初の調査地に向けて移動を始めたと発表した。

試験走行で足慣らししたキュリオシティは、生命の痕跡を探る調査に向けて第一歩を踏み出した。目的地は3種類の異なる地層が集まっている場所で、着地点から約400メートル離れている。掘削などの調査が予定されている。

キュリオシティは28日、この目的地に向かって16メートル進んだ。搭載しているカメラは、走行で火星の砂が付いた車輪をとらえた。キュリオシティは、進んだり止まったりを繰り返す。目的地に着くのは数週間後になる見通しという。【読売 08.30】


宇宙航空研究開発機構(以下、JAXA)は、7月3日から第一期水循環変動観測衛星「しずく」(GCOM-W1)による地球の観測を継続してきました。マイクロ波放射計が観測した海氷データを解析した結果、今年の北極海の海氷は、観測史上最も小さい面積を記録したことを確認しました。北極海氷の面積は、衛星観測史上最小だった2007年(425万平方キロメートル)より下回り、8月24日現在で、421万平方キロメートルまで縮小しました。

2011年9月には、観測当時、史上2位の小ささにまで海氷面積は縮小しました。その後、冬から春の期間に氷の一部が大西洋に流失していたことが衛星画像から確認されています。今年は春の段階で、北極海のほぼ半分の海域が薄い一年氷(前年の夏以降に生成した氷)で広く覆われていたことが衛星画像の解析から分かっており、近年の北極域の温度上昇などに伴い、海氷が薄くなっていると推定されます。

北極海氷は例年、9月中旬から下旬にかけて海氷面積が最小になります。融解最小時期に向けて北極海氷の融解は、まだしばらく続く見込みです。JAXAでは、今後も「しずく」による北極海氷の監視を続けていき、プレスリリースやウェブサイト等で最新の状況をご報告する予定です。 図を含む詳細はこちらへ【JAXA 08.25】


米航空宇宙局(NASA)は27日、火星上の無人探査機「キュリオシティ」との間で、録音した音声の送受信に成功したと発表した。ボールデン長官のメッセージが無線で送られ、さらに地上へ送り返されてきたという。

地球外の惑星との間で録音音声をやり取りした例は、これが初めて。ボールデン氏はメッセージの中で「探査機の火星着陸は簡単なことではない。ほかに試みた者もいるが、米国だけが成功した」と述べ、NASA職員や関係者の功績をたたえた。

キュリオシティ計画を担当するNASA幹部のデーブ・ラベリー氏は声明で、人類で初めて月面に立ったニール・アームストロング氏が先週死去したことに触れ、「この声に感銘を受けた誰かが、今度は人類初の火星着陸を果たすことを願っている」と述べた。

NASAはこの音声と同時に、キュリオシティから送られてきた新たな画像を公開した。約1年後に到達を予定する目的地、シャープ山の山腹などが写っている。

キュリオシティは先週、火星上で初めての走行試験にも成功した。送られてきたデータはすでに、これまでの探査機を全部合わせた量を超えているという。搭載した機器のうち、風向計だけは損傷していることが判明したが、原因は永遠に謎のままかもしれない。【CNN 08.29】


NASAの火星探査車キュリオシティが、100ミリのマストカメラ(Mastcam)でとらえたシャープ山の山腹(8月23日撮影)。

 

異なる地層が積み重なったこれまでにない火星の表情を明らかにしている。NASAはグランドキャニオンと特徴的によく似ているとコメントしている。試運転を終えたキュリオシティは本格的に走行を開始、今後は約8キロ離れた目標地のシャープ山まで約1年かけて移動する予定だ。シャープ山には何億年にもわたって積み重なった堆積物の層が豊富にあり、火星における水の歴史を解き明かすカギを握っている。またNASAは27日、火星に着陸した無人探査車キュリオシティが地球からの録音メッセージを受信、再び地球に送り返すことに成功したと発表した。メッセージの主でもあるNASAのチャールズ・ボールデン長官は、「我々が今回の探査で探査で期待する成果は、火星での生命の可能性だけでなく、地球の過去・未来についても多くのことを教えてくれるだろう」と語っている。【ナショナルジオグラフィック 08.28】


1969年、人類史上初の月面着陸に成功した米宇宙船アポロ11号の船長、ニール・アームストロング氏が25日、死去した。82歳だった。今月受けた心臓のバイパス手術後、合併症を患っていた。

オバマ大統領は25日、声明で「アームストロング氏は米国の偉大な英雄の1人」と強調した上で、「彼の精神は未知の物への開拓に身を捧げるすべての人々の心に生き続ける」と、最大級の賛辞を贈った。

アームストロング氏は中西部オハイオ州生まれ。海軍入隊後、朝鮮戦争に従軍した。55年に大学(航空宇宙学専攻)を卒業後、現在の米航空宇宙局(NASA)入り。62年に宇宙飛行士となった。

69年7月に月面に降り立った際には、「1人の人間にとっては小さな一歩だが、人類にとっては大きな飛躍だ」と語り、世界中で注目された。米国は旧ソ連に人工衛星打ち上げ(57年、スプートニク1号)で先を越され衝撃を受けていただけに、月面着陸は米国中を驚喜させた。

地球への帰還後、退役し、シンシナティー大学で教壇に立った。宇宙飛行士から上院議員に転身したジョン・グレン氏のように、政界入りを勧める声もあったが、固辞し続けた。

アームストロング氏の遺族は25日、世界中の若い世代に対し、「自分自身のことよりも大義のために身を捧げてほしい」と強調するともに、「澄んだ夜、月があなた方にほほ笑みかけるとき、アームストロングのことを思い出し、ウィンクしてほしい」との声明を出した。【産経 08.26】


火星探査車「キュリオシティ」はファースト・ドライブを実施しました。下は、着陸地点から4.5メートル前進し、120度転回し、2.5メートル走行したところで、前方ハズカム(front-HazCam)が撮影した一枚。地表にわだちがしっかりとついています(大きいサイズ)。

 

一方、先日試行されたレーザーショットによる岩石照射で取得されたスペクトルが公開されました。これはマストの先端に位置する「ChemCam」から岩石へ強いレーザー光を照射、蒸発させた際に生じる放射をスペクトロメーターで観測して成分分析を行うものです。波長240〜850ナノメートル(紫外〜可視光、赤外線)の範囲の6144ポイントで値をカウントします。

 

この試行では30回以上のパルスレーザーが照射されたとのこと。最初の照射のみで水素が検出されたといい、これは、このターゲットでは水素がごく表面付近にのみ存在していることを示唆。一方、二酸化炭素の強度も強く検出されていますが、これは大気成分が反映されているものだろうと。総合的な観点から、これまで火星で見られてきた典型的なゲンブ岩とのことです。詳しくはこちらへ【photo: NASA】


米航空宇宙局(NASA)は21日、火星に着陸した無人探査車「キュリオシティー」の上部にある風向計の一部が壊れているのが見つかったと発表した。着陸時にエンジンを地表に向けて噴射した際に石が飛んで当たった可能性があるが、NASAは「探査車のほかの機能には影響ない」と説明している。

一方、車輪の方向を変えたり、ロボットアームを曲げたりするテストも実施。22日にはごく短い距離を移動する試験走行を予定する。

火星には薄い大気があり、風向計は探査地点の天候を知るための装置の一部。探査車の上部にあるマストの途中に付いた2本の指のようなセンサーのうち、1本が壊れていた。チームは残されたセンサーで観測する方法を検討する。【共同 08.22】


NASAは、2016年を打ち上げ目標とする次の火星探査計画に「インサイト」(InSight = Interior Exploration using Seismic Investigations, Geodesy and Heat Transport)を選定したと発表した。

これは、着陸機を火星に飛ばし、地震計と熱量計を設置し、内部構造把握に必要なデータを取得するというもの。火星の内部がどうなっているのか、特に液体領域はあるのか、地殻運動はあるのか、その辺はまだ手つかずの分野であり、これに挑むことになる。

 

着陸機は2007年に大成功を収めた火星着陸探査機「フェニックス」と同型を使用する。打ち上げは2016年3月、到着は同9月、火星での運用はざっと2年=720日(Sol700)が予定されている。この期間は火星の1年に匹敵する。

(上のコンセプト図で、地表に置かれたのが地震計、深くに設置されたのが熱量計。熱量計は深さ5メートルに設置されるもので、ロッドドリルではなく、テザーがついた“モグラ”のような仕様になっています。両装置は、ロボットアームでデッキから地表へ下ろされます。)

指揮を執るのは、ジェット推進研究所(JPL)のW. Bruce Banerdt氏。予算は打ち上げコストを除いて4億2500万ドル(2010年時点)。

この計画は、1992年に始まったNASAの「ディスカバリー」プログラムの12番目のミッションとなる。NASAは12番目候補を2010年6月に公募し、28の案が集まった。昨年5月、3つのミッションに絞られ、このほど、インサイトが決定したというわけである。ちなみにもれた2つは彗星探査と、土星の衛星「タイタン」の探査案であった。詳しくはこちらこちらへ【NASA 08.20】

…個人的にはタイタン探査が選外となったのが残念。。


火星探査車「キュリオシティ」は19日、搭載されている“ChemCam”からレーザーを照射し、小石に穴を開けることに成功した。

キュリオシティのマストの先端には“Chemistry and Camera instrument”(化学カメラ装置、略してChemCam)という装置が搭載されている。これは目標とする岩石にレーザーを照射し、その時舞い上がるダストをカメラで撮影しスペクトル分析するというもの(下)。

 

今回ターゲットとなった岩石はすでに選定されていたもので、18日の会見で“N165”と命名されていることが明らかにされていた。大きさは約3インチで、車から3メートルちょいのところにある。火星で普通に見られるタイプの岩石という。

19日、ChemCamから10秒間に30パルスのレーザーが照射された。このレーザー光は照射ポイントをイオン化し、その時出たスパークをChemCamの望遠カメラでとらえ、3つのスペクトロメーターで分析された。スペクトロメーターは赤外線から可視光、紫外線までの6144波長を拾い上げる。(下は照射前と照射後の画像。穴があいているのがわかる)

 

試験の成果は想定以上のものだったという。30の各パルス毎に励起されるスパークを捉え、スペクトルを記録することができたとのこと。この成功は運用チームのモチベーションを上げ、「今後予定されている2年間で多数のターゲットを調べることができるだろう」と関係者は言う。詳しくはこちらへ【NASA 08.19】

…海外ではこのようなパロディが…^^;
http://galegazette.wordpress.com/2012/08/19/preparing-to-fire/


キュリオシティの走行目標が定まったようです!

キュリオシティの運用チームは17日のメディア会見で、最初の探索ターゲットを選定したと発表した。「ゲール・クレーターのとてもよいど真ん中に着陸したので、ターゲットは文字通り、全方位にありました。」と語るのは、運用チームのジョン・グロジンガー氏。「たくさんの候補があり、一種のジレンマがありましたが、今はドリル探査を行うべく、その地点に行くのみです。ドリル掘削は、火星探査史の新たな1ページを開くでしょう。」

彼らが選んだ場所は“Glenelg”(グレネルグ)と名付けられ、現在地から400メートルほど南東の場所(図)。ここは興味深い堆積層で、最初の掘削ターゲットにふさわしいという。

 

なお、キュリオシティはまだ走行を行っていない。走行開始に向けて目下準備中とのこと。詳しくはこちらへ【NASA 08.17】


南半球で見える「ほうおう座」の方向に約57億光年離れた所で、観測史上最速のペースで新しい恒星を生み出している銀河団が見つかった。米マサチューセッツ工科大などの国際研究チームが、米国が南極点に設置した電波望遠鏡「SPT」やチャンドラX線天文衛星などを使って観測した成果で、19日までに英科学誌ネイチャーに発表した。

多数の銀河が集まった銀河団の中心では、超巨大ブラックホールが形成され、その周囲から磁場などの作用で噴出するガス流「ジェット」によって熱くなることが多い。そうなると、ガスやちりが冷えて集まり、恒星ができるペースが遅くなる。

これに対し、今回見つかった「フェニックス(ほうおう座)銀河団」では中心のジェットが弱いため、ガスなどが冷えて恒星が誕生しやすくなっていると考えられる。誕生ペースは有名なペルセウス座銀河団の20倍に上るという。【時事 08.19】


NASAの火星探査車「キュリオシティ」を、周回軌道上の「マーズ・リコネッサンス・オービター」が撮影しました。周辺にスカイクレーンの噴射痕が残っていることが見て取れます。

 

大きいサイズはこちらへ【photo: NASA】


インドのシン首相は15日の独立記念日の演説で、インド初となる火星探査機の打ち上げ計画を明らかにした。詳細には触れなかったが、地元メディアによれば、早ければ2013年11月に火星の大気調査などを行う小型の無人探査衛星を国産ロケットで打ち上げる。

シン首相は「探査機は火星付近に到達し、重要な科学的情報を集める。これはわれわれの科学技術分野での大きな飛躍だ」と自賛した。歴史的に火星探査をリードしてきた米国などに追随する技術力を誇示し、国威発揚につなげる狙いも大きいとみられる。【時事 08.15】


金星が月に隠される「金星食」が14日未明、関東や九州などの一部地域で観察された。好天ならば23年ぶりに日本の大半の地域で夜明け前に観察できるはずだったが、全国的に雨や曇りの所が多かった。

薄曇りの東京・羽田空港では午前2時過ぎ、東の空に昇り始めた月と金星が寄り添うように近づく様子が見えた。しかし、同2時44分に金星が月の陰へ入り始める瞬間は、雲に阻まれて見えなかった。その後、月の陰から再び姿を現した金星は、同3時40分過ぎに雲の切れ間で輝き始めた。

国立天文台によると、金星食は数年に1度起きるが、日本の広い範囲で暗い時間帯に観察できる好条件がそろうのは、次は51年後の2063年5月となる。【読売 08.14】


6日の米航空宇宙局(NASA)の無人火星探査機「キュリオシティ」着陸で管制業務に就いていた奇抜な髪形の男性職員が、「NASAのモヒカン男」として人気を集めている。オバマ大統領も13日にNASAにかけたねぎらいの電話の中で、着陸で注目を集めた「多くのスターの一人だった」と言及した。

この男性は、ボバク・フェルドウシさん(32)。着陸を実況するNASAの中継映像にたびたび登場して話題を呼び、簡易ブログ「ツイッター」で女性ファンからプロポーズまで受けた。フェルドウシさんがCNNテレビに語ったところでは、新たな任務に就くたびに髪形を変えており、今回は同僚の多数決の結果、モヒカン刈りに決まった。

オバマ大統領も人気を耳にしており、電話では「私もモヒカンにしようか考えたことがあるが、周囲に止められてね」と笑いを誘った。 【時事 08.14】


キュリオシティのマストカム(Mastcam)のテスト撮影も始まりましたね。とても綺麗な画像が!下は、マストカム(左カメラ)で撮影された日時計/カラー校正パターン。大きいサイズでみるととても綺麗。そして日時計には“TO MARS TO EXPLORE” と書いてあるのが印象的。

 

    下は、スカイクレーンの噴射痕。とてもはっきり出ていますね!
 

その他、魅力的な画像はこちらこちらへ【photo: NASA】


キュリオシティからハイレゾ画像もぞくぞくと送られてきてますね!下は、キュリオシティの“セルフポートレイト”。デッキの上に小石が散らばっていますが、スカイクレーンの噴射で巻き上げられた地上の石でしょうね。噴射の猛烈さを想像…。大きいサイズはこちらへ。

 

               荒涼とした大地だ!
 
大きいサイズ

360度パノラマのカラー高解像度画像。大きいサイズで見ると、噴射痕もくっきり。それにしても凄い画質。
 

キュリオシティ着陸シーケンスのアニメーション。とてもわかりやすいです。動画はこちらへ。
 

76年バイキング以来、歴代の米国火星着陸機のランディング精度。狙う着陸ポイントがバイキングの時は174マイル×62マイルの楕円領域だったものが、今回のキュリオシティでは12マイル×4マイルに!(大きいサイズ
 

これまた凄い…スカイクレーンが地面に激突し、舞い上がった表土を撮影!中央で地面から立ち上がっているのがそれ。後部ハザードカメラで撮影されたもの。(大きいサイズ
 

【photo: NASA】


画像は、キュリオシティのすぐそばの拡大画像で、スカイクレーンのスラスター噴射が地表を吹き飛ばした部分。着陸地点の表面は比較的表土が浅く、その下には粒の小さい岩石が敷き詰めており、恐らくその下は堅い岩盤だろうと読み取れる。大きいサイズはこちらへ。

 

下は、キュリオシティの撮影画像をつなげて作られた360度パノラマ。ナビゲーションカメラで撮影されたモザイクのサムネイルをつなげて作成されたものであり、低解像度であるため一部ぼやけている(高解像度は後ほどダウンロードされる)。大きいサイズはこちらへ。

 

下は、ナビゲーションカメラが最初に撮影した画像(大きいサイズ)。車体上部につけられているマストが立てられ、その影が地上に映っている(マストが立った様子は、上のパノラマにもそのわかりやすい影が出ている)。ナビゲーションカメラはマストの先端につけられており、太陽の位置を確認するのが主目的で、これに基づき車体の向きなどが把握される。

 

下は、ナビゲーションカメラが撮影した“自画像”。解像度が落とされているので全体としてぼやけている(大きいサイズ)。ハイレゾ画像が楽しみ。

 

下は、火星周回探査機「マーズ・リコネッサンス・オービター」が撮影した、6つのインパクト痕。これはキュリオシティ突入機に搭載されていたタングステン製のバラストが落下した場所で、約1キロの長さに渡って直線上に並んでいる。このバラストは大気圏突入後に投棄されたもの。(大きいサイズ

 

【photo: NASA】


下の画像全体は、MROのデータに基づいてキュリオシティの着陸地点周辺を再現したCGに、キュリオシティのロボットアームの先端に付いているカメラ「MAHLI」から見たカラー画像を合成したもの。ロボットアームそのものはまだ固定されており、MAHLIには透明の保護カバーがつけられた状態である。

 

ロボットアームが稼働状態になり、MAHLIが高く持ち上げられると、ちょうど米国で販売されている乗用車に乗ったドライバーと同じ視点の高さになるという。

大きいサイズはこちらへ【NASA 08.07】


マーズ・リコネッサンス・オービター(MRO)が早速、キュリオシティ着陸地点の周辺を撮影、耐熱シールドなどが見つかりました。

 

キュリオシティを中心に散らばっていますね。パラシュートはその姿が白く、バックシェルと共に。スカイクレーンはバラバラに砕け散ったようで…。キュリオシティからの距離は、耐熱シールドが約1500メートル、パラシュートは615メートル、スカイクレーンは650メートルとのこと。大きいサイズはこちらへ【NASA 08.07】


日本時間7日未明、ジェット推進研究所(JPL)は会見を行い、キュリオシティ関連の画像をまとめて出してきました。

下は着陸直後にリリースされた画像の、より鮮明なもの。車体の左後ろ下に取り付けられたハズカムで撮影。もともと魚眼な広角レンズ撮影ですが、それを通常の視野になるよう加工したもの。向こうに見えているのは着陸地点である「ゲール・クレーター」の縁。
 

下は、車体の左前の下にあるハズカムが撮影した光景。目の前はクレーターの中にそびえる「シャープ山」(Mt. Sharp)。高さは3.6マイルとのことですから…ざっと5400メートル。富士山より高い!そして長く伸びた車体の影が印象的ですね。
 

スカイクレーンの噴射が巻き上げた砂塵のため視界がほこりっぽいですが、これは透明レンズキャップで、このあと外されるとのこと。

お次は、降下中に撮影された映像。底部耐熱シールドが外れた瞬間で、もちろんこのような光景が取得されたのは過去の着陸機史上初。素晴らし過ぎて声も出ません。
 

これはキュリオシティの底部につけられているMARDI(Mars Descent Imager instrument)と呼ばれる着陸カメラが撮影した一枚。MARDIは降下中、ざっと1500枚の連続撮影を実施し、それをつなげることで動画を作ることができるとのこと。すでに一部が出来ており、ウェブ上に出ています(こちら)。なお、画質は速報のため8分の1に落とした状態で送信されたもので、高画質バージョンはメモリに記録されたままとのこと。今後地球とのハイレート交信が確立した後、ぼちぼちダウンロードするそうです。それも楽しみですね!

ちなみにMARDIは、それで取得された画像はオンボードで即座に解析され、地上の状況把握が行われ、安全な着陸を実現するためのもの。2008年の火星着陸機「フェニックス」でも搭載されましたが、その時はトラブルで1枚しか撮影できなかったものでした(この時は充分降下したタイミングで1枚だけ撮影し、それが地上把握に使われました)。

そして劇的なのが、下の画像。火星周回探査機「マーズ・リコネッサンス・オービター」(MRO)が撮影したもので、降下中のキュリオシティ。パラシュートも耐熱殻も巨大なためか、くっきりと映し出されています。頂部のベントもくっきり。目を凝らせばワイヤーも見えるのでは?(笑)
 

今後MROによって地上に降りたキュリオシティ本体の撮影、およびどこかへ落下しているはずのパラシュート、耐熱シールド、スカイクレーンの捜索が行われるとのこと。

なお、今後1両日中にハイレート通信を確立し、“首”とも言えるマストを立てて高画質ステレオカメラなどの起動を行っていくとのことです。詳しくはこちらこちらへ【NASA/Spaceflight Now 08.06】


火星探査車「キュリオシティ」は日本時間午後2時32分、火星地表へ着陸した。すべては予定通りに進み、パーフェクトな着陸!しかも車体下部のカメラが撮影した画像が即座に到着した!おめでとうございます:-)

 


いよいよ明日6日午後2時31分、NASAの火星探査車「キュリオシティ」が火星へ着陸します。NASATVは2時間前から、ジェット推進研究所(JPL)管制部よりライブ中継を実施します。
http://www.nasa.gov/multimedia/nasatv/index.html

昨年11月26日に打ちあげられたキュリオシティの重量は900キロ。もはや軽自動車1台を火星へ送り込むようなものですが、これに伴い全てが巨大に。その耐熱殻やパラシュートも探査機史上最大のものとなっています。もちろん制御プログラム、それに火工品の数なども桁違いのものに。それらすべてに、完璧な作動が求められます。

 

        耐熱シールドを取り付ける直前。とにかくデカイ。
 

風洞実験中の減速パラシュート。長さ50メートルのワイヤーが80本、展開直径はざっと16メートル。素材は大部分がナイロンで、頂部ベントの周辺は強化ポリエステル。風洞はNASAエームズ研究所にある施設で、747ジャンボが丸ごと入る広さで、これまた世界最大。
 

確か、最初の実験ではシュートが破けたんですよね。明日はうまく行きますように…。

個人的には、スカイクレーンというこれまた野心的なシステムにとても興味あります。操り人形のような格好で車を宙づりにし、減速エンジンを吹かしながらそれを地上へ置くという仕組み(下)。何年も前、構想が発表された当時、素人目で見ても「これ大丈夫かいな(汗)」と思ったものでしたが、ついに本番。

 

大気圏突入から着陸までの流れ。一連の所要時間は7分。この時間は「魔の7分」などと言われたり。(大きいサイズ
 

また、この降下時の様子を、軌道を周回している「マーズ・リコネッサンス・オービター」で撮影してみようという試みもあります。同様の挑戦は2008年に北極域へ着陸した「フェニックス」の時に実施され、見事成功しました(下)。(詳細はこちら
 

なお、この着陸フェーズにおけるテレメトリー取得をを周回探査機「マーズ・エクスプレス」や「マーズ・オデッセイ」が支援するとのこと。

見所はたくさんですが、まずは、無事の着陸を願いましょう!【photo: NASA】


日本時間2日午前4時35分、カザフスタン・バイコヌール宇宙基地から無人貨物宇宙船「プログレスM-16M」が打ちあげられました。2.6トンの貨物を積んだ同船は、打ち上げから僅か6時間後の同10時18分、国際宇宙ステーション(ISS)へ到着しました。通常2日かけて向かうものですが、今回は試行的に実施された最速便でした。

               プログレス、リフトオフ!
 

       管制中のモスクワ・ツープ。一度は行ってみたいところ。
 

詳しくはこちらこちらへ【Energia 08.02】

24日に不具合でうまくいかなかったプログレスM-15M宇宙船のドッキング実験は日本時間29日午前10時、再挑戦で成功した。

これは、新型誘導システム「クルスNA」の実機試験。これまでに使われてきた「クルスA」システムを刷新したもので、これが標準装備となると、クルス用の5つのアンテナのうち4つが不要になる。

なお、24日の不具合は、プログレス船内の温度が原因では無いかと疑われているという。国際宇宙ステーション(ISS)にドッキングした同宇宙船からはシステムボックスが回収され、地上に持ち帰られる予定なので、その後の分析で詳細が明らかになると思われる。

ちなみに同宇宙船は、30日にはISSから再度分離され、大気下層へ突入廃棄処分される予定。詳しくはこちらへ【NASASpaceflight 07.29】

…クルスNAアンテナはこちら↓
 
ソユーズ型宇宙船に特徴的なさかずき型の2枚の小型パラボラが現行のクルスアンテナですが、廃止となるとこれらのアンテナも撤去…ちと寂しくなりますなぁ…まあ刷新されるのは嬉しいことですが。。


星出彰彦さん(43)が長期滞在中の国際宇宙ステーション(ISS)でモスクワ時間24日午前(日本時間同)、いったん切り離したロシアの無人貨物船「プログレス」を再ドッキングさせる実験が行われたが、失敗した。ロシア宇宙庁などが明らかにした。

星出さんら宇宙飛行士に危険が及ぶ事態ではなく、プログレスはISSから安全な距離を確保して飛行。21日に打ち上げられた日本の無人補給機「こうのとり」が27日にISSに到着するのを待って、再びプログレスのドッキングを試みるという。

実験は4月20日に打ち上げられたプログレスを使い、ロシア人宇宙飛行士3人が実施した。米航空宇宙局(NASA)によると、新しい自動接近・ドッキングシステムのトラブルが原因とみられるという。【時事 07.24】

…RIAノーボスチの報道によると、29日に再試行するようです。またこのプログレスM-15Mは30日にISSより離脱廃棄が予定されていましたが、これも予定通り実施の方向と…忙しいですね。。


米国人女性として初めて宇宙飛行士となったサリー・ライドさんが1年5カ月にわたるすい臓がんとの闘いの末、23日に死去した。61歳だった。

ライドさんはカリフォルニア州ロサンゼルス生まれ。スタンフォード大学で物理学博士号など4つの学位を取得し、78年に米航空宇宙局(NASA)に入った。NASAの宇宙飛行士候補として女性が採用されたのは、この年が初めてだった。

1983年と84年の2回、米スペースシャトル「チャレンジャー」で宇宙飛行を果たした。3回目の飛行も予定されていたが、86年のチャレンジャー爆発事故で中止となった。ライドさんは事故の調査に参加し、その後NASAの長期計画立案にもかかわった。

NASAを離れた後はカリフォルニア大学サンディエゴ校の物理学教授となり、数冊の著書を出した。また「サリー・ライド・サイエンス」という会社を設立し、女子の科学教育の推進に取り組んだ。

オバマ米大統領はライドさん死去の知らせを受け、「サリーは国家的英雄であり、力強い模範だった」とする声明を発表。「サリーの人生は、われわれが達成できることに限界はないことを示した。その業績は将来に残ると確信している」と述べた。

NASAのボールデン局長も「彼女を失ったのは寂しいことだが、その星は常に明るく輝き続けるだろう」と語った。【CNN 07.24】


国産大型ロケット「H2B」3号機によって打ち上げられた無人補給船「こうのとり(HTV)」は21日夕、軌道調整のためのエンジン噴射を行った。

星出彰彦宇宙飛行士(43)の待つ国際宇宙ステーション(ISS)に向け、順調に飛行している。

打ち上げ後、種子島宇宙センター(鹿児島県)での記者会見で、古川宇宙政策相は「こうのとりに人を乗せて、戻ってくる技術も将来的に持てるようにしていきたい」と述べ、有人宇宙船の開発に意欲を示した。

こうのとりには、気圧を一定に保った部屋があり、ISSに結合中は宇宙飛行士が出入りする。しかし、現在は大気圏突入時に燃えてバラバラになる構造のため、人を乗せて地上へ戻ることができない。【読売 07.21】


星出彰彦さん(43)ら日米ロの3人の飛行士が乗ったロシアのソユーズ宇宙船が17日午前8時51分(日本時間同日午後1時51分)、国際宇宙ステーションにドッキングした。星出さんは、約4カ月間にわたる初の長期滞在に挑む。

ソユーズは徐々に高度を上げ、無線を利用した自動操縦で、地球の高度約400キロを周回するステーションと並走しドッキング。星出さんらはその後、扉を開きステーションに入る。

星出さんは長期滞在中、4年前に自ら組み立てた日本実験棟きぼうで、小型衛星の放出やメダカの飼育実験などを行う。【共同 07.17】


火星にかつて生命が存在した可能性を探ろうと、NASA=アメリカ航空宇宙局は、過去最大の火星探査機「キュリオシティー」を日本時間の来月6日、火星に着陸させると発表しました。これは、NASAが16日、記者会見して明らかにしました。

それによりますと、NASAは去年11月に打ち上げた火星探査機「キュリオシティー」を日本時間の来月6日、午後2時半すぎに火星に着陸させます。

「キュリオシティー」は、全長3メートル、高さ2メートル、重さおよそ900キロで、地球からの遠隔操作で火星の大地を自由に動き回ることができる過去最大の火星探査機です。

ロボットアームを使って火星の岩石を採取することができ、搭載した分析装置で、有機物など生命が存在した可能性を示す痕跡がないか、高い精度で調べることができます。

NASAの担当者は「『キュリオシティー』は火星に向けて順調に飛行しており、着陸まであと20日余りで興奮している。困難な作業だが準備は整っている」と述べました。

火星には、生命に欠かせない「水」があったことがほぼ確実視されており、中には、地球の生命の起源があったのではないかと主張する研究者もいます。
「キュリオシティー」は水の成分を多く含む岩石があるとされる地域で2年間、探査する予定で着陸の模様は探査機のカメラで撮影され、地球に送られてくるということです。【NHK 07.16】


国際宇宙ステーション(ISS)で長期滞在に臨む星出彰彦さん(43)ら3人を乗せたロシアのソユーズ宇宙船が15日午前8時40分(日本時間同11時40分)、バイコヌール宇宙基地から打ち上げられた。約9分後に高度約200キロの地球周回軌道に入り、打ち上げは成功した。日本時間17日午後にISSにドッキングする。

星出さんは2008年6月に米スペースシャトルに搭乗し、今回が2回目の宇宙飛行。長期滞在は若田光一さん(48)や野口聡一さん(47)、古川聡さん(48)に続き4人目。4カ月余り滞在し、自身が08年に設置した日本実験棟きぼうの実験室でメダカの飼育実験を担当するほか、小型衛星の放出も行う。【時事 07.15】

12日、ソユーズロケットが射点に据え付けられました。手前は発射直前まで作業している作業員が退避するためのバンカー(地下壕)。
 

射点をピット側から見た様子。両サイドに開いた整備塔がこのあとロケットを挟み込みます。
 

ロケットに乗り込むクルー。一番下からユーリ・マレンチェンコ(船長)、星出彰彦、スニタ・ウィリアムズ(共にフライトエンジニア)の各飛行士。
 

             リフトオフ!いってらっしゃい!
 

【photo: NASA その他の画像はこちらへ】


あらゆる物質に質量を与えたと考えられる仮説上の素粒子「ヒッグス粒子」を探しているジュネーブの欧州合同原子核研究所(CERN=セルン)は4日、大型粒子加速器「LHC」による実験で新たな素粒子を見つけたと発表した。この粒子をヒッグス粒子と考えても矛盾がないが、ヒッグス粒子かを見極める方法は複数あり、さらなる実験や分析で確度を高める必要があるという。今年中には結論に至る見込み。

ヒッグス粒子は、あらゆる物質に含まれる素粒子の基本理論として1960年代に提唱された「標準理論」で存在が予言された。ヒッグス粒子は、宇宙誕生(ビッグバン)直後、宇宙空間に漂っていた素粒子に質量を誕生させる過程で重要な役割を果たしたと考えられ、「神の粒子」と呼ばれている。標準理論で存在が指摘された他の素粒子は98年までに次々と見つかったが、唯一未発見となっている。

ヒッグス粒子は、原子核を構成する陽子同士が光速に近いスピードで衝突した際にごくまれに生じると考えられている。LHCは、陽子を衝突させてヒッグス粒子が生じているかを確かめる実験が可能な施設。宇宙誕生時は超高温状態だったが、LHCでも同様の環境が再現される。

CERNでは、LHCでヒッグス粒子を検出しようと、二つの国際研究チームが実験を繰り返している。ヒッグス粒子の存在を「確認した」と言えるには、検出された素粒子の質量を特定することが必要。CERNは昨年12月、水素原子に換算して116〜130個分の質量の間に「存在の手がかりが得られた」と発表していた。「統計的にヒッグス粒子だと言える確率」は99.9999%とされるが、この際は98.9%にとどまり、確定には至らなかった。

東京大や高エネルギー加速器研究機構(茨城県つくば市)など日本の16機関110人が参加する研究チームの一つ「アトラス」では、陽子を衝突させる実験を今年、昨年の500兆回を上回る600兆回実施した。その結果、水素原子125〜126個分に相当する質量のデータが昨年よりも飛躍的に多く得られた。統計的にヒッグス粒子だと言える確率は100%に近づいていて、もう一つの欧米などの実験グループ「CMS」の結果も同様だ。【毎日 07.04】

スペースシャトルの後継として、小惑星や火星を目指す米航空宇宙局(NASA)の新型宇宙船「オリオン」のテスト飛行用の機体が、発射基地となる米フロリダ州のケネディ宇宙センターに搬入され、2日、記念式典が開かれた。2014年の無人試験飛行を目指す。

オリオンはカプセル型の4人乗り宇宙船。機体はアルミニウム合金製で、ルイジアナ州の工場で作られた。NASAは同センターで、周囲に耐熱材を張り付けるなど最終的な組み立てを行う。

オリオンは14年の飛行で、国際宇宙ステーションの高度の約15倍となる5800キロの高さまで打ち上げられる。【共同 07.03】


米フェルミ国立加速器研究所は2日、質量の起源とされ、「神の粒子」と呼ばれるヒッグス粒子の存在を示唆する実験結果を得たと発表した。大型加速器テバトロンを使った実験でわかった。

テバトロンは昨年9月、25年にわたる運転を終了。これまでのデータを解析したところ、この粒子は、陽子約130個分の重さを持つと推定された。ヒッグス粒子発見の前段階である「確証」とまでは言えないものの、存在を示唆する結果だとしている。

ヒッグス粒子をめぐっては、欧州合同原子核研究機関(CERN)も4日に最新の研究成果を発表する予定で注目されている。【読売 07.03】


1977年に打ち上げられ、35年経った今現在も機能しているNASAの惑星探査機「ボイジャー1号」の最近の観測データを分析するに、荷電粒子密度が劇的に変化する領域にさしかかりつつあると見られることが明らかになったという。この領域より外は、太陽系外空間と見なされている世界である。

 

この領域に侵入すると、荷電粒子の密度が急激に増加するとされている。勿論、人類の作った探査機がここを通り、そして太陽系を出るのは初めてのことである。

「物理の法則では、ボイジャーが恒星間空間に飛び込む最初の探査機となるのは明らかなのですが、それがいつになるのか、まだ正確なことを我々は知り切れていないのです。最新のデータをみると、探査機は新たな領域に飛び込んだようです。太陽系未知のフロンティアに迫っており、とても興奮しています。」と語るのは、ボイジャー計画に初期から関わるカルテックのエド・ストーン教授。

ボイジャーが現在飛行している場所まではざっと178億キロ、これは光速で16時間38分かかる距離である。ここまでボイジャーはざっと35年かけてやって来た。観測センサーは勿論、35年も前のものである。原子力電池の電力は低下しており、もはや全ての装置を同時に動かすことはできないが、荷電粒子センサーなど空間観測に必要な装置は稼働を続けている。

2009年から今年1月まで、観測値は25%も上昇しているといい、直近では、今年5月7日からの1週間で5%も、1ヶ月で9%もの上昇が見られているという。運用チームが狙っている重要ポイントは3つあり、荷電粒子の急増はそのひとつであった。もうひとつはヘリオスフェア(太陽圏=太陽風の力が及ぶ範囲)内で生成される粒子のカウントである。このような粒子のカウントは減少傾向にあるが、ボイジャーが太陽系を抜けるときに見られると予想されている急減少は出ていない。

そして3つ目のポイントは、磁場の向きのはっきりとした変化である。ボイジャーがヘリオスフェア内にいる現在、その向きは東西方向であるが、ここを抜けると、南北方向に向きが変わるものと期待されている。この分析には数週間を要するといい、運用チームは観測データの分析を急いでいるところである。詳しくはこちらへ【NASA 06.16】

…そういえば、ハセガワよりボイジャーのプラモデルが発売されましたね。ボイジャーファンは必買。私も買いますw
   
http://www.hasegawa-model.co.jp/hp/catalog/sw_series/sw2/index.html


米航空宇宙局(NASA)は11日、火星探査車「キュリオシティー」が日本時間8月6日午後2時半ごろに火星の「ゲール・クレーター」へ着陸すると発表した。

同クレーターは、火星の赤道よりやや南で、水が存在したと考えられる古い時代の地層が露出しており、生命の痕跡の発見につながる可能性があるという。

キュリオシティーは全長約3メートル、重さ約900キロ・グラムの6輪車で、乗用車並みの大きさ。昨年11月に打ち上げられた。着陸時には衝撃を最小限に抑えるため、探査車をつり下げた下降装置が上空約20メートルを飛びながら、ワイヤで探査車をゆっくり地上に下ろす。【読売 06.12】

…史上最大のパラシュートによる減速シーンもありますが、「スカイクレーン」と呼ばれるこの下降装置が最大の山場ですよね。プロモーション動画を見てもハラハラします…この挑戦的なシステムの成功を祈りましょう。

5月のH2Aロケットの打ち上げに成功した三菱重工業は、今後10年以内に宇宙事業の売上高の倍増を目指す。政府からの需要に加え、海外からの受注で衛星打ち上げの頻度を高めるほか、ロケット関連部品の海外輸出や宇宙を利用した創薬関連事業など、新規ビジネスにも取り組み宇宙関連事業を強化する。

三菱重工と宇宙航空研究開発機構(JAXA)は5月18日未明に種子島宇宙センターから、韓国と日本の衛星を搭載したH2Aロケット21号機の打ち上げに成功。海外の衛星の打ち上げは今回が初めてで、日本のロケット産業としては新しいステージに入った。15回連続の成功となり、ビジネスとして重視される成功率は95.2%に達した。

「同社航空宇宙事業本部の浅田正一郎宇宙事業部長が取材に対し、明らかにした。同部長は「宇宙事業としてある程度存在感のある売上高を上げたい」とし、「現在の500億円程度から1000億円の大台に乗せること」が目標と述べた。

具体策として浅田部長は、打ち上げ事業だけでは売上高の倍増は難しいため、米国向けにロケット部品輸出や米企業との協業などの分野への本格進出を検討していると話した。同社は既に米主要ロケットのデルタロケットの第1段エンジンのバルブとタンクを提供しているが、今後は部材や納入先の拡大に努める考え。続きはこちらへ【産経 06.12】


素粒子のニュートリノが光より速く飛ぶとの実験結果を昨年9月に報告した名古屋大などの国際研究チーム「OPERA」は8日、測定精度を高めた再実験の結果、ニュートリノの速度は光速と誤差の範囲で同じだったとして、「超光速」の当初報告を撤回した。京都市で開かれているニュートリノ・宇宙物理国際会議で正式に発表した。

「超光速粒子」の報告は、質量を持つ物質は光速を超えないとするアインシュタインの相対性理論に反するため世界的な論争を呼んだ。科学者の多くは当初から懐疑的だったが、研究チームの撤回表明で論争は終結する見通しとなった。

実験はスイス・フランス国境の欧州合同原子核研究所(CERN)から発射したニュートリノを、約730キロ離れたイタリアのグランサッソ地下研究所で検出。当初は光より60ナノ(ナノは10億分の1)秒早く届いたと報告された。

速度を測定するため、GPS(衛星利用測位システム)で時刻を合わせる時計を発射側と到着側に計3台設置。このうち到着側で地上と地下の時計をつなぐ光ケーブルの接続不良や、ニュートリノ検出器の精度が不十分だった可能性が見つかり、今年5月に再実験を行っていた。

再実験では光ケーブルの接続を十分に確認した上で、地上と地下の時刻合わせを1ナノ秒単位で正確に監視。ニュートリノが検出器を通過する時刻も、誤差を従来の25分の1の1ナノ秒に抑えて確認できるように装置を改良した。

超光速粒子をめぐっては昨年11月、同じ研究所の別の実験チームがノーベル賞学者の見解をふまえて反論したほか、今年3月には検証実験で否定。光ケーブルの接続不良問題も浮上したことで、超光速は誤りとの見方が広がっていた。【産経 06.08】


エクスカリバー・アルマズ社のアルマズ宇宙船がピカピカに生まれ変わってます。http://www.flightglobal.com/news/articles/
excalibur-almaz-details-plans-for-capsule-and-space-station-372347/

記事によると、現時点で、同宇宙船はソユーズFG宇宙船で飛ばす予定とのこと。Once in low Earth orbit (LEO), the capsules will dock with a Salyut station, which will use electric Hall thrusters to propel itself into orbit around the moon. とありまずが、"a Salyut"ということは別にステーションも用意するということのようで。【Flightglobal 05.27】


米宇宙ベンチャー「スペースX社」の無人宇宙船ドラゴンは31日、国際宇宙ステーション(ISS)から切り離され、同日午前(日本時間1日未明)、カリフォルニア沖の太平洋に着水した。米政府は地球周回軌道への輸送を民間にゆだねる方針で、今後、宇宙船開発で官から民への流れが加速しそうだ。

ドラゴンは民間宇宙船で初めて、ISSへのドッキングに成功した。積載した食料はISSに運び込まれ、不要になった実験器具などを積んで地球に帰還。大気圏突入時の高熱に耐えて、物資を持ち帰ることができるのがドラゴンの特徴だ。【時事 06.01】


三菱重工業と宇宙航空研究開発機構は9日の文部科学省宇宙開発委員会で、鹿児島県・種子島宇宙センターで18日未明にH2Aロケット21号機を打ち上げる準備が順調に進んでいると報告した。韓国航空宇宙研究院の多目的実用衛星3号機と宇宙機構の水循環変動観測衛星「しずく」、小型副衛星2基の計4基を搭載し、18日午前1時39分から同42分の間に打ち上げる。

H2Aは2007年に三菱重工業に移管されており、同社にとって韓国の衛星は商業ベースでの打ち上げ第1号。しずく1基では打ち上げ能力に余裕があるため、相乗りとすることで契約額を下げ、実績を積む目的がある。【時事 05.09】